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津軽三味線とチェロによる和洋弦楽ユニット、という前例のない結成から7年。インターネットでのカバー動画投稿から始まった「3x4xS(さしす)」は、今や3本のMVがミリオン再生を突破。独自の活動スタイルでその活躍の幅を着々と広げている。
そして彼らが満を持して送るワールドツアー「3x4xS WORLD TOUR 2026 〜響天動地〜」。
ファイナル公演に華を添えるのはファイナルファンタジーシリーズの音楽を手がけた植松伸夫、にじさんじ所属のバーチャルライバー レヴィ・エリファなど。彼らに所縁のある超豪華メンバーの参加情報が解禁となった。
そこでプロデューサーでありチェロ奏者、作詞作曲家でもあるヌビアに、そのキャリアがどのように形成されていったのかや現在の活動について話を聞いた。

―ヌビアさんはここ最近、ますますご活躍の幅を広げられていますね。先日は声優朗読舞台の原作脚本から音楽、公演全体のプロデュースまで手がけられていました。
そうですね、一応自己紹介としては「チェロ奏者です」と名乗ることが多いのですが。我ながら珍妙な人生だなあと思うばかりです(笑)。
―ヌビアさんがここまで活動の幅を広げられていることには、理由があるのでしょうか。
うーん、「幅広くしたい」と思ってそうしている訳ではないんですよね。自分がやりたいことの中にチェロがあって、作詞作曲もあって、原作脚本もたまたまあった、というだけなんです。
実現したいこと、叶えたい景色のためにその能力や実績が必要だから、と思ったことを一個ずつ着々と積み重ねてきただけ、という方が近いような。根本を辿れば「だってこれがやりたいんだもん」っていう、非常に単純かつ明瞭な動機です。
ただ、一つ言えるとしたら「大きな舞台」から「小さな集まり」まですべての表現の場の価値を大切にしたい、ということです。
様々な立場・視点で、様々な現場に触れ、作らせていただく中で感じることは、規模感の大きいところでしかできない表現があれば、逆にそういう場所では身動きが取りづらくて実現できないものもあるという当たり前のこと。
メジャーにもインディーズにも素晴らしいアーティストがいて、それぞれに相応しい枠で、その皆さんと関わっていきたいということ。
そういう意味では自分は非常にフレキシブルで、便利な立場にいさせていただいてるなと思いますし、これからもなるべくそうあれるようバランスを意識しています。

―様々な活動の中で、ご自身の中にある「軸」というか、核になる考え方はありますか。
まず第一に「なによりも自分が全力で楽しむこと」。
アーティスト本人は俯瞰的・第三者目線であるべき、という論ももちろんあって良いと思いますが、自分はそういう考えにはなれなくて。自分が楽しめなければ、それはお客さまにも届かないと思っているんです。
そしてそれにも通じますが「自分が主人公の物語を生きている」ということです。
後から自分の人生という作品を振り返ってみたときに「この作品は面白いな」と、自分で思えること。あわよくば他の誰かにもそう思ってもらえること。
そういう生涯を過ごしたいなと思っていることを、最近は周りにも言えるようになってきました。前から持っていた考え方でしたが、恥じることなくこれを言うのに少し勇気が必要で(笑)。
―「全力で楽しむ」ことが音楽家としての範疇に収まらない、ということですね。
なんか改めてそう言われると小っ恥ずかしいですね!(笑)
ただ単に飽きっぽいのもあると思います、気分によって表現したい領域が変わったりもしますし。
メンタルが元気なときはチェロを弾きたくなったり企画を作りたくなりますし、一人で落ち着きたいときは作曲、少し落ち込んでいるときは脚本を書いたりとか……。
もちろん仕事としては365日、どの作業でも出来るようにはしていますので「どちらかというと」程度の話です。
でもこうして色んな分野で求められたり、動けたりするお陰で飽きのこない人生を過ごしております(笑)。

―ヌビアさんの手掛ける朗読舞台には、他の朗読舞台で見たことのない内容や表現が多くあるように感じます。ご自身のキャリアの中で「朗読舞台の制作」という軸はどのように生まれてきたのでしょうか。
親しくしている長谷川恵さんというプロデューサーが、声優朗読舞台や子ども向けの音楽舞台公演を中心に数多く手がけられている方でして。その方に「朗読舞台のディレクターをやって欲しい」と声を掛けられたところからがきっかけです。
それまでは奏者として彼の舞台に出演していたのですが、突然そのような声がかかって。もちろん右も左も分からぬまま初経験の舞台を迎えるわけですが、その時ご出演されていたのが梶裕貴さんで!(笑)
とにかく死に物狂いでやっていましたね、色々な伝手をたどって、劇団さんの稽古だったりとかに飛び込んで見学させてもらったりとか、やれることをやりましたが……まあ付け焼き刃でしたね、その時は。もちろん今も必死ですが、あの時は尚一層至らぬところだらけだったなと思います。
―それは、計り知れない重圧でしたでしょうね!
そうですね(笑)。でも僕自身「楽しめそうだなと思ったことしかお引き受けしない」スタンスを取っている中で、なぜかこのオファーは断ってはいけないと直感しました。長谷川さんが僕の中に可能性を見出して下さったのだと思いますし、これが何か自分を切り拓くきっかけになるなと感じたんです。
これまで声優さんと関わらせていただく機会は、ボイスの収録や歌の収録、舞台上での共演などでしたので、そこからはより深い解像度で彼らの演技に向き合っていく日々になりました。
するとやはり、朗読舞台でしか味わえないパワーというものに直面することになったんです。僕も一奏者として「舞台はナマモノである」ことを理解していたつもりですが、そこで舞台上の声から引き出されるモノの虜になりました。
「音楽」と「声」、同じ聴覚に訴求する表現として似て非なるその魅力が、自分にとってはとても可能性のあるものに思えたんです。だからこそ厚かましくも、「声」で表現をする皆さまに「音楽」で表現をしている僕が、敬意をこめた挑戦状を提示するつもりでぶつかっています。
前々作では声だけで異能力バトルアクションをしていただいたり、前作ではそれこそ朗読劇としてはかなり複雑な設定の物語を組んでみたりと……「音」が持つ力を信じているし、それを「音楽」だけでない形で構築できる人間でありたいと思っています。
【3x4xS機材紹介】2024.4.13@吉祥寺CLUB SEATA 3x4xS JAPAN TOUR「新響地」THE FINAL ライブレポート 












