高橋和也のベース演奏をリードに、そこへ平山ヒラポン牧伸のジャングルビートが重なる。高橋和也が雄々しく歌いだしたのが、『真冬にTシャツの少年』だ。高橋和也の高ぶる声を合図に、原田喧太も演奏を繰り出す。一人ずつ音を重ね、どんどん雄々しさと躍動感を増していく展開がドラマチックだ。この曲のサビでも、気持ちを解き放つ解放感を投影。まさに歌詞の通り、心を自由にしていく楽しい楽曲だ。終盤へ進むにつれ、跳ねた演奏がパーティー感を膨らませていく、その自由奔放な展開も最高だ。

ブルーズなセッション演奏から、カウントを合図に豪放で無頼なブルーズ&ロックンロールナンバーの『BACK IN THE CITY』へ。ノリ良いロックンロール曲という理由もあって、観客たちも大きく右手を振り上げ、3人の身体を揺さぶる演奏へ、ときに声を上げて参加。3人が自由奔放にセッションしていく様や、原田喧太と高橋和也の掛け合いに気持ちを乗り込ませ、一緒に浮かれ騒いでいた。とくに原田喧太と高橋和也の、互いに思いを掛け合い、楽しく会話をするような‥。いや、酔っぱらってガハハとトークしあうようなセッション演奏や、高橋和也のベースソロは、1音1音に魂が宿り、その鬼気迫るプレイにずっと興奮を隠せずにいた。平山ヒラポン牧伸のドラムソロは、ソロ後半レギュラーグリップに持ち替えるなど、ラテンロックとハードロックを融合したアカデミックなスタイルで繰り広げられ、まるでインプロビゼーションを主体とした70年代ハードロックバンドのような様を、MOUNTAIN MANはこの曲で見せていた。

めちゃめちゃ盛り上がった場内へ、さらなるノリとロックな刺激を与えようと、原田喧太がブルーズな演奏を披露。そこへ声を張り上げた歌で絡む高橋和也。『Satori part 2』では、原田喧太のギターフレーズと高橋和也の歌声がセッションを交わす様を提示。ブルーズ/ハードロックの軸をしっかりと押さえたうえで、いろんなアプローチで彼らはせまっていた。かなりディープでドープな演奏の炸裂した楽曲なのに、満員の観客たちの身体をしっかりと揺らしていくところは流石だ。

平山ヒラポン牧伸のドラムカウントから、さらにいなたいブルーズな演奏へ。途中からベース演奏のみに乗せて高橋和也が雄々しく、荒ぶる声で「新しく始まる未来はこの手に」と『』を歌いだした。とてもタフで逞しい。でも、胸の奥からジワジワと魂を熱くさせる歌と演奏だ。彼ら自身の生き様をダイレクトに突きつけるような楽曲であり、演奏なのも嬉しい。その様に、満員の観客たちも身体を揺らし、3人へ熱い視線を向けながら歌や演奏に見入っていた。

ライブも終盤へ。「まだまだいけるか!」の声を合図に、ヒラポンのドラムのサイケデリックパターンに、切れ味鋭いリフを刻む原田喧太のギターが乗っかり、うねるようなグルーヴがうまれる。その演奏の上で、ベースの音を唸らせ、高橋和也が『ひろったハレンチ』を歌いだした。重く躍動する演奏に観客たちも身を預け、ふたたび身体を大きく揺らし、騒ぎだす。ヒリヒリとした音を突きつけるスカのリズムに刺激を受けて、身体が大きく揺れ動く。さぁ、もっともっとこの身体を強烈な歌と演奏で揺さぶり続けてくれ。後半に描いた原田喧太のブルーズなギター演奏も、スリリングさと胸を熱く騒がせる衝動を抱いていた。

ロック好きか!!」 MOUNTAIN MANは最後に、スカビート&パンクナンバーの『walking in the rain』を演奏。この場にスリリングな空気を描きだす楽曲だ。高橋和也と2人の掛け合いも心地好い緊張感を持っている。むしろ、このピリついた刺激が、満員の観客たちの感情を心地好く煽る。次第に雄大さを増す演奏。最後に彼らは、とてもスケールの大きな楽曲をぶち込み、ロックの持つ危うい熱を、この場に降り注いでいった。最後に観客たちの身体や心をしっかりと揺らしていった様も、流石だ。

アンコールは、今の世の中に対して言いたいことをぶち撒けた新曲の『free smile』からスタート。とてもヒリヒリとしたスリリングな楽曲なのも、今の世の中へ突き付ける鋭さをこの曲が持っているからだ。社会の空気に流されることなく、己の生きざまを音楽に乗せて辛辣にぶつける彼らだからこそ、螺子曲がった世の中の風潮や人の腐った心に鉄槌を下さずにいられなかった。いや、思いきり皮肉という弾丸を、次々と撃たずにいられなかった。なぜ『free smile』なのか、その意味が気になったのなら、MOUNTAIN MANのライブに足を運んで、直接確かめてもらいたい。

社会にはルールがある。だけどもし、そのルールが誰かの都合の良いルールなら、俺は従わない。なぜなら、俺は自分勝手だから!」 高橋和也の荒ぶる声を合図に、MOUNTAIN MANは最後に『自分勝手』を演奏。観客たちも「自分勝手」と声を重ね、荒ぶり疾走するブルーズ&ロックンロールな楽曲へ心地好く身を預け、自分勝手に、自由奔放に楽しんでいた。高橋和也の声へ応じるように、大勢の観客たちが「自分勝手」と叫ぶ様も、めちゃめちゃ熱いじゃないか!!!

熱狂止まない声を受け、ふたたびアンコールに応える形で3人がステージへ。身体をめちゃめちゃ熱く揺らすブギーなロックンロールナンバー『目で見ちゃだめさ』に乗せて、彼らと一緒に「目で見ちゃだめさ」と歌声を交わし、爆上がって騒げばいい。この自由さこそがロックだ。この曲では、観客たちが一緒に歌い、豪快なノリを作りあげていた。でも、それこそがライブを楽しむということ。この一体化した熱狂がイカすじゃない!!!

MOUNTAIN MANは最後に、ここに集まった仲間たちの心の奥底に思いという傷跡を残すように、歌声のナイフで優しく、でも、消えない思いの証を『ひらり』を通してしっかりと刻んでいった。彼らが届けた広い広い愛を、誰もがしっかりと胸の中で抱きしめていた。終盤に生まれた「LALALALA~」の合唱も胸を熱く潤した。特に、観客たちのみで歌った「LALALA~」の歌声はとても澄み渡る美しさを持っていた。そのうえで、みんなで気持ちを一つにエンディングを迎える。なんて心を濡らす最後だろう。ほんと熱くてドラマチックなライブだったよ。

PHOTO:浦田大作
TEXT:長澤智典

《SET LIST》
  1. 1.愛に抱かれて
  2. 2.searchlight
  3. 3.emergency call
  4. 4.but it’s too late
  5. 5.WOULD YOU LIKE IT(Pink Cloud カバー)
  6. 6.LONG SLOPE
  7. 7.はじめようと思う(Acoustic)
  8. 8.10 YEARS AFTER(Acoustic)
  9. 9.素晴らしい人生
  10. 10.On the Road ~旅の途中~
  11. 11.真冬にTシャツの少年
  12. 12.BACK IN THE CITY
  13. 13.Satori part 2(FLOWER TRAVELLIN’ BANDカバー)
  14. 14.魂
  15. 15.ひろったハレンチ
  16. 16.walking in the rain
  17. -ENCORE-
  18. EN1.free smile
  19. EN2.自分勝手
  20. -W ENCORE-
  21. WEN1.目で見ちゃだめさ
  22. WEN2.ひらり

高橋和也(Bass&Vocal)使用楽器・機材紹介

MOUNTAIN MAN

MOUNTAIN MAN Great Love Tour 2025

2月25日(火) 京都 都雅都雅
開場 18:00 / 開演19:00

2月26日(水) 浜松 窓枠
開場 18:00  オープニングアクト Y's Project 18:30
開演 19:15

沖縄ツアー
3月1日(土)北谷フリーライブ
会場 デポアイランド・ボードウォーク
開演予定:17:00

3月2日(日) 那覇 沖縄Cyber-Box
開場 16:30 / 開演17:30

3月3日(月)那覇 Gala
原田喧太 55th バースデー記念ライブ
ディナー付きアコースティックナイト
開場 18:00 / 開演19:00

チケット購入方法はこちらから
https://www.mountainman.top/news/pg5701820.html

【追加公演情報】
4月5日(土) 松阪M’AXA
開場 16:30 / 開演17:30

ツアーファイナル
6月8日(日) 神戸 CHICKEN GEROGE
*追加公演に関してのチケット販売方法は決定次第ご案内いたします。


ESP E-II Horizon Infinite MOGAMI
山野楽器Ginza Guitar Garden Digimart LOVEBITES
Ryoga Snare Weight DRUMSHOW
Dean Martin Ukulele Cannonball
Hofner Orange Valve Tester MkII Heritage
Orange Glenn Hughes MONO