ペースを緩めることなく、勢いよく後半へとなだれ込むテンションも素晴らしかったこの日のfleufleu。タッピングやスラップ奏法、約10秒の痺れるブレイクなどを含む見せ場満載のインストセクション、そこから『エトセトラ』へ鮮やかに繋げるタイトなグルーヴを体感すると、やっぱりライブバンドだなと惚れ惚れしてしまう。特に未発表の新曲『ハンコウセイメイ』はインパクト大で、楽曲の鬼気迫る世界観を反映させた赤いライティングの中、“何回だって叫ぶんだ”“まだまだ終われない”と葛藤を振り払い歌うCanacoの熱いシャウトが、その想いを乗せた激しく叩きつけるようなロックサウンドが、初めて聴く曲ながらもフロアにヘドバンを巻き起こす。

その後もボルテージは怒涛の如く上がり続け、『ハンコウセイメイ』と同じく己を奮い立たせるような叫びが詰まった『ALLY』、タオル回しで狂喜乱舞のノリを生んだ『ヨマイゴト』、手に汗握るソロパートが炸裂しまくりの『嫌い』と、4人はバチバチのライブパフォーマンスを繰り広げたのだった。そして、Canacoが胸の内を語る。

『We Live As One 2022』、1本も飛ばさずにファイナルを迎えられました。振り返ってみると早かったけれど、すごく中身の濃いツアーになった気がします。来てくださったみんなのおかげです。fleufleuはこれからも歩みを止めたくないし、止めません。もっと大きなステージに立てると思っています。まだまだ何かとうまくいかないことばっかり。でも、そんな私たちを応援してくれる人たちが目の前にたくさんいる。この先も4人でやっていけると、今日のライブで確信できました

私がこのツアーで感じたのは、誰かの支えになりたいということ。fleufleuが誰かの光みたいな存在になれたらいいなってことです!」と伝え、2ndシングルのもうひとつの表題曲『』がクライマックスで一段とエモーショナルに奏でられる。先の『エトセトラ』を引き合いに出せば、“変われないでいる臆病な僕には 自分らしさもわからなくて”と消極的な想いを覗かせていたCanaco。その彼女が『聲』では、“まだ見ぬ未来が待ってるはずだ あなたを”と積極的に希望を歌っている、という大きく殻を破った変化が涙ものだ。“ようやく巡り会えたんだ”の歌詞も、ファンに向けたメッセージであることはもちろん、今のメンバーでオリジナリティを見い出せた喜びの声に聞こえた。だからこそ、青空に美しく映える、これまでにない目の覚めるようなサウンドが生まれたのだろう。

間奏でドラムセット前に集まる4人の姿も印象深かったこの日のハイライトを経て、本編ラストは『SPICA』。彼女たちの歩みを肯定するようにオーディエンスのハンドクラップが盛大にあふれるハッピーなムード全開のまま、fleufleuは記念撮影までを終えてステージを後にした。

初めてのアルバムのツアーということで、SNSにライブのダイジェスト動画を上げたりしながら回っていたので、fleufleuをより身近に感じてもらえたんじゃないでしょうか。ファイナルを楽しみにしてくれている熱量がみんなから伝わってきて、それがめっちゃパワーになったんですよ! おかげで4人とも弱音を吐かずに、ここまでがんばれました。この先もいろんな景色が見られるはずだし、可能性は無限大だと思っています」(Ayano)

今日は高校の頃を思い出しました。他校だったCanacoとみもりんと合同ライブをやる機会があったんですけど、そこで私は『マボロシ』を聴いてボロ泣きしちゃったんですね。当時すごくつらいことがあったのにすぐには泣けなくて溜まっていた涙が、そのときにぶわっと出てスッキリできたっていう。そんな2人とクアトロの舞台に立っているのは本当に奇跡だなと思ったので、メンバーのことを改めて大事にしていきたいです」(Kaho)

すごい景色が広がっていて、ステージに出たときにもうウルウルきてました。この時間をみなさんと共有できたのは、めちゃくちゃありがたいことです。メンバーそれぞれが成長したツアーになったし、私たちがバンドをより良いものにしていきたい気持ちが今に繋がったのかなと思います。ファイナルはまた新しい何かを始めるぞっていう決意の日でもあるので、これからも全力で進むfleufleuに、ぜひ全力でついてきてください!」(Mimori)

これまでは期待されるのが苦手だったんです。やらなきゃいけなくなる状況が怖かったり、自信がなかったり……甘ったれた感じの人間だったんですけど、ライブを重ねるうちに、そんな私が“この4人で大きなステージを目指して、まだまだ音楽を続けていきたい”と嘘偽りなく言えるくらいに成長することができました。それはfleufleuを信じてついてきてくれるみんなのおかげです。本当にありがとうございます!」(Canaco)

ライブ当日に販売された紺のニューTシャツを着て再登場したアンコールで、各自が思い思いの言葉を繋ぎ、絆をしっかりと確かめ合ったfleufleu。最後はバンドが前に進んでいくポジティブな意志を込めて楽しそうに届けた『下の名前で呼ばないで』で、忘れられないツアーを締め括った。

撮影:hiromu inoue、kota aoki
取材・文:田山雄士

《SET LIST》
  1. 1.薔薇
  2. 2.またね
  3. 3.Daydream Lover
  4. 4.はじまりの瞬間
  5. 5.君の所為
  6. 6.メリーゴーランド
  7. 7.マボロシ
  8. 8.夏の忘れモノ
  9. 9.ミッドサマーマジック
  10. 10.Solo Section
  11. 11.エトセトラ
  12. 12.ハンコウセイメイ
  13. 13.ALLY
  14. 14.ヨマイゴト
  15. 15.嫌い
  16. 16.聲
  17. 17.SPICA
  18. <ENCORE>
  19. EN1.下の名前で呼ばないで

Canaco(Vo/Gt) 使用楽器・機材紹介

fleufleu

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