
「こうやって直接みんなと会えて、顔を見てライブができることが奇跡のようで、本当に幸せを実感しているところです。当たり前が当たり前じゃなくなった今、何気ない日常というものの大切さを噛み締めながら歌わせていただいています」
コロナ禍の経験を踏まえてしみじみと想いを語りかけていたこの日は、ファンとともにかけがえのない時間を喜び合うchayの姿が印象深く残るライブだった。
雑誌『CanCam』の専属モデルを務めるなどマルチな活躍を見せるシンガーソングライターのchayが、7月と8月に大阪と横浜でビルボードライブ公演を開催した。本稿では、8月5日(金)にBillboard Live YOKOHAMAで行なわれた1stステージの模様をレポートする。

2020年5月の結婚発表後に制作した『花束』から、ハッピーなモード全開でライブがスタート。煌めく白のゴージャスなドレスと銀のラメ入りハイヒールを纏ったchayは、バンマスの深沼元昭(Gu/PLAGUES、Mellowhead、Uniolla)、山本連(Ba)、田辺貴広(Dr)、モチヅキヤスノリ(Key)、岡田万里奈(Cho)をバックに従え、ハート型のサウンドホールを持つおなじみのアコギを弾きながら嬉しそうに歌う。爽やかなメロディや快活なボーカルが際立つ『笑顔のグラデーション』へと続く中、サイリウムを振ったり手拍子をしたりする観客のリアクションも微笑ましい。



「今日は大変なときにもかかわらず、お越しいただきありがとうございます。無事に開催できて、みんなが来てくれてすごく嬉しい」と挨拶するchay。この日のために用意されたオリジナルカクテル「Summer Darling」「chay’s Musicocktail」も紹介し、しっとり乾杯したあとは『Celebrate You』へ。多忙なオフィスレディの気持ちに寄り添うチャーミングな歌を、ハンドマイクでステージを練り歩きながら、軽やかにステップを踏みながら届けた。さらに、弱気な自分を励ますようなリリックとカントリー調のやわらかなアレンジが心地よい『ずっと きっと 叶う』と、彼女らしい等身大のピュアなナンバーがBillboard Live YOKOHAMAの空間に温かく染みわたっていった。

「最近、何か幸せなことありましたか? “空やお花がきれいだな”とか、日頃のちょっとした出来事でいいと思うんです。そんな幸せを感じて歩んでいきたくて、今日この曲を選びました」と演奏されたのは、コロナ禍で歌詞の意味がより深いものになった『それでしあわせ』。UKロックを彷彿とさせるスケールの大きいサウンドに乗せた、まさに目の前の幸せを噛み締めるようなchayの歌唱が圧倒的で、垣間見えた想いの強さも相まってグッときてしまう。

『それでしあわせ』のアウトロでいったん舞台袖に捌けたchayは、髪を結び、白のブラウス、黒のレザースカート&ハイヒールに早着替えし、『伝えたいこと』のイントロで颯爽と戻ってくる。ここでもフォーキーなメロディとともに、日常のかけがえのなさを愛おしむような“当たり前なんて 何処にもないのに”という一節が、今だからこそいっそうリアルに響く。

中盤では、グランドピアノを伴奏に奥ゆかしく歌い上げた『小さな手』をはじめ、色とりどりのパフォーマンスを披露。『You』は路上ライブをしていた頃の原点に帰るようにソロスタイルで演奏し、chayの根幹を成す美しいボーカルとギタープレイにじっくり酔いしれられる時間となった。同じく弾き語りで聴かせた『Wishes』は一転、エモーショナルに掻き鳴らされるストロークが熱い。ルーパーを使ってアコギやキーボード、ビート、コーラス、ハンドクラップをその場でひとり多重録音したうえで華麗に歌ったエド・シーランのカバー『Shape of You』には、フロアからとりわけ大きい拍手が沸き起こる。


「そういえば『鬼レンチャン』観てくれましたか? あれ、悔しすぎない!? (笑)」(※chayはフジテレビ系『千鳥の鬼レンチャン』サビだけカラオケの鬼ハードモードに挑戦、惜しくもあと一歩の9曲連続成功で終わった)と笑いつつ、DREAMS COME TRUEの『決戦は金曜日』を少し口ずさんでみせたMCを経て、いよいよライブは後半。バンドメンバーが戻り、ミラーボールがキラキラと回る中、今にぴったりのサマーチューン『真夏の惑星』『Summer Darling』をホットに畳みかけ、極めつきは代表曲の『あなたに恋をしてみました』。エレガントに歌われる“トキメキ”と“恋の魔法”、懐かしいポップス感、オーディエンスの一体感が劇的に交わり、最高のムードで本編を締め括ったのだった。

再び衣装チェンジをして、自身がデザインするアパレルブランドthree sisters.の白Tシャツにジーンズ、厚底サンダル、マーガレットのアクセサリーをちりばめたコーディネートでアンコールに現れたchayは、今年の10月でデビュー10周年を迎えるにあたって、公式ファンクラブ「chay’s mate」を開設したことを発表。
「みんなに会えない時期が長かったので、とにかくたくさん会いに行けるようにしたい」と話し、その第1弾として10月29日(土)に『chay 10th Anniversary Party』を東京・eplus LIVING ROOM CAFE & DININGで開催することも明かした。同イベントでは、歴代衣装や曲作りの際に書いた譜面および歌詞の展示、chay検定の実施など、通常の公演とは異なる面白い企画をいろいろ考えているそう。
「10周年はみんなともっともっと距離を縮めていきたいと思っています!」と、最後にあらためてアニバーサリーイヤーへの意欲を伝えたchay。来てくれたお客さんに手を振りながら“あなたがね 大切よ この先も”と歌う、ありったけの感謝を込めた『With』でスペシャルなライブは幕を閉じた。
取材・文:田山雄士
《SET LIST》
- 1.花束
- 2.笑顔のグラデーション
- 3.Celebrate You
- 4.ずっと きっと 叶う
- 5.それでしあわせ
- 6.伝えたいこと
- 7.小さな手
- 8.You
- 9.Wishes
- 10.Shape of You
- 11.真夏の惑星
- 12.Summer Darling
- 13.あなたに恋をしてみました
- <ENCORE>
- EN1.With
chay
専属モデル10 名で歌う『CanCam』40周年記念ソング『I Can』11/16デジタルリリース!
https://cancam.lnk.to/Ican
40周年史上初! 専属モデル10名が歌う、毎日を頑張る女のコへの応援ソング!40周年イヤーの集大成にピッタリな華やかな楽曲!専属モデルのトラウデン直美、楓、まい(chay)、宮本茉由、石川 恋、中条あやみ、菜波、小室安未、ほのか、生見愛瑠ら10人による「CanCam Model Dream Team」が、『CanCam』創刊40周年記念ソングをリリース!作詞作曲を手がけたのは、『CanCam』では専属モデル・まいとして活躍する一方、ヒット曲『あなたに恋をしてみました』など恋愛ソングで知られるシンガーソングライター・chay。
『I Can』と名付けられたデジタルシングルは、「ファッションやメイク、自分の好きなものをまとってキラキラ輝いて欲しい!」という思いが込められた、chayらしく明るくポップな応援ソング。思わず一緒に口ずさみたくなるキャッチーなサビが印象的で、モデル同士のハーモニーや、トラウデン直美と楓のラップは必聴!楽曲収録にあたり、chayは歌唱モデル9名の全レコーディングに立ち会い、緊張するモデルに声をかけて笑顔を引き出すシーンも。レコーディングは終始和やかな雰囲気のまま終了し、収録後は、chayとハグやハイタッチをしたり、感動し目に涙を浮かべたりしたメンバーも!
リリース日11/16の20時には、このレコーディング風景を収めた『I Can』Lyrics Videoも解禁! 楽しそうに体を揺らしながらモデルたちが歌う姿がとてもかわいく、他ではなかなか見られない貴重な映像となっている。
レコーディング風景を収めた『I Can』Lyrics Video 11/16 20時公開!
CanCam Model Dream Team / I Can -Lyrics Video-
https://youtu.be/6PoB07APA4E
公式ファンクラブ「chay's mate」開設!
デビュー10周年の今年、ついにオフィシャルファンクラブ”chay's mate”がオープン!
詳細・ご入会はこちら
https://fanicon.net/fancommunities/4690
chay Best Album『Heart Box』好評発売中!

chay初のベストアルバム『Heart Box』。2012年のデビュー年に発表した「はじめての気持ち」、未だ多くの人の耳に残る大ヒット曲「あなたに恋をしてみました」、デビュー前に路上ライブを行なっていた頃から現在まで歌い続けるファン待望の初CD音源化となる「Together」、さらに長らく愛され続ける「Twinkle Days」「それでしあわせ」を最新アレンジで収録!そして結婚発表後に制作された渾身のラブソング新曲「花束」「永遠の針」の2曲が収録された全16曲!家族、恋人、友達、大切な人へ贈りたい、心温まる楽曲が詰まった”あなたの幸せな場所へ寄り添う一枚に”と、chayからの“心”を込めた贈り物となっている。
(通常盤)2,750円(税込)/WPCL-13205
(初回限定盤)4,950円(税込)/WPCL-13208