後攻のRoseliaは、1曲目からアッパーチューン『FIRE BIRD』で攻める。ステージ前には火柱が立ち上がり、画面が真っ赤に染まる。Dr.宇田川あこ(CAST:櫻川めぐ)の力強いプレイとBa.今井リサ(CAST:中島由貴)の見事なフィンガリングが、疾走感のあるビートをガッチリと固めている。そしてVo.湊友希那(CAST:相羽あいな)のハイトーンボイス。観るものを一気に魅了する。

続けて披露される『Neo-Aspect』では、メンバーそれぞれのパフォーマンスの熟成、バンドのアンサンブルの一体感の高まりが感じられた。ひとつひとつの楽器の音の存在感がしっかりと感じられながらも、そのグルーヴ感が心地よい。ライブを重ねるごとに新たな姿を見せてくれるRoseliaらしさ溢れる演奏だ。

Vo.湊友希那(CAST:相羽あいな)

Gt.氷川紗夜(CAST:工藤晴香)のトリッキーなギターフレーズから始まる『Avant-garde HISTORY』、間奏では激しいアーミングプレイもみせてくれる。アニメ第3期にて登場したとても印象的な曲で、リズムや曲構成がRoseliaの中でも他に類を見ないとても独特なナンバー。スクリーンに映し出されるステンドグラスの万華鏡のような美しい映像と相まって幻想的な雰囲気が漂う。

続いてのカバー曲『シャルル』、こちらもRASに続いて『ガルパ ボカロカバーコレクション』からのナンバーだ。ボカロ曲らしい非常にキーの高いフレーズを美しく歌い上げる湊友希那のポテンシャルを改めて見せつけられた。また、ポップな曲調に合わせて紗夜がサビでツーステップを踏んでみせたり、ウインドミル奏法(右腕を大きく回して弾く演奏法)を見せたりと、新しいRoseliaの一面を垣間見ることができた。

そして、この曲からギターのピックアップが、これまでのライブでは見慣れないP-90タイプのものが搭載されているのが映像から確認できた。ギタリストとしてのサウンドの探究心、向上心、チャレンジ精神が大胆に現れているように感じる。

Gt.氷川紗夜(CAST:工藤晴香)

Key.白金燐子(CAST:志崎樺音)によるスピード感がありながらも優雅なピアノサウンドが響き渡る。ここからは『Ringing Bloom』『陽だまりロードナイト』『Determination Symphony』の3曲がメドレー形式で披露された。このライブのために考えられたスペシャルメドレーだ。限られたセットリストの中で少しでも多くの曲を楽しめるのは、ファンには嬉しいサービスだろう。

この3曲は、スマートフォン向けゲーム『ガルパ』内のストーリーとリンクしており、それぞれにキーとなるメンバーがいて、曲の世界観に合わせてメンバーの表情、それぞれの楽器のサウンドの存在感やキャラが明確に変化してゆく。短い演奏時間の中でも、Roseliaが持つストーリー性が伝わってくる。

Key.白金燐子(CAST:志崎樺音)

『軌跡』では、柔らかい光の中で、メンバー全員が互いの顔を確かめ合うように向かい合って演奏。こういったフォーメーションを取ることができるのは、無観客ライブならではの演出だ。燐子の優しいピアノサウンドに、他のパートがひとりひとり寄り添っていくように楽器の音が折り重なってゆくような展開になっていて、心に沁みるバラードナンバーだ。

続いての『約束』は、湊友希那と今井リサの成長や絆を象徴するナンバーとなっており、ふたりによるボーカルの掛け合いを楽しむことができる。ベースラインも歌のメロディに呼応するようなメロディアスなものになっているのも聴きどころだ。大サビ前の「「…約束だよ。」」というフレーズに至るまでに、ふたりがそっと手を触れ合うシーンは、思わず感極まってしまう必見ポイント。この曲名が題された劇場版アニメの公開も決まっていて、楽しみが増えるばかりだ。

Ba.今井リサ(CAST:中島由貴)

印象的なベースソロから始まる『R』では、Aメロの楽器隊によるソロ歌唱パートに合わせて、4分割された画面にメンバーの表情が映し出される。また、この曲に限ったことではないが、湊友希那による、指1本1本の動きまで研ぎ澄まされた振付がとても印象的で、その振り付けに対してカメラワークがしっかりと追従していることで、映像の中でライブの臨場感と優雅さが見事に同居している。

続いては『Break your desire』。ラストスパートをかけるようにさらにアップテンポなナンバーが続く。歌い出しのハイトーンなロングボイスは圧巻だ。宇田川あこによる全身を使ったダイナミックなドラム演奏は、手数が多いフレーズでもパワー感が損なわれていない心地よいサウンドだ。その顔に疲れの色など全く見えず、曲の後半でメンバーが全員で向かい合って演奏するシーンでは、お互いの表情を確かめ合って笑顔を見せる場面も見られた。

Dr.宇田川あこ(CAST:櫻川めぐ)

最後の『Song I am.』は、まさにセットリストの最後を飾るにふさわしい曲だ。あるRoseliaの楽曲と密接にリンクしており、ファンにとっても胸熱なナンバーだろう。こちらも前曲に続いて疾走感あふれるテンポで展開される高難度の楽曲だが、それぞれの楽器のサウンドの一体感が高い次元で実現している。

更なる高みを目指し羽ばたくRoseliaの決意を感じさせるような、圧巻のパフォーマンスで見事に締めくくった。

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