想像力のレベルを常に高く持って、それに合わせて自分を作っていく日々

―ナッシングスの、ひなっちさんの技術的な面とかプレイヤーとしての凄さとか。生形さんもまさに天才的なリフ…

そうっすね。リフとペンタ王子っすよね

―はい(笑)。で、大喜多さんのテクニックと、ここで声で戦ってく、詞で戦ってくってことに対して相当な闘争心が拓さんにあるんじゃないかと思ってたんです。ちょっと、他の方々と違うじゃないですかナッシングスの皆さんは。レーダーチャートグラフで言うとどこかが極端に突出してるような、ちょっとどこかとがった才能がある方々じゃないですか。

(笑)間違いないです(笑)。

―その中で、やっぱりお互いが戦っていかなきゃいけないグループのような気もしますし。まぁ、仲は良いんですけど戦っていく…一言で言ってしまうと“切磋琢磨”って言うんですかね?それがすごいレベルの高いところで見えるんですけど。

考えてることのレベルが低いことを恥ずかしがった方がいい人間が集まってるっていうか。想像力じゃないですか全部。だから、何が出来る出来ないっていうレベルが低いと恥ずかしいんですよ。一緒にいると。だから、そういうものは常に高く持って。それに合わせて自分を作っていく日々なんで。そういう意味では結構キツかったりするときもあるし、まぁ楽しかったりもしますけど。

―そんな中で、Mirror Oceanツアーとか、そういう様子が外からでも感じ取れたというか。武道館があったからっていうのもあると思うんですけど、“切磋琢磨”感と言いますか、何かそういうのを私は感じてたんですよね。あと、4人が大きくなってくる感と言いますか…

そうですね。バンド単位でいい歳のとり方をしてるはずなんで。なんて言うんですかね。すごい内面の話ばっかで申し訳無いですけど。

―いえいえいえ。内面のバンドだと思うんですよね。だからいいと思うんですけど…

(笑)なんだろうなぁ…でも、やっぱこう歳を重ねるごとにちゃんと大人になっていて、ちゃんと自信が着いてきてるバンドなんですよ。それは不思議と。

で、周りの評価もそれに付随してこう反比例することなくずーっと続いてるんで、めちゃくちゃ地道ですけど、続けていけばきっとすごいことになるっていう風には思ってるところがありますね。

―5月発売になるニューシングルはどのような流れで作られてるんでしょうか?何かテーマ的なものはありますか?

今回、作曲は真一で作詞は僕で。これは完全に僕の中でなんですけど…やっぱ、真一のソングライティングがナッシングスはやっぱキモの1つなので、まぁ他にもいくつかあるんですけど……そこで、その中で楽器隊が戦っていろんな景色を見せていくみたいなのなんで、まぁだからそう、はじまりに相応しいなっていう。

1枚目の『Isolation』(1stアルバム『PARALLEL LIVES』収録)って曲があるじゃないですか?『Isolation』の歌詞とか和訳を是非読んで頂きたいんですけど、そこにナッシングスが続けてきたことのすべてが集約されている言葉が結構詰まっていて。それを、もう一度11年目のスタートとして今の現状で新しく…まぁだから『Isolation』をもう一回やるって言うとちょっと違うんですけど、スタートを切るために、もう一回あれをやるつもりで書いた曲ですね。

―それが『BEGINNING』というタイトルにも表れてるんでしょうね。みなさんにとって武道館ってどうだったかって言うか、ファン目線から言うと武道館でひとつの頂点である中で、その後のもう一回はじまるスタートみたいな見え方なのですが。新曲の見え方としてあってるんですかね?

ちょっとね、10周年はちょっとヌルいとこがあったんですよ。みんなにお祝いして貰うための年だったじゃないですか。『Mirror Ocean』てアルバム出して、あのツアーはまた別ですけど。だから、そこは分かっていたいって言うか。帯を締めていたい。

―なるほど。で、帯を締めて再スタートと。

そうですね。

―それから、弾き語りでのソロの活動についても聞かせてください。どういう思いでソロ活動をスタートされたんでしょうか?

元々弾き語りをはじめた理由が“修行”です。自分の中では。歌一本で勝負できるスキルというか心というか、そういうものをもう一回鋼みたいに鍛えないと、僕以外の3人が素晴らしいので、いつでも。そこに太刀打ちできるものになっていかないとと言うか。

うちのバンドって、曲に対してのアプローチで個々の音楽性の幅みたいなものが広くて、それぞれ曲によって出てくるものが違うんですよ。でもそういうのが個性的だったりするからナッシングスになると思ってるんですね。僕の場合は自分の個性は声しかないじゃないですか。それを鍛えて、曲に対するアプローチとかを狭めずに可能性を探していくんであれば、歌を鍛えていくしかないなっていうこととか。“修行”だったんですよね。それは、ステージに出て歌って、人前で磨いていくってことだったんで始めたんですけど。それの延長線ですね。ソロでやるっていうことは。僕はバンドが大元です。

―そんな中、ABSTRACT MASHがまた動き出していて。その見え方としてはどのように我々は見ていけばいいんでしょうか?ナッシングスの拓さんで、ソロの活動はその修業のためで、メンバー4人バラバラそれぞれやってる中でナッシングスで集まったときにすごいことが起きる。では、拓さんの中でのABSTRACT MASHの活動はどういう位置づけなんでしょうか?

なんですかね。これは難しいですね。

全部正直に言いますけど、アブストはもう全員が根っからの友達なんで。もう、だって10代から知ってるんで。その、出来ること出来ないこと、やりたいことやりたくないことがめちゃくちゃハッキリしてて。すごい自由って言うか。帰れる場所って言うんですか。技術力とか、ライブの良さとかそういうものをアブストでは僕は一切求めてなくて。バンドをただやって、いい曲をやって、楽しいねっていうものだけをそこでやりたいなっていうモチベーションなんですよ。アブストは特に。

だから、言い方を変えると、どのバンドをやってどんなバランスなんだろうっていうのは、自分の中ではちょっと今はナンセンスかなと思っていて。

例えばこないだの「HINA-MATSURI」でも思ったんですけど、日本では一端の、まぁまだ「若手」や「中堅」なんでしょうけど、例えばアジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)のGotch(後藤正文/Vo,Gt)さんとかスペアザ(SPECIAL OTHERS)のヤギ(柳下”DAYO”武史/Gt)さんとか、そういう人たちがバッと集まって、ステージにいて。新しい出会いの中で音を鳴らしたりするとそれぞれの個性ってよりはっきりくっきり見えるじゃないですか。そうすることでお互いの刺激になって音楽の幅が広がったりとか。お客さんの、例えばヤギさんのことしか知らない人が見に来ても、あ、ここにいたらヤギさんこんな音が出るんだっていう感動って、僕は音楽的なすごい重要なエクスペリエンスだと思うんですよ。そういのってやってる人間には分かるけど、やってない人には本当はどういうことなのか分かんないから、ああいうことを体験できる場っていうのは日本において音楽を育てるってことにはなると思うんですよね。

そういう意味合いとして、どういうことを、こっちはこれでやってこっちはこういう風にやってて、どういう風に見ていいの?って混乱するのは分かるけど、そういうこと言うこと自体がちょっとナンセンスなんじゃないかなって思うところはありますね。

―『BEGINNING』というタイトルもそうですけど、これで拓さんの中で隙がなく全部音楽に…

もう本当そうっすね(笑)

―もう覚悟をされたんだなというのをちょっと感じますよね。

そうですね。だから、もっと音楽を楽しめるようになりたいし。色々知りたいなって、より深く。

―最後になりますが、皆さんは10年かけて武道館に行けたというところと、そこへ至るまでも様々なことがあったと思うんですけど。今そういうところを目指している方々への、夢の途中の方々への背中を押すような言葉を頂ければと思います。今や拓さんに憧れてバンドを始めるような方も沢山いるわけですよ。

…すごい当たり前のことですけど。

たとえば、僕の声を聞いて欲しいんですけど、僕の声ははじめからこうではなかったんですよ。2回潰して、2回手術してるんです。声帯を切って、元に戻してるんですけど。なりたい声への憧れがすごい強くて。その一番酷かった2回以外にも、もう何度も何度も潰してるんですよ。もう本当にバカみたいに、いわゆる「ウイスキーでうがい」とか本当にしてた時期もあったし。声替わりする前はもう女の子みたいな声だった時期もあったんですよ。それも本当にコンプレックスだったんですけど。なりたい声になりたくて俺はそれを続けて。自分なりのやり方を手に入れたからこの声になったなと思うんですよね。

それは、その信じてたものの本質は自分でしかないので。イコール好きか嫌いかじゃないですか。だから、好きなものは好きでいるっていうことを忘れずに。

是非続けてください!っていうことですね。

インタビュー:小野寺将也

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