ツアーの機材を改めて見ていると、楽曲のために良い音を求めるメンバーと支えるスタッフのたどり着く答えが様々な楽器に現れているように感じる。変化するミュージックシーンの中で新しく受け入れていく物と、バンドの変わら無い本質的なものを表現する為の楽器、その一つ一つに運命的な出会いすら感じさせる。

BUMP OF CHICKENほど楽器に対してアイコニックなバンドは無いだろう。

ライブで特に印象的だったのは、ファンとの一途な想い、本質を強く感じさせる『流れ星の正体』。本編最後に披露されたこの楽曲はAメロがギターとボーカルのみとなっているのだが、ライブ中、藤原が急にオフマイク(マイクから離れる)になり、生声ではないが限りなく生っぽい音の距離感を感じさせる、それに合わせタッチを軽くしてサウンドを合わせたギターの増川。即興的にも感じたこの数秒のアンプラグド感が「世界に何億人いようとも ひとり」という言葉と対極的な意味で会場に共存していることとBUMP OF CHICKENとファンを強く紐帯させる「音」になって繋がった瞬間を体感した。

これから大阪・名古屋とツアーは後半戦へ続くのだが、巨大なスタジアムであってもファンの一人一人に届く音を求めるメンバーとスタッフの想いとファンとを繋ぐ楽曲の数々が間違いなく「aurora ark」となっていくことは間違いない。

ライブへ参加する際はそんな彼らに寄り添う楽器達にも注目してほしい。

取材・文 :日下部 拓哉
ライブ撮影:古溪 一道
機材撮影:小野寺将也

なお、お読み頂ければ分かる通り、今回ご紹介した機材はほんの一部。今回掲載出来なかった機材写真はフリーマガジン『STAGE』にてツアーファイナルとなる東京ドーム公演とともに紹介するので是非、楽しみにしていて頂きたい。


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