Nothing’s Carved In Stoneが最新アルバム『ANSWER』を引っさげて行う全10公演にわたるツアー『ANSWER TOUR 2021-22』が、2月25日(金)の東京・豊洲PITでファイナルを迎えた。

チケットはソールドアウト。決して会場へ足を運びやすくはないご時世ながらも本当にたくさんの観客が詰めかけた景色から、このバンドに対しての深い愛情が感じられる。村松拓(Vo&Gu)、生形真一(Gu)、日向秀和(Ba)、大喜多崇規(Dr)の登場とともに、“Nothing’s Carved In Stone”のバックドロップもステージにセットされ、『Deeper,Deeper』で勢いよく火蓋が切られたライブ。雷鳴のように荒々しく歪んだ生形のギターをはじめ、目の前に立ち現れたヘヴィな音像は迫力満点で、あっという間にフロアを飲み込んでいった。

村松拓(Vo&Gu)

コロナ禍の苦しみに加え、本公演の前日にはロシアがウクライナに侵攻する戦争が起こったばかりで、ここに集まった多くの人たちの心も少なからず不安定な状態にあったはず。それだけに、“How can I show you that we all used to be one/Every river flows back to the ocean/Now come together / primitive connection/Even if you feel desolate now carry on”(訳詞:きっと僕らは一つだった/目的地なんかなくてもいいから/共に行こうたとえ今は孤独でも/進め)と、聴き手を鼓舞してくれるような歌唱とエモーショナルなサウンドが一段とやさしくリアルに響いてきて、早くもたまらない気持ちになる。

日向秀和(Ba)。自身のシグネチャーモデル、Lakland SL44-60/R Hinatchをアグレッシブにプレイ。

赤と青の激しいストロボの中、“飛び出したまま走ってゆくお前が/燃え尽きて果てるなら/未来と呼べるから今まだ/僕ら限界を超え二度咲くflower”と歌う『Bloom in the Rain』も、曲にあふれんばかりのパワーが満ちていて、オーディエンスはとっくに椅子から立ち、ステージへ向かって一心不乱に拳を掲げている。トリッキーなリズムを掛け合わせて踊らせた『Spirit Inspiration』以降は、4人のギアがさらに上がり、日向のハードなスラップソロや生形の火を吹くようなギターソロも炸裂。『白昼』では、大喜多のドラムソロが鮮やかに決まった。

生形真一(Gu)。プレイするのは自身のシグネチャーモデル、Gibson Shinichi Ubukata ES-355 #001。
日向の背後にはOrange Ampsのキャビネットと、自身のモデルであるアンプヘッドOrange 4 Stroke 500 LTD HINATCH “極”も見える。

スタートダッシュで場内を温めたあと、「『ANSWER』ツアーファイナル、最後までついてきてください。行けるか、豊洲!」と村松がMCをサッと済ませ、『Rendaman』以降もまったく手を緩めず、怒涛のグルーヴを繰り出していくナッシングス。生形のキャッチーなリフが耳を惹く『No Turning Back』、日向と大喜多が鳴らす生き物のように蠢くビートの応酬に圧倒された『(as if it’s) A Warning』と続くにつれてフロアはいっそうヒートアップしていき、一歩も動かずに観ているのに辺りから熱気がじりじりと伝わってくる感じだ。グランジ風味のダンスチューン『Wonderer』になれば、オーディエンスのハンドクラップを味方につけたりと、ライブはなんとも理想的なテンションで進む。

『Milestone』のイントロではGibson Custom Shop ES-355 w/Bigsby Pizeo のピエゾサウンドが印象的だ。

中盤は一転して、横ノリで楽しめる展開に。アカペラから始まるヘヴィロック調の『Flame』は、ボーカルに専念して己の生き様を映し出すように力強く届け、寂寥感のあるサウンドが映える『We’re Still Dreaming』は、アコギを弾きながら悩ましいトーンで歌い上げた村松。『Milestone』では、生形がギブソンでガットギターっぽい硬質な音色を鳴らすなど、このバンドはエフェクト使いを含めてアプローチが本当に幅広い。

村松の使用ギターはGibson Custom Shop Historic Collection‘58 Les Paul Reissue。

めっちゃ楽しい」「最高の景色だわ。ひさしぶりに見た、こんなの」と喜びを零しつつ、「帰ってきました。ただいま!」と昨年12月から行なってきたツアーのファイナルについて言及した村松は、「今日のライブが楽しみすぎて、豊洲でやろうと思っていた釣りのことを忘れてました」と笑う。ここでのMCも短めで「次のブロック、ノンストップで行きたいんだけど」と、ほとんどブレイクを入れずに演奏を再開させる4人。やはり厳しい状況下でこんなにも多くのお客さんが来てくれたことに、身体が熱くなって仕方ないのだろう。

大喜多崇規(Dr)。プレイするのはSAKAE Drums Evolved Mapleのキット。シンバル類はすべてPaiste製を使用している。

後半の『Beginning』からはその言葉どおり再び加速し、ナッシングスらしいスリリングで緻密な音の混ざり合いがどんどん極まっていった。いい緊張感に満ちたプレイがずっと続いていたゆえか、『Recall』の後半で村松が「(歌詞を)間違えたーっ!」と自分のミスを笑うシーンさえもなんだかホッとできたり、生のライブならではの忘れられない瞬間のひとつになったり。そんな緩和を受けてバンドもフロアもますます燃えた『Like a Shooting Star』、4つ打ちのリズムを中心になおも激しくアジテートする『Impermanence』、生形のピックスクラッチで鋭く始まった『Out of Control』——パワフルなボーカルと超絶テクで駆け抜ける彼らの熱演に対し、何かと制限のかかった今の状況は正直やるせない。けれど、声を出せない分だけ豊洲PITはいっぱいの温かい拍手で包まれている。

メッセージはすべて曲に込めました。『ANSWER』は最高傑作だと思っているので、これからもぜひ聴いてください。あと2曲、みんなの名前を呼ぶつもりで歌います」と村松が告げ、本編ラストは傷付き迷える人の痛みを癒すような『Beautiful Life』、“答えはひとつ そう/今を生きる 前を向いて”と道を切り開く強さを歌った『Walk』。この削ぎ落とされたシンプルなアンサンブルとメロディアスな歌、開けたムードにこそ、現在のNothing’s Carved In Stoneが色濃く表れていたし、アルバムの曲順とはまったく異なるこのセットリスト、締め括りに感動を覚えたファンは多かったはず。ドラムセットから手を振る大喜多の姿、ステージにあふれる逆光の演出も印象的だった。

アンコールでは、生形の美しいアルペジオから展開していく『Diachronic』、オーディエンスが歓喜のハンズアップで応えた『November 15th』と、初期のナンバーを披露。「マスク越しにみなさんの表情を探るのもだいぶ慣れました。最初のうちは“ステージに気持ち届いてるよ”とか言っていたのが、だんだんそんなことを言う必要がないくらい通じ合えるようになってきて。来てくれる人たちをもっともっと信頼してやっていっていいんだなと思えたツアーでした。ちょっとクサいけど、絆みたいなものを感じました。ありがとう」と、村松があらためて今の想いも伝え、『ANSWER TOUR 2021-22』は大盛況のうちに幕を閉じた。

なお、MCやインターバルをグッと絞ったこの素晴らしい公演の模様は早くも映像商品化が決定し、Nothing’s Carved In Stoneのオフィシャルストアで3月31日(木)まで予約を受付中( https://www.official-store.jp/ncis/ )。さらに、4月9日(土)には大阪・大阪城音楽堂で、4月20日(水)には東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で、ワンマンライブ『Bring the Future』が開催されるので、こちらもお見逃しなく!

PHOTO:西槇 太一
取材・文:田山雄士

《SET LIST》
  1. 1.Deeper,Deeper
  2. 2.Bloom in the Rain
  3. 3.Spirit Inspiration
  4. 4.白昼
  5. 5.Rendaman
  6. 6.No Turning Back
  7. 7.(as if it’s) A Warning
  8. 8.Wonderer
  9. 9.Flame
  10. 10.We’re Still Dreaming
  11. 11.Milestone
  12. 12.Beginning
  13. 13.Recall
  14. 14.Like a Shooting Star
  15. 15.Impermanence
  16. 16.Out of Control
  17. 17.Beautiful Life
  18. 18.Walk
  19. <ENCORE>
  20. EN1.Diachronic
  21. EN2.November 15th
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<CD>
01.Deeper,Deeper
02.Recall
03.Flame
04.No Turning Back
05.Beautiful Life
06.Walk
07.Impermanence
08.Wonderer
09.We’re Still Dreaming
10.Bloom in the Rain

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