こちらにはドラムヘッドをキャンバスにした作品が多く並ぶ。使用されているヘッドはSATOKOも実際に愛用しているASPR製のヘッドだ。
―それぞれの作品の色味がとても奇麗で特徴的でした。「色味感」「ペイント法」「インク種類」「塗り方」「下地素材」「光沢」「ラメ感」「ペン・筆・ハケ・スプレーなどの使用したもの」などのキーワードが頭に浮かびますが、いくつか色味の付け方や使用した画材についてこだわりやエピソードがあれば聞かせてください。
SATOKO:基本画材にこだわりはなくて、でもなるべく下書き的なことはしたくなくて、まず直接鉛筆やペンで描きたいものを一筆で描いて、それから、どんな色や質感にしたいか考えて、画材を選んでいく感じです。
基本水彩も油彩も、殆ど同じに考えているのですが、やはり便利なアクリルを使ってしまうと、何もかもに良い反面、何もかもが浅く安くなる気がして、これまではなるべく使ってこなかったのですが、今回は、逆にそういう縛りなしで自由に色付けしました。
鮮やかな色を使いたいので、どうしても油彩が多くなりますが、重ねて質感を出すのに時間がかかるので、そこをアクリルで補う感じで大体描いています。 仕上げは油性の鉛筆を使います。
―多様なアイデアでユーモアも満載の作品ばかりでした。どのような時に頭に浮かぶのでしょうか?テーマを決めて考えて作っていくのでしょうか?スパッとおりてくるアイデアもあったりするのでしょうか?
SATOKO:ミュージシャンの仕事が忙しすぎるので、普段は息抜きになる時に自由にただなんとなく絵を描きます。常日頃から目にするもので描きたいものが見つかればiPhoneに何が描きたいとメモしておいて、いざ個展を開催するのが決定したら、個展のために時間を作って一気に描いていく感じです。
時間が離れない方が個展の世界観が作りやすいので、ちょっとしんどいですが、期間を決めて、その中で描けるだけ描くのですが、降りてくるものが6割、頑張って描いてるものが4割という感じです(笑)
撮影:小野寺将也