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4人組ガールズバンドのFaulieu.が、配信シングル「Voyage」のリリースに伴う全国ツアーを開催。ファイナルとなったワンマンライブの模様をレポートする。

新たな航海がイメージできるオープニングムービーを経て、白の衣装を纏ったメンバーが登場し、ライブはいきなりツアータイトルに冠された『Voyage』で潔くスタート。「行けるか、eggmanー!」というCanaco(Vo&Gt)の先導、Kaho(Gt&Cho)とAyano(Ba&Cho)がお立ち台に上がったイントロ、Mimori(Dr&Cho)を軸とした頼もしいバンドサウンド……見どころがギュッと押し寄せる中、これまでとこれからの自分に向けたポジティブな歌を受け、フロアの熱量も一気に高まっていく。

さらに、カラフルな照明や温かいメロディが際立つ『君のまま』、サビのコール&レスポンス“OK!”“All right!”を曲前に練習して楽しさを倍増させた『AS IS.』と、爽快なナンバーをテンポよく放出。Faulieu.のキュートな面が伝わる展開で、新天地のアミューズ所属以降に巡り会えたオーディエンスを含め、序盤からファンの心をしっかりと掴む。

「パンパンのソールドアウト公演。みなさま、ようこそお越しくださいました。あなたといっしょにこの一日を作れることが本当に嬉しいです。今日はたくさん曲をやるので、最後まで楽しめたらいいなと思います!」

Canacoの挨拶に続いては、より同期をうまく使った『Daydream Lover』『またね』でポップに突き抜けたほか、壮大なストリングスアレンジと“La la la…”のシンガロングパートが美しい『Hikari』、青く染まるステージで切なく歌い上げた『マボロシ』といったミディアム曲も織り交ぜ、じわじわとアプローチを拡張する4人。

『ロンリーコンプレックス』で独りぼっちの虚しさを歌い、Ayanoのベースを筆頭にひんやりした音像やダークな面が垣間見られたかと思えば、『アイビー』の鮮やかな疾走感、Kahoが掻き鳴らす爆発力を湛えたギターに圧倒される。Mimoriのドラムが活き活きとアップビートを刻む『ヨマイゴト』で巻き起こったタオル回し、そのまま勢いよく繋げた定番曲『下の名前で呼ばないで』におけるCanacoの凛々しいボーカルなど、中盤はライブバンドとしての凄みが存分に輝いていた。

「原点回帰ということで、ツアーファイナルは(ホームである)Shibuya eggmanを選びました。2023年4月8日にFaulieu.のお披露目ライブをここで開催したんですけど、そのときは曲がまだ少なくて、2部制でやったりしてさ。いろんな回り道をしてきました。でも、だからこそ出会えた人たちがこんなにたくさんいます。私たちに出会ってくれたあなたに届けたい曲を歌わせてください」

今日に至るまでの想いをCanacoが告げ、オーディエンスに感謝するように『聲』を演奏。“ようやく巡り会えたんだ あなたと此処で”のリリックと眼前に広がる満員の光景が重なるさま、“まだ見ぬ未来が待ってるはず”と信じてきた4人の清らかな表情に涙腺が緩む。“点と点は線になって 繋いだ線は輪になって 隣合って固く結んで またひとつ またひとつ”とフロア全体がいっしょに歌い出す『紡ぐ』への流れも素晴らしい。

「あっという間だなあ(笑)。楽しんでるかー!? この場所に足を運んでくれてありがとうございます」と嬉しそうなCanaco。ライブ終盤では、メンバーそれぞれが計6公演に及んだツアーや現在の心境について語るシーンも。
「すごくいい感じでツアーを回れたと思います。さっきCanacoも話していたけど、2年前にFaulieu.は初めてここに立ち、決意表明をして、2年間走り抜けてきました。今、みなさんから見えている私たちは成長していますか? まだまだ楽しみなことがたくさん待ってますので、これからもどうぞよろしくお願いします」(Ayano)
「晴れ女と言われることが多いのに、今日は雨だから来てくれるか心配だったんですよ。でも、みんなの顔を見たら、ここは晴れな感じでよかったです。大きいステージでやりたいという夢を叶えられるか不安になったりもするけど、平日で雨なのにソールドアウトじゃないですか。おかげで自信が湧きました。どうもありがとう!」(Kaho)
「今回のツアーをやってみて、初めての場所や土地でも私たちを待ってくれてる人がいることに気づけたというか。ライブで直接それを感じられたのがとても嬉しかったです。これからもいろんなところに行って、いろんな人に会って、旅はずっと続いていくので、一つひとつの縁を大切に進んでいけたらいいなと思っています」(Mimori)
「状況や環境が変わって1本目のツアーが『“Voyage!!!!”Tour』でよかったです。こんなにも愛おしい思い出が作れたことがめちゃくちゃ嬉しいし、もっと幸せな思い出をあなたといっしょにまだまだ作っていきたい。私たち、未来しかないので。ここにいる全員がそうですよ。今日はありがとうございました!」(Canaco)

本編ラストを飾ったのは、桜の季節に映える春の曲『SPICA』。賑々しい手拍子とジャンプで沸く一体感のもと、Shibuya eggmanがこの日いちばんのキラキラに包まれる。Faulieu.の行く先を照らすような祝福ムードも膨らみ、大盛況のうちに4人は笑顔でステージを降りた。



一転、黒の衣装に着替えたアンコールも見せ場たっぷり。ドラマ『子宮恋愛』のエンディング主題歌として書き下ろした最新曲『愛煩い』では、緊迫感のあるストーリーとリンクするタイトなサウンドに乗せ、Canacoがハンドマイクで退廃的かつエモーショナルに歌い、新たな一面を打ち出してみせた。その余韻を携えて『嫌い』になだれ込むと、各メンバーの切れ味鋭いソロ回しがバチバチの照明とともに炸裂。カッコいいFaulieu.で畳みかけ、観る側を熱狂の渦へと誘う。




そして「旅の途中でまたお会いしましょう!」とCanacoが呼びかけ、終わりを惜しむように『Voyage』を再び披露。“最高を求めていくんだ”“立ち止まってる時間なんてないんだ 生き急げ”というメッセージをオーディエンスと改めて分かち合い、想いの詰まったファイナルは締め括られた。なお、Faulieu.は次なる新作のリリースを予定していて、8月より台北公演を含む初のワンマンツアー『Faulieu. One-man Tour「My name is Faulieu.」』を実施する。3年目の彼女たちにも注目だ。


取材・文:田山雄士
Photo:nishinaga “saicho” isao
《SET LIST》
- 1.Voyage
- 2.君のまま
- 3.AS IS.
- 4.Daydream Lover
- 5.またね
- 6.Hikari
- 7.マボロシ
- 8.ロンリーコンプレックス
- 9.アイビー
- 10.ヨマイゴト
- 11.下の名前で呼ばないで
- 12.聲
- 13.紡ぐ
- 14.SPICA
- <ENCORE>
- EN1.愛煩い
- EN2.嫌い
- EN3.Voyage
Canaco(Vocal, Guitar)使用楽器・機材紹介
Faulieu.
Faulieu. ファンイベント開催決定!

2025年5月29日
Faulieu. Presents “Fan!Fam!Fun!vol.3”
下北沢ReG(東京)
OPEN 18:30/START 19:00
前売 ¥3,900(+1D/税込)
【受付URL】https://w.pia.jp/t/faulieu-25t/
公演に関するお問い合わせ
アミューズチアリングハウス
https://fc.dps.amuse.co.jp/cheering/qa/contact
2025 夏 New Releaseに伴い ワンマンツアー開催決定!

Faulieu. One-man Tour " My name is Faulieu. "
日程
8月9日(土) ROCKATERIA (宮城)
8月16日(土) Live House Pangea (大阪)
8月30日(土) 代官山UNIT (東京)
9月14日(日) Corner House (台北)
チケット等イベント詳細はこちら
https://faulieu.com/live_cat/live/