―メジャーデビューしてからのことは皆さんご存知のことかと思うので、ちょっと時間は飛ぶんですけど、ソニーを離れて、自分たちで進みますということになったのが2021年からってことですよね?

R:そんな最近か…。

―2020年年末をもって契約を終了、ということですよね。

R:そうですね。もう2年前ぐらいかな。

―メジャーデビューもしたし、バンドとしても紆余曲折ありつつしっかりと独立をして行ってると思うんですけど、やっぱりこれから自分たちでやるということで、どうですか?新たなスタートに対する思いっていうのは?

R:でも…多分今までの話を聞いてても分かると思うんですけど、私達って多分“バンド”じゃなかったんですよね。バンドをやってたんですけど、やっぱりソニーにいた頃も私が永久にいろんなことをバーって言って。それに対してメンバーが例えば不満があったとしても、そういうものだから、メジャーとは、大人とこうやって仕事をするとは、人にこうやって期待をかけてもらってるとは、こういう風に答えていかないといけない、期待に答えていかないといけないっていう強迫観念がやっぱりずっと私にはあって。ボーカルで曲も書いていて、いろんなことを決めていたからこそ、メンバーが言ってることに私は多分一切耳を傾けてこなかったし、メンバーもメンバーで私を支えようとか助けようっていう意思はあまりなくて。そういう中で、メジャーにいたとき何回か私の精神が壊れたりとかしてたんですよ。

―はい。

R:なのでそれをやめたんです。本当に3人だけになったときに、やっぱり自分がいかにそれまで限界まで自分のことを追い込んでいたかってことに気づいて。当たり前にほぼ過労死ぐらいずっといろんなことをやってたのが、止まったことによってガタガタガタガタガタッって崩れちゃって。なんとなくは分かってたけど、私達ってちゃんと“バンド”してなかったなぁって。本当に、結成からぐちゃぐちゃで、でもなんか賞もとって、なんか色んな人が着いて。それなりにその時その時の期待に答えなくちゃいけなくて。でもやっぱり下手くそやからうまくならないといけない。で、練習もする。レコーディングとかなめられないように演奏頑張らないといけない。っていろんなことを本当にずっと追われてきたからこそ、なんか向き合ったりとか、してはいたけど、でもやっぱりそれでも、なんやろ、全員思春期やし。それで言うとメンバーとは今年の頭ぐらいまでずっと仲悪かったです。これはもうどこでも言ってるんで全然書いてもらって大丈夫なんですけど。

―いつから仲が悪かったんですか?

R:ずっとです。でもそれは、人間性が嫌いやからとかそういうことではなくて、多分、全員がお互い言葉足らずで、お互い不器用なんですよね。だからその場で思ったこと、たとえば「そこ間違ってるよ」とか「なんでそんな下手くそなん」とか言っちゃうんですよ。で、「は?」みたいな。「お前こそさ、めっちゃハシッてんやん?なんなんお前?」みたいになったり。それこそ、「私こういう曲やろうと思ってんねんけど」「全然良くなくない?」「なんなんこれ」みたいなとか。わかりますか?バンドの方の喧嘩なんですけど、それに対してなんか「もうええわお前」みたいになるし、「どうせRyokoに言っても聞いてもらわれへんから私達も言わんとこう」とかっていうことがずっと積み重なってて、それが当たり前やったんですけど、それは、本当に今年から消えました。

―2022年になってからですね。

R:そうです。独立してからもずっとそんな感じだったんですよ。昔は、私が話しかけても無視とか、気分じゃなかったら答えてもらえなかったりとかしてたんです。

―それが変わったってことですか?

R:変わりましたね!

―そのきっかけとなったことは何かあるんですか?

R:まぁ、私が初めてメンバーに弱みを見せたこと、ですね。

―具体的に弱みって何か聞いてもいいですか?

R:去年の年末に母親が倒れちゃって。今はもう元気になったんで大丈夫なんですけど。もう心肺停止が2時間ぐらいあって、意識が戻らない状況が1ヶ月ぐらいあって。「意識が戻っても植物状態で、もうこの先家族のことを認識することもできません」、みたいなことを言われたんです。で、ちょうどその月からワンマンツアーやったんですよ。独立のタイミングで、ツアーも全部自分たちでやってて、しかもやっぱり去年もずっと仲悪かった原因がやっぱりどこまで独立しても全部私がバンドのこと動かしてて、二人は助けてくれてなくて。それでも限界やったけど別に限界って言いたくないし、自分がはじめたことで、それで言うと、責任がある。ЯeaLに誘ったのは私で、二人の人生巻き込んでしまってるからこそ、私が頑張らないとってずっと思ってたんで、メンバーに「つらい」とか「しんどい」とか「助けて」とかって素直に言えなくて。

―責任感があるからこそ余計にそうなる部分もあるわけですね。

R:基本的にバンドでつらいことがあってもあまり泣いたりもしないんですけど、ただ、その母親のことだけはどう頑張っても無理で。実家にも帰らないといけないし、母親がやってた家のことも全部自分がやらないといけなくなったりとか、病院のこともあって、それにプラスしてワンマンツアーの準備と練習とセトリとで、もう限界超えてて全然無理で。しかも、一生戻らないかもしれないとか言われて。はじめて、メンバーにもう号泣とかっていうレベルじゃないぐらいで1回だけ電話したんですよ。発狂??(笑)みたいな。それでちょっと気持ち的には落ち着いたんですけど。

―はじめて弱みを見せたわけですね。

R:でも、私がここで、たとえばライブを飛ばしたりとか歌うことやめたりとかしたら、多分母親は怒るやろなって思って。それに、ここで自分が頑張らなかったら今までやってきたことが全部無駄になるなって。そんなことで、―そんなことって、母親が死にかけてることもだいぶヤバいんですけど―、でも、そんなことでやめられるようなもんやったらとっくにやめてるなと思って、何食わぬ顔してスタジオに行ってライブもツアーも全部したんです。それをメンバーは隣で多分見てて、「こいつヤベェ」って(笑)思ったんやと思うんですよ。

―そこが変わるきっかけになったんですね。

R:そこから本当にいろんなことを助けてくれるようになって。私が別に何も言わなくても「あ、Ryoko大丈夫やでそれは」って言ったりとか助けてくれるようになったんで。今回のきっかけが、私の限度ギリギリが、母親が生きるか死ぬかのことやったけど、多分もっと早くに、ソニーにいた頃とかも、もっと早くにメンバーに「つらい」って言ってれば、もっと早く“バンド”になれたのかもしれなかったんですけど。まぁ、完璧主義なんで、あんまりそういうのとか人に言いたくなかったんで仕方がないんですけど。

―でも、そこまで自分自身を見れるようになったのっていうのもやっぱりいろいろ一段づついろんなステップを歩んでって、なんとなく自分を客観的に見れるようになった部分もあるんでしょうね。

R:そうですね。もうなんか、自分が言ってることが、150%正しいと思ってたんで。それに対して意見を言ってくるお前なんなんって思ってたから。メンバーも含めて全員多分大人になりましたね。

気付けた上での10周年だからこそ意味がある

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