あったかい毛布にずっと包まれていたようなライブだった。どんな冬の暖房にも負けない温かさを、心の奥にまで浸透させた一夜だった。

chayが定期的に開催しているアコースティックなスタイルで音楽をお届けする「chay’s room」公演。その14回目となる「chay’s room vol.14 ~One mic,One guitar~ Christmas Night」が、12月11日(土)にeplus リビングルームカフェ&ダイニングを舞台に昼夜二公演行われた。ここでは、夜公演の模様をお伝えしたい。

今宵のchayの部屋は、クリスマリツリーも飾ったクリスマスムード。レコードプレイヤーから流れる音楽も、クリスマスナンバーの『Winter Wonderland』。その音色へ誘われるようにピアニストが登場。優しいピアノの音色に声をかけられたchayも、舞台へゆっくりと姿を現した。

ピアノの旋律が優しく弾むのに合わせ、楽曲は『with』へ。真っ赤なドレス姿のchayは、ピアノの音を背に、これからも一緒に歩み続けようという思いを、温かい声に乗せ歌っていた。とても幸せに満ちた歌声だ。chayの歌が、互いの関係を改めて強く結び合わせてゆく。もしや今宵のchayの歌声は、お互いの気持ちを結びあうクリスマスカラーのリボンのよう?そんな妄想さえ浮かべたくなるくらい、その部屋には暖かい幸せな空気が満ち始めていた。

続いて歌ったのが、アリアナ・グランデの『Santa Tell Me』。「chay’s room」では、いつも邦洋様々な楽曲をchayがカバーして届けている。それが、楽しみの一つ。今宵は、ひと足早いクリスマスライブという理由から、クリスマスナンバーを用意。そういえば今日のメニュー、どれも素敵なラブソングばかりだ。何が飛びだしていたのかは、ここから読み進めてもらいたい。『Santa Tell Me』を聞きながら、今宵どんな恋の物語が繰り広げられるのか、楽しみに胸が膨らんでゆく。

ソファに座ったchayは、みんなに優しくしゃべりかけていた。舞台の上に用意した家具などのセットは、自宅から持ってきたものもあり、まさに、自分の部屋を舞台上に再現していた。この日は、ドリンクメニューに今宵だけのスペシャルカクテルを用意。そのカクテルを片手に、chayはさっそく「乾杯」の挨拶も…。

今日は一緒に素敵な最高の思い出を作っていきましょう」の言葉を合図に、chayは手にしたアコースティックギターを爪弾きだした。彼女は、『Twinkle Days』とタイトルを叫ぶのを合図にギターをストロークしだす。沸き立つ気持ちを胸に、フロア中にchayは歌声を響かせる。この小さな空間で、お互いに心を素直に解き放てば、きっと何かが変わっていく。彼女はそんな風に、見ている人たちの心の扉の鍵穴に、晴れた歌声の鍵を差し込み廻しだした。その温かい歌声に触れていたら、いつの間にか自分も心の扉を開き、chayの温かい歌声を部屋の中へ呼び込んでいた。

次に披露したのが、荒井由美の『12月の雨』。今の季節に似合う、日々の風景を映し出した楽曲だ。chayはこの空間に作りあげた部屋の中へ、『12月の雨』を通して愛しい人を招き入れていた。ちょっと切ない恋の思い出を振り返る歌だが、この日の『12月の雨』は、幸せだった頃の2人の姿をこの場に再現しているようにも響いていた。

MCでは、コロナ禍によって「chay’s room vol.13」から「chay’s room vol.14」の開催まで2年間も空いてしまったことへの思いや、こうやってみんなを前にして行えたことの喜びを語っていた。

ゆったりとギターの弦を弾く音が心地好い。タイトルを告げると同時に、chayは『それでしあわせ』を歌いだした。とっても優しく温かい歌声だ。いつも以上に思いを歌声へ込めながら、少しだけテンポを落とし、彼女は『それでしあわせ』を届けてくれた。幸せの意味を確かめるように、ひと言ひと言を大切に噛みしめながら、温かい声で歌うchay。その歌声から、傾けた耳がくっついて離れない。

MCでは、9周年を迎えたタイミングで独立したことを改めて報告。10年目を過ごし始めている今だからこそ、改めて自分の原点となった気持ちを確かめるように、chayは力強く『nineteen』を歌っていた。その姿は、がむしゃらに、ただただ衝動へ突き動かされるままに歌っていた頃の自分を呼び戻すようにも見えていた。がむしゃらだった頃に戻った自分の姿へ、年輪を重ねてきた今だからこそ出せる剥がれ落ちない経験という色を塗り重ねながら、chayは力強く歌い続けていた。

TEXT:長澤智典
PHOTO:ATSUKI IWASA

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