近藤真由の気持ちが晴れるのに合わせ、演奏もどんどんカラフルに色づいてゆく。楽しい。そう、楽しい空気がここには間違いなく生まれていた。

シンガー・ソングライター/YouTuberとして活動する近藤真由が、ニュー・アルバム『ラストナイト』を10月12日に発売した。それに先駆け、10月10日・渋谷WOMBを舞台にワンマンライブ「近藤真由 One-man live 2022.10.10ラストナイト-今日から始まる私の世界-」を行った。

開演前には、大きなスクリーンに近藤真由のアコギ弾き語りによるカバー動画を次々と上映。開演までの時間、観客たちは流れる映像をじっと見つめながら開演のときを心待ちにしていた。

歌を好きになった瞬間から、こうやって大勢の人たちを目の前にして歌うまでの歩み。そこへ至るまでの想いを、近藤真由が映像に乗せて語りだす。 そして、呟いた「今日から始まるわたしの世界」。その言葉を合図に、ライブは幕を開けた。

Martinのアコギを手にした近藤真由が最初に歌いだしたのが、最新アルバムにも収録した『月の向こう』。バンド陣の奏でるゆったりとした音色に乗せ、近藤真由はアコギを爪弾きながら、夜空へぽっかりと浮ぶ月を見上げるように歌いだす。彼女の目には、どんな景色が映っていたのだろうか。言葉のひと言ひと言を、優しく語りかけるように近藤真由は歌っていた。観客たちもまた、客席の向こうにいる近藤真由の姿を愛おしい表情で見つめていた。

近藤真由の歌い語りから始まったのが、『Darlin’2秒間』。「Darlin’2秒だけ 電話してもいいかな~」とワンフレーズ歌い終えたところへ、彼女の恋する甘い気持ちへ寄り添うように、演奏陣が暖かい色を重ねだす。近藤真由の気持ちが弾むのに合わせ、バンド陣の演奏も熱を抱きながら心地好く跳ねだした。近藤真由とバンド陣の心の波長が綺麗に重なるごとに、恋心が弾むように歌と演奏が生き生きしてゆく。ときめいた歌と演奏に、フロア中の人たちも身体を揺らし、思いを重ね合わせていた。

近藤真由と言えば、アコギ弾き語りカバー曲の数々をYouTubeへアップし、注目を集めてきた歌い手。続いて披露したのが、ロード・オブ・メジャーの『心絵』。熱情した原曲を、温かいサウンドにアレンジ。彼女は少しウィスパーな優しい歌声を通し、頑張る人の背中をそっと押すように歌っていた。彼女の歌声へ誘われるように、フロア中の人たちもクラップをしながら、彼女の歌に心の背中を押してもらうことに喜びを覚えていたようだ。

MCでは、めちゃくちゃあがり症ということをネタに、どう緊張を緩和するかの話をしていたのも印象的だった。

哀愁を帯びたエレキギターのリフへ寄り添うように、近藤真由がアコギを鳴らしだす。歌ったのが、L’Arc~en~Cielの『flower』。彼女が歌うことで、エモーショナルな楽曲さえも、毛布のような優しい肌触りを持った歌に色を変えてゆく。いつだって近藤真由の歌うカバー曲は、それぞれの楽曲が持つ“温もり”を際立たせては、その温もりで聞き手の心を抱き寄せる。だから、何時だって近藤真由の歌声に気持ちを許し、彼女の届ける歌を両手でギュッと抱きしめたくなる。後半へ進むにつれ彼女の歌声が熱を増し、その熱が伝わってきたのも嬉しかった。

近藤真由は、アコギの弾き語りでオリジナル曲の『ハイウェイ』を歌いだす。力強くアコギを掻き鳴らす音へ導かれ、フロア中から手拍子が生まれる。その手拍子もリズムに加え、彼女はときめく想いを、客席に向かって真っ直ぐに届けてきた。フロア中で手拍子をしている観客たちは、心だけサイドシートに身を預け、滑るように走る近藤真由の歌声の運転に心地よく身を任せていた。

近藤真由にとって、この日のワンマン公演は4年ぶり。いつもはGibsonのアコギを使っているが、この日は父親から借りたMartinのアコギも用意。2本のアコギを巧みに使い分けながらライブを進めていった。

トークコーナーは、ファンたちから寄せられた質問へ次々と答える形で進んでいく。緩い内容ながら、心地好いトーンで進む話に気持ちが癒される。他にもここでは「ウーロン茶ゲーム」と題したリズムゲームをファンたちと一緒に楽しんでいた。

次のブロックでは、弾き語りでアニメソングのカバー曲を次々と歌唱。力強くGibsonのギターの弦を鳴らしながら、胸弾ませるように歌ったのが、つじあやの『風になる』。近藤真由の声が、青空の元でそよぐ心地好い歌の風となって、身体をスーッと吹き抜けてゆく。晴れた歌声に誘われるまま、彼女を自転車の後ろに乗せ、心地よい風を感じながら坂道を駆け抜けるような景色をずっと思い浮かべていた。そんな、心地好い青春の風の中で一緒に過ごす気分でいられたのが嬉しい。

JUDY AND MARYの『そばかす』では、いつも以上に力強くギターを掻き鳴らし、輝きに向かって走るように歌いだす。でも、温もりを覚える歌声で歌うところが近藤真由らしさ。演奏が進むごとに曲も、歌声もキラキラと輝きだす。気がついたらこの曲でも、青春という景色の中、彼女と一緒に淡く甘い恋に心がときめいていた。

嬉しい意外性を持った選曲でライブは進んでゆく。鍵盤とエレキギターを演奏に加えて次に歌ったのが、MAHO堂の『おジャ魔女カーニバル』。気持ちを重ね合わせ、セッションするように演奏する3人。原曲の持つ軽快で心地好いノリを活かしながら、そこへ近藤真由らしいプチ・ウィスパーな歌声を重ね合わせ、早口さえも愛らしいスタイルに仕上げていった。フロア中でも、彼女の歌声や胸弾む演奏に合わせ、熱い手拍子が響き渡っていた。

ライブ後半戦へ

近藤真由

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