Mardelasが10周年公演で魅せた、変わらぬ魂と進化し続ける姿。

2014年より、蛇石マリナのソロプロジェクトとして活動をスタート。翌、2015年4月に、Mardelasは1st Album『Mardelas Ⅰ』をリリースし、メジャーデビュー。同時に、バンドとして本格的に始動した。あれから10年の歳月が経過。ライブを活動の中心に据えながら、コンスタントに作品も重ね続けてきた。そんな10年間の歩みを集大成し、次なる10年へ向けて踏み出そうと、Mardelasは4月29日にSHIBUYA CLUB QUATTROで「Mardelas 10周年ワンマンライブ”Explosion Into The Next Decade”」を行った。サポートドラムを、最近のライブではお馴染みのMAKIが担当。今や不動のメンバーというべき蛇石マリナ(Vo)、及川樹京(Gt)、本石久幸(Ba)の3人がどんな姿を示したのか、その模様をここにお伝えしたい。

美しくも荘厳な音色が流れだす。10年間の歩みの重みを実感させられるようだ。次第に躍動する音に乗せて、一人一人ゆっくりとステージに登場。上がる歓声。高ぶる期待と興奮。そして…。

ライブは、歌始まりの『Last Round Survivor』から幕を開けた。演奏が始まった途端に、フロア中から凄まじい声が張り上がる。その様を目にし、早くも蛇石マリナは身体を前のめりに、台の上で全身を奮い立てて歌っていた。及川樹京と本石久幸も、腰をグッと落として演奏。途中には、蛇石マリナと観客たちのかけあいも。「誰も奪えはしない」という声へ呼応するように、フロア中から無数の拳が突き上がり、野太い声が響き渡る。

さぁ、飛ばしていこうか」の声が嬉しい。続く『Apocalypse』でも、メンバーらと観客たちが感情と感情をぶつけあう様を描きだす。曲が進むのに合わせて場内の熱も上がりだす。蛇石マリナの歌声と気迫の波長を重ね合わせて感情を奮い立てる、観客たちの放つ熱気が凄まじい。高速ながらも美しくメロディアスなギターソロを響かせる及川樹京に向け、フロア中からエールを送るように拳が突き上がる様も、見ていて壮観だ。

Cleopatra』、オリエンタルかつハードエッジな旋律を奏でる及川樹京のプレイに気持ちを熱く揺さぶられた観客たちが、荒ぶる声を上げる。曲に刻まれたその佇まいのように、美しく高貴な姿で高らかに歌いあげる蛇石マリナ。その姿を、及川樹京が攻撃的な演奏で、本石久幸がどっしりと身構えた様と演奏で支える。重い振動を与えるMAKIのドラムも含め、そこには気高き4人の戦士たちが繰り出す激しくもドラマチックな物語が描きだされていた。その様に興奮を覚えた観客たちが声を上げ、拳を突き上げるのも当然だ。

荒々しいMAKIのドラムの演奏に乗せたMCというのも嬉しい。蛇石マリナの「やってやるぜ!」の声を合図に飛びだしたのが、『Force & Justice』。激しくもスケール大きな及川樹京のギターの旋律に乗せ、身体を大きく反らしながら蛇石マリナが歌いあげる。その様を、野太い音を高速で繰り出す本石久幸が支える。間奏で及川樹京は、光線銃を持ったソロプレイを披露。その様に興奮を覚えた観客たち。まさにステージ上と客席との間で熱情した感情と感情をぶつけあう様が生まれていた。

蛇石マリナがメガホンを手に歌ったのが、『G-Metal』。身体を激しく、ギザギザに切り裂くような攻撃的な音を繰り出し、演奏陣が攻め続ける。蛇石マリナがメガホン型のマイクを使うことで、荒々しい演奏へさらに攻撃性が増したようにも感じていた。どの曲でもそうだが、時に笑みを浮かべながらも、一心不乱にギターの音を繰り出す及川樹京の演奏とその姿は、胸を熱く騒がせる。

美しくも気高いギターの旋律が嘶(いなな)く。ここでMardelasが繰り出したのが『千⽻鶴 -Thousand Cranes-』だ。蛇石マリナの歌声と及川樹京の演奏が、それぞれに主張しながらも、楽曲の中で巧みに絡みあう。その土台を、いつだってどっしりと身構えた演奏で本石久幸が支えてゆく。美しくメロディアスながらも、ずっと攻撃的な姿勢を崩さない及川樹京のエモーショナルなギターソロも胸を踊らせる。蛇石マリナと及川樹京がそれぞれに己の色を押し出しながらも、しっかりと寄り添う姿勢を見せるからこそ、あの興奮が生まれる。

MCでは、10周年を迎えた喜びと、改めてMardelasの歩みについて蛇石マリナが語っていた。メンバーらの持つ、“楽しければいいじゃん”の姿勢が最高だ。

次のブロックは、10年間の歩みの始まりを示すように、Mardelasのメジャーデビューを決めたきっかけになった『DEEP-G』を演奏。及川樹京の美しくも高らかなギターの演奏から楽曲がスタート。荒ぶるリフを刻みだすや、フロア中から野太い声と拳が上がりだす。最近のライブでは披露することのなかったレア曲が跳びだすのも、Mardelasの10周年ライブだからこそだろうか。激しく、しかも雄大な、とてもスケール大きな楽曲だ。誰もがステージの上から降り注がれる、その雄々しき歌声と演奏を全身で受け止めては、熱狂の風にして想いをぶつけ返していた。

ステージの前へ躍り出て、身体を揺らしながら演奏をする及川樹京の姿も印象的。続く『Raccoon Party』では、跳ねた演奏を繰り出し、彼らは観客たちの身体を揺らしていた。跳ねた楽曲も、Mardelasのライブに華やかな彩りを与えてゆく。間奏では、フロントに出てギターを演奏していた及川樹京の姿も嬉しいインパクトを与えていた。

表情を塗りかえるように、Mardelasはブルージーな香りも携えた『On The Lam』を演奏。力強くも艶かしい蛇石マリナの歌声が、心にねっとり絡みだす。そこへ、さらに艶めいた演奏を及川樹京が塗り重ねる。妖艶さを押し出した楽曲も、Mardelasを語るうえで欠かせない魅力。艶めくその歌声に、今はずっと惚れていたい。

さりげなく時代を行き来しながら、演奏は進む。さらに妖艶でブルーズな演奏を塗り重ねるように、Mardelasは『蛇に牡丹 -snake & peony-』を伝えてきた。妖艶な歌心を持った楽曲もMardelasの魅力を形作っていることを、2曲の流れを通して改めて感じていた。後半、雄々しく、高らかに歌いあげる蛇石マリナの姿に、誰もが酔いしれれば、その裏で及川樹京のギターも、むせびなくフレーズを巧みに繰り出していた。その泣き濡れた表情をしっかりと、激しさも見せたグルーヴで支える本石久幸久とMAKI。その姿も胸に熱く見えていた。終盤に見せた、演奏陣による感情を剥きだした荒々しいセッションにも、気持ちがグッと惹き付けられていた。

続いて披露したのが、本石久幸が楽曲を手掛け、Mardelasへ新しい風を吹き込んだ『Spider Thread』。おどろおどろしい旋律から、楽曲は幕開ける。まるで奈落の闇の奥底へ引きずり込むような、重厚かつダークサイドな楽曲だ。激しく歌や演奏を突き刺すだけが攻撃ではない。内面から重く激しく揺さぶるのも、攻めた姿勢。『Spider Thread』はまさに、Mardelasの中へ懐深い音楽性を描き加えた楽曲だ。リズム隊の繰り出す重厚な演奏の上に、次第に荒ぶる牙を剥きだしてゆく及川樹京の演奏が折り重なるところもMardelasらしい。言葉のひと言ひと言に魂を込めて歌いあげる蛇石マリナの姿や歌声も、とても印象深く耳と心に響いていた。

Mardelasは『ICE-PICK』を通し、ふたたび荒ぶる牙を剥き出して襲いかかる。観客たちも激しく攻めいる演奏に刺激と興奮を覚えたのか、激烈なリフとドラムビートの演奏とシンクロするように頭や身体を揺さぶり、その衝撃を全身で感じていた。曲が進むごとに荒ぶりだす様が、胸を熱く騒がせさる。

World vs Honor -仁義なき世界-』の演奏が始まった途端、フロア中の人たちが野太い声を上げ、拳を振り上げだす。戦闘モードに魂を染め上げたメンバーたちが、挑みかかるような姿で迫る。とてもスリリングでワイルドな演奏だ。嬉しいくらいに張りつめた音が、感情を奮い立てる。及川樹京と本石久幸が、身体を大きく揺さぶり演奏していた様も印象的だった。何より、及川樹京の攻撃的ながらも洋式美を抱かせるギターソロが最高だ。最後の最後まで攻撃の手を緩めない姿勢も、Mardelasらしい。

ここで飛びだしたのが、デビュー曲の『Eclipse』。激しさと高貴な様を見せた姿とドラマチックかつメロディアスな曲調や展開が重なりながら描きだす、Mardelas流の様式美ヘヴィメタルナンバーだ。この曲だけ唯一撮影OKということから、メンバーらへスマホを向ける人たちも多かったが、スマホを手にしながらも、しっかり拳を振り上げていたところはさすがだ。1曲の中へいろんな要素を詰め込んだこの曲がMardelasの始まりならば、Mardelasはここからいろんな風に枝葉を広げてきたことを、『Eclipse』を通して改めて実感していた。

この勢いをさらに加速するように、Mardelasは『Strike the Beast』を演奏。前のめりの姿勢で歌と演奏を繰り出すメンバーらの姿に触れた観客たちが、高く拳を突き上げて3人に昂ぶる感情をぶつけていた。蛇石マリナの歌を巧みに支える及川樹京や本石久幸のコーラスも印象深い。荒ぶる音を激しく突き刺し続ける様に、ずっと熱狂し続けていた。

激烈なドラムの演奏で繋ぐように、止まることなく『Nostphilia』へ。言葉の一つ一つに熱情した想いを込め、歌詞のひと言ひと言を観客たちの心へ突き刺すように歌う蛇石マリナ。彼女の歌声へ寄り添うのではなく、攻撃的な音でグイグイと背中を押してゆく演奏陣の姿勢が最高だ。終盤にシンガロングしてゆく様が自然と生まれたのも、納得だ。

それまでの熱狂の景色から表情を塗りかえるように、時計の針の進む音に合わせて荘厳な音色が流れだす。ドラムのカウントを合図に、演奏陣が激烈な音を叩きつけ、一気に攻めだした。ドラマチックな展開を描きだす『The Fox and The Grapes』を通してMardelasは、この場にハードでスケール大きな物語を描きだした。観客たちの感情を揺さぶりながらも、巧みに展開しながら進む楽曲を通し、Mardelasは触れた人たちの気持ちをしっかりと掴んでいた。次々と転調してゆくからこそ、その展開を見逃せない。誰もが、拳を振りながらも、そのドラマを食い入るように見つめていた。

続く『String of Life』も、美しく影を背負ったドラマを描きだす楽曲だ。ミドルメロウな曲が巧みに変幻しながら、でも、気持ちをしっかりと抑揚させてゆく。むしろ、ゆったりとした曲調だからこそ、一つ一つの音と歌声が重なり、絡み合い、紡ぐ物語を、胸の内で受け止めていたかった。

ライブも終盤戦へ。この場へ熱い神風を吹かせせるように、Mardelasは『神風』を演奏。フロア中の人たちも、後悔など残してたまるかと荒ぶる声を張り上げ、高く拳を突き上げては、気高い気持ちに染め上げて熱狂していた。ステージ上の3人とも、変わらぬ攻めた様で歌い、演奏。中でも、高らかに「気高く咲け」と歌いあげる蛇石マリナの姿が、勇ましくも気品に満ちていた。終盤には、フロア中の人たちがメンバーらへ向かって熱情した風を吹かせていた。

Mardelasが本編最後にぶつけたのが、『Burn Out!』。フロア中から上がる叫び声が、この日一番力強く勇ましく響いていた。そのエナジーも、自分たちの気持ちを奮い立てる力にし、メンバーらはときに笑顔を浮かべ、激しくエモーショナルな姿で歌声や演奏を繰り出していた。いや、魂を熱く奮い立て、観客たちとガチンコでぶつかりあっていた。荒ぶる、荒ぶる、感情が荒ぶり昂り続ける。だから、まだ終われない!!!

アンコールは、激しくも雄大な景観を描きだす『Link』からスタート。本編以上に勇ましき声を張り上げて歌う蛇石マリナの姿が、強烈なインパクトを放つ。メンバーも、観客たちも、魂を熱く奮い立て、ときに蛇石マリナの歌声と拳を掛け合う様も見せてゆく。及川樹京のギターソロのときに本石久幸が側へ寄り添い、一緒に演奏。最強の相棒と気持ちを高めあう様も、嬉しい見どころだ。何より、蛇石マリナの拳と観客たちとの声のやりとりが、とにかく熱かった。

今宵のライブの最後を飾ったのが、1stアルバムへ収録した『Daybreak』というのが嬉しい。10周年という一つの歩みの区切りとなるライブを締めくくる楽曲に、バンドの始まりの景色を彩った楽曲を持ってくる、そのセンスが嬉しいのだ。『Daybreak』に触れながら、10年前も今もバンドの姿勢は何も変わってないことを実感。その姿を、最後に示してくれたのが嬉しかった。しかもこの曲、気持ちを熱く奮い立てるハード&エモーショナルな曲調だもの。興奮しないわけがない。及川樹京や本石久幸も演奏のポジションを変え、ときに2人で寄り添いながら、見ている人たちへ興奮を覚える見せ場を作っていた。いつしか誰もが、蛇石マリナと一緒に歌っていた。その景色が最強だった。

PHOTO:Misa Sohma
TEXT:長澤智典

《SET LIST》
  1. 1. Last Round Survivor
  2. 2. Apocalypse
  3. 3. Cleopatra
  4. 4. Force & Justice
  5. 5. G-Metal
  6. 6. 千⽻鶴 -Thousand Cranes-
  7. 7. DEEP-G
  8. 8. Raccoon Party
  9. 9. On The Lam
  10. 10. 蛇に牡丹 -snake & peony-
  11. 11. Spider Thread
  12. 12. ICE-PICK
  13. 13. World vs Honor -仁義なき世界-
  14. 14. Eclipse
  15. 15. Strike the Beast
  16. 16. Nostphilia
  17. 17. The Fox and The Grapes
  18. 18. String of Life
  19. 19. 神⾵
  20. 20. Burn Out!
  21. 〈ENCORE〉
  22. EN1. Link
  23. EN2. Daybreak
Mardelas

Mardelas Brand New Best 2025 2025.10.8 Release!!

Mardelasのメジャー・デビュー10周年を記念して制作する、メンバー選曲による2枚組のベスト・アルバム!!
本作は全22曲収録予定となり、バンドがこれまでにリリースしてきた楽曲をリ・レコーディング+リミックスし、さらにアレンジも一新してパワーアップした“ニュー・ヴァージョン”として収録!最新リマスターによって磨き上げられた、“バンドの名刺代わり”となる最強のベスト・アルバム!
リリース後は本ベスト・アルバムの発売を記念したワンマン・ツアー“Brand New Best Tour 2025”を開催!!ツアー・ファイナルは12月13日(土)横浜ReNY betaにて開催予定!!
https://www.kingrecords.co.jp/cs/g/gKICS-4213/

Jupiter Presents "Divine Ceremony" 8/12(火) 初台DOORS

Jupiter Presents 「Divine Ceremony」

Jupiter VS Mardelas
8月12日(火)初台DOORS
[開場/開演] 17:30/18:00

【チケット料金】
VIP ¥10,000(税込・D代別)[優先入場・出演者+お客様との写真撮影]
一般 前売¥6,000 / 当日¥6,500(税込・D代別)

【チケット発売日】:5/24(土)10:00~ イープラスにて販売
【入場順】:VIP(Aチケット)→一般(Bチケット)→当日券

“狂動戦線” 9/13(土) 吉祥寺CLUB SEATA

“狂動戦線”

2025.9.13(SAT)
吉祥寺CLUB SEATA
OPEN 16:00/START 16:45
ADV ¥5,000(+1D) / DOOR ¥5,500(+1D)

Unlucky Morpheus
Mardelas
UNVEIL RAZE
[O.A] FATHOMLESS SKYWALKER

WILD FRONTIER Presents "SOUND OF DEATH vol.110" 10/11(土) 仙台ROCKATERIA

"Brand New Best Tour 2025" (One-man)

"Brand New Best Tour 2025"
10/13(月祝) 東京 青山 RizM
11/16(日) 博多 DRUM SON
11/29(土) 大阪 RUIDO
11/30(日) 名古屋 ell size
12/13(土) 横浜 ReNY beta


Schecter Ryoga A Tribute to Jeff Beck
G&L Larrivee Char日本武道館
Furch J MONO
Novo Guitars Digimart RS Guitarworks
TUBE Orange GH