昔からわかりあえている。そんな関係性を持った2人が、2MAN LIVEという形で共演。とても温かい空気に包まれたひとときをプレゼント。 

先に、開催にあたって記された以下の文章を引用したい。

「ロック界の吟遊詩人」と評された安藤秀樹。「GIRL POPの旗手」として90年代を彩った久宝留理子。かつてこの二人が同じ音楽事務所で活動していたことはご存じだろうか?

そして、ラジオ局「FM NACK5」で同名の番組「Stylish Kids」を担当していたのはご存じだろうか?

今回お互いのデビュー当時を担当していた
ラジオディレクターからの企画で夢の競演が成り立ちました。
二人の華麗なるセッションもお楽しみに!」

安藤秀樹と久宝留理子が2マン公演を行った経緯は、上記が発端になっていた。8月27日、西川口 Live House Heartsを舞台に行った「MUSIC GIFTS『安藤秀樹&久宝留理子 2マンライブ』」の中から、夜公演の模様をここにお伝えしたい。

久宝留理子

トップバッターを飾ったのが、久宝留理子。この日は、アコギ・ピアノ・サックスというアコースティックなスタイルで演奏。ライブは、アコースティックな編成とは思えない熱いグルーヴを作りながらスタート。久宝留理子は、ソウルフルでパワフルなダイナマイト・ヴォイスを魅力に『Non Stop Seven Days』を歌唱。メンバーとのブルースなセッションの音色も心地いい。良い感じの迫力を持ってせまる彼女の歌声と存在感が、見ている側のテンションを程よい緊張感を持ってアゲていく。

場内に熱気を巻き起こすように、久宝留理子は抑揚を持った歌声を魅力に『プライド』を通し、見ている人たちの気持ちに熱いエナジーを注ぎ込む。軽快に跳ねたアコギとエレピの音色が重なりあい、そこへソプラノサックスがエモーショナルな彩りを与える。その上で彼女は、気持ちを弾ませ、太い歌声を響かせていた。

青空と太陽の陽射しをこの場へ連れ出すように、軽快にストロークするアコギの音色。久宝留理子は、夏の陽射しの変わりに言葉のひと言ひと言を歌声の粒に変え、場内にいる人たちの心に降り注ぐ。『熱い熱い夏の日』を通して彼女は、この空間に程よく心地よい夏の刺激と楽しい空気を作りあげていった。猛暑なんて言葉は似合わない爽やかさを覚える歌の夏風が、心に吹いていた。

「さよならだけがあなたの答えなら」と、終わりを迎えた恋に涙する女性の悲しい恋心を、久宝留理子は、歌詞に綴られた主人公の気持ちに寄り添い、物語を語るようにその心模様を歌っていた。悲嘆に暮れる女性の感情に自身の思いを重ねあわせる面もありつつ、程よい距離感で主人公の思いを受け止めて歌っていたからこそ、バラードナンバーの『さよなら』が胸をキュッと締めつける歌として届いていた。曲が進むほど、瞼が滲みだす。ホント、悲しみや涙を呼び戻す歌い手だ。

次に披露したのが、コロナ禍時期に作り、最近CD化して発売した『サクラサク空の下で』。「サクラサク空の下で」と歌いだすこの曲は、軽やかに弾む演奏と、明るい表情を持った久宝留理子の歌声が重なり合う、触れた人たちの気持ちを心地よくアゲてゆく楽曲だ。いろんな意味で制限されていた時期に書いたからだろうか、少しでも気持ちを華やかに。そして、希望に染め上げようとしてゆく心模様も見えてきた。春の始まりのような、何かに期待したくなる感情にも染まっていた。

後半戦は、この場に華やかな歌の花を咲かせるように『涙の数だけ』から。久宝留理子が歌うたびに、この場に明るい光が満ちてゆく。心に光射す?確かに、そんな気分だ。気持ちがウキウキと弾み、ついクラップをして彼女にエールを送りたくなる。そんな心地よさに包まれていれるのが嬉しい。

終盤、『早くしてよ』の始まりにあわせ、フロア中の人たちが立ち上がり、手を左右に大きく振る久宝留理子の姿にあわせ、共に大きく手を振り出す。少し甘えた声で、相手の気持ちを自身の胸の内へしっかりと呼び込むように、彼女は抑揚した歌声を響かせていた。

最後にパワフルに歌いあげたのが『「男」』だ。イントロが流れたとたん、フロア中の男共が声を張り上げ、拳を高く突き上げる。久宝留理子も、挑むような姿勢と奮い立つ声を武器に、パワフルに歌を響かせていた。そこには、気持ちを抑えられずに騒ぐ人たちが放つ、思いの渦巻く熱情した空間が生まれていた。アコースティックなスタイルなのに、思いきりロックな空気を感じさせる空間が、その場に生まれていた。

PHOTO:中村義幸
TEXT:長澤智典

《SET LIST》
  1. 久宝留理子
  2. 1.Non Stop Seven Days
  3. 2.プライド
  4. 3.熱い熱い夏の日
  5. 4.さよなら
  6. 5.サクラサク空の下で
  7. 6.涙の数だけ
  8. 7.早くしてよ
  9. 8.「男」

続いては安藤秀樹が登場!

久宝留理子

2024.8.14(水)GEMINI Theaterにてライブ開催決定!

8月14日(水)GEMINI Theater
久宝留理子のバラードからカバーまで魅力たっぷりにお酒とお食事と共に真夏の夜に大人な空間をお届けします。
チケット詳細等は決まり次第、久宝留理子ホームページ、Xにてお知らせします。お楽しみに!
http://www.drops-rk.jp

安藤秀樹

安藤秀樹YouTubeチャンネル

https://www.youtube.com/@HIDEKI_ANDO


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