Roselia×RAISE A SUILEN合同オンラインライブ「Rausch und/and Craziness -interlude-」ライブレポート
配信開始の冒頭部分、ライブタイトルの後に両バンドのキャラクター名/キャスト名が現れると、2019年に幕張で行われた合同ライブ「Rausch und/and Craziness」の映像が映し出された。あの時の陶酔と狂乱の記憶が一気によみがえり、思わずテンションが高まる。
先攻はRAISE A SUILENだ。『EXPOSE ‘Burn out!!!’』のイントロをバックにメンバーがステージに上がる。冒頭からDJ.チュチュ(CAST:紡木吏佐)がクールなDJプレイを見せてくれる。ターンテーブルやクロスフェーダー、サンプラーを操る華麗な手捌きが鮮明に映し出されていた。1曲目からDJ台に脚を乗せたり、間奏部分のヘドバンがあったり、激しいパフォーマンスで観るものを一気に引き込んでいく。
間髪入れずに披露されたのは『HELL! or HELL?』。大会場でも客席の一番後ろまで余裕で突き抜けるBa.&Vo. レイヤ(CAST:Raychell)の歌声の迫力は画面越しでももちろん健在なのだが、強弱の抑揚の表現がより繊細に感じられた。スモークとレーザーが乱舞する中、会場の後端からステージ上のメンバーの頭上を飛び越えていく躍動感あふれる映像も圧巻だ。
「RAISE YOUR HANDS,NOW!」のコールでお馴染みの『A DECLARATION OF ×××』は、つい身体が動いてしまうナンバーだ。Dr.マスキング(CAST:夏芽)が、カメラに向かって弾けんばかりの笑顔を見せながら奏でるそのサウンドは、アタック感のキレ、ダイナミクス、グルーヴ感、どれを取っても心地よい素晴らしいサウンドだ。
曲間に披露されるジャムセッション形式のメンバー紹介では、それぞれの卓越したテクニックを存分に見せつけてくれる。
『UNSTOPPABLE』では、Aメロのしっとりとしたサウンドや歌声から、サビの部分で一気に力強いサウンドへと移り変わっていくメリハリが心地よく、それはライブの回数を重ねる毎にどんどん洗練されてきているのを感じた。間奏でKey. パレオ(CAST:倉知玲鳳)が見せる背面弾きも最高にカッコイイ。
パレオの複雑な技巧のピアノソロから始まる『Takin’ my Heart』。1番では背面の大型スクリーンが真っ白に灯されて、逆光で5人のシルエットだけが浮かび上がるなかで演奏された。その後も2番を終えるまでほとんどメンバーの表情が見えないようなライティングで、サウンドと相まって幻想的なパフォーマンスで魅せてくれる。
アニメ第3期で披露され、RASの絆を象徴したエモーショナルなナンバー『Beautiful Birthday』では、想いを噛み締めながらも演奏を楽しんでいる5人の表情を鮮明に観ることができ、劇中の感動が蘇る。ボーカルとコーラスの織りなすハーモニーが、メンバー同志の気持ちが呼応しているようで美しい。
続いて、今回初披露となったカバー曲『劣等上等』は、2020年12月16日に新たにリリースとなった『ガルパ ボカロカバーコレクション』でフル音源化されたばかりのナンバー。レイヤのラップパートが聴けるのがまた新鮮だ。ボカロ曲らしく高難度の曲なのだが、速いフレーズや高いキーをものともせず、見事なRASサウンドに仕上がっている。
『!NVADE SHOW!』では手を十字にクロスさせたポーズでクラップするような独特な振り付けが特徴的だ。チュチュが曲中に「暴れろぉ~!!」と煽ってみせたり、サビ中で転調したりととても賑やかかつ情報量の多いナンバーだ。まさに完全無欠の音楽で世界に襲来をかけるRASそのものといった曲と言える。
続いての『SOUL SOLDIER』は、特にギターが脚光を浴びるナンバーに感じた。Gt.ロック(CAST:小原莉子)が奏でる7弦ギターの分厚いディストーションサウンドによるリフや、間奏のギターソロでのライトハンド奏法を織り交ぜたテクニカルなフレーズなど、プレイ自体はとてもハードながらも、おしとやかさを感じさせる佇まいは、まさにアニメやスマートフォン向けゲーム『ガルパ』内で見ることができるロックそのものだ。
ギターの6弦モデルと7弦モデルは外観こそよく似ているが、ピックアップやボディ材などの仕様の差がつけられていて、サウンドキャラクターが異なるのも面白い。
ここでの曲間のジャムセッションではパレオとロックによるキーボードとギターの速弾きバトルで、ラストの曲に向けてさらにボルテージを上げてくれる。こういった演出は、MCで多くを語らないRASならではだ。
最後を飾る『DRIVE US CRAZY』は、曲名に入った「CRAZY」がライブタイトルの「Craziness」に通じており、まさにこのライブにふさわしい。ライブで披露すれば「WOW WOW!」のコールで会場が震えるほどに盛り上がり、観るものを狂乱の渦に飲み込むナンバーだ。大サビで見られる5分割画面の演出は、これまでのライブでもお馴染みの盛り上がりポイントで、視覚的にも会場にいるかのような感覚で楽しませてくれる。
最後まで熱くてパワー溢れる演奏でありながら、ひとつひとつの音のキレやグルーヴ感がとても高い次元でまとまった見事なパフォーマンスでバシッと締めくくり、一礼して颯爽とステージを去っていく。
これまでは他のバンドのカバー曲を披露することが多かったが、今回はRASの曲だけで構成されたセットリストを披露してくれたのも嬉しいポイントだった。最高に熱く、そしてクールなパフォーマンスで、Roseliaへとバトンタッチした。
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