―次の3曲目は『Chasing the Wind』なんですけど、私が最初聞かせて頂いたときはたしか3曲目は違う曲だったと思うのですが…?
喧:そうそう!曲順を入れ替えたんですよ。
―当初と変更した理由っていうのは?
喧:最初は3曲目と4曲目の『It’s Show Time』が逆だったんですけど、2曲目の『Addiction』から『It’s Show Time』が続いちゃうとちょっとロック色が強くなるので、もうちょっと柔らかく、入れ替えた方が世界観が拡がるねって話になったんです。
―たしかに、この方がよりバラエティーを感じられますね。この曲はアルペジオはじまりで。
喧:これは12弦ギターですね。メインで鳴ってるのは、Ovationの12弦です。
―Ovationのモデル名とかはわかりますか?
喧:分からないけど、古いやつだと思います。元々、江口洋介のギターなんですよ。
―アダマスですかね。江口洋介さんからお借りしてるんですか?
喧:そうです。で、ダビングした方はMartinの12弦。あれは型番はなんでしたっけ?
―D12-28だったと思います。これは、Ovationの12弦がメインでMartinは…?
喧:Ovationがメインで真ん中で鳴ってるやつで、サイドに途中からダビングして足してるんですよ。
―あ、左右に。それがMartinなんですね。
喧:はい。で、これは、12弦て普通副弦(編注:複弦の各コースのうち弦が細い/音が高い方)がオクターブじゃないですか?でも、このチューニングは全部の弦のチューニングを変えてるんです。主弦はそのままで副弦は違うチューニングにしてって、全部チューニングをずらしてるんです。
―それはたとえば、5度違いとかそういう?
喧:どっかに書いてたんですけど…。これはね、コロナのときに暇だからずっと楽器をいじってて。で、12弦の下の弦、副弦を全部チューニング変えたらどんなんなるんだろう、面白そうだなって思って。ずーっと研究して探してたんです(笑)
―Martinの12弦も、Ovationの12弦と同じチューニングなんですか?
喧:同じです。12弦は全部同じチューニングにしてます。───あった!これが元のですね(~Youtubeを再生)。ここに書いてありますね。「A.D.E.A.A.D.D.G.B.B.B.E」…主弦をドロップDにして、5度にチューニングしてるんですね。これ(前述のチューニング表記)は副弦が上になってるから。
※編注:上記のチューニング表記を主弦(括弧内に副弦)で6弦から順に記載すると、「D(A)-A(E)-D(A)-G(D)-B(B)-E(B)」となる。
―結局これは、ドロップDになるんですか?
喧:基本はドロップDですね。ドロップDチューニング…なんて言ったらいいんでしょうね?(笑)
ドロップDチューニングで、副弦が5度ずつずれる。で、2弦か何かがね、ちょっと変則になってるはずなんです。全部5度でいったら気持ち悪くて合わなくて。ちゃんと覚えてないんですけど(笑) でも、書いてあるのが多分正解だと思います。
―なるほど。この曲にはオリエンタル風なコーラスも入ってましたよね?
喧:これは、最初にクリックだけ使って、ギターだけで弾いてて。元々バックトラックはなかったんです。それで、なんかないかなーって色々考えたんだけど、アレンジャーをやってる友達のFace 2 fAKEっていう2人組がいて。彼らにバックトラック付けてってお願いしたんですよ。
―じゃあこのコーラス部分は…
喧:全部彼らが作ってます。元々録ったやつを送って、ちょっとトラック付けてくれないかな?ってやって付けてもらって、それに、ちょっと物足りなかったからMartinでさらに足したんです。サウンドに広がりを付けたかったんですね。
―この曲の制作時のイメージは、どういったものでしたか?
喧:昔、アリゾナの砂漠に行ったことがあって。そのときの風景を思い出しながら作ったのかな。行ったイメージを思い出して。これはだから、本当にコロナ禍に作った曲なんですよ。
―チューニングを探しながら(笑)
喧:なにか面白いのないかなーって、ずーっと1日中12弦のチューニングを変えて(笑)
いろんなことを試しながら、結局これに落ち着いて。で、こういうフレーズが生まれてきたんです。
―これは1月のライブではやってないですよね?
喧:やってないです。
―じゃあこれまたライブで聴くのが楽しみな曲ですね。
喧:再現するのはなかなか難しいでしょうね(笑)
―ライブのちょっとクールダウン的なところでもいいですし。
喧:ええ。いけますね。
―そこから、次が『It’s Show Time』で。これは1月のライブのときもすごく盛り上がった印象です。
喧:これは盛り上がりましたね。
―アーミングが使われてるんですけど、これはどのギターですか?
喧:これは、SLIP!のストラトです。バッキングはSLIP!を作ってる松垣さん(Velvet Guitars 松垣孝秀氏)て人が俺用に特別で作ってくれたブルーフワラーのテレキャスと、(制作)途中で、テレキャスだとちょっと細いっていうか、他の曲とのバランスが合わないなぁって思って、ダブルの方はシェクターで弾いて混ぜてますね。
この曲もバッキングに、3~4本入ってて。クランチで「ピーン!」「キャーン!」ってやったり、カッティングっぽいのが入ってるのはSLIP!のストラトでやってます。真ん中でメインのリフを弾いてるのはテレキャスで弾いてて、LRのバッキングはシェクターで録ってますね。
―これもまた各ギターのサウンドを意識して聴き直してみたくなります。
喧:いろんなギターがいっぱい入ってますね。ソロはシェクターで弾いてます。
―ソロの部分でちょっと軽くワウが掛かってるようなサウンドは?
喧:あれは、フェイザーですね。フラクタルの中に入ってるフェイザーです。
―喧太さん的にこの『It’s Show Time』はどんなイメージですか?
喧:これは、最初作ったときはバットマンに出てくるジョーカーが街を歩いてるようなイメージで作りました(笑)
―あー、わかります!
喧:「It’s Showtime!」って言って、今からSHOWがはじまるぜ、っていう。そういうちょっとワル~い感じ?(笑) そういうイメージで最初は作ったんですけど。でも、サーフミュージックっぽいっちゃぽいですね(笑)
―アーミングもそういう雰囲気はありますね。ただ、仰られるように映画的なイメージもしっかり感じます。
喧:ジョーカーのテーマじゃないんだけど、そういうイメージで作りましたね。
―完全にこの曲は「夜」ですよね。
喧:夜ですね。今から悪いことするぞ、みたいな(笑)
―それがすごい曲で表現されてて。ライブでも楽しめる曲なんで、1月のライブも盛り上がりましたね。
喧:そうですね。みんなあの日、1回も聴いたことないのにすごい盛り上がってくれましたね。
―みんなで「It’s Show Time!!」って言える場面もあったじゃないですか。ああいうのもライブで楽しめますよね。これからもまたライブで見られそうですね。
喧:そうですね。
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