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結成6周年を迎えた太田家が、4月19日に赤羽ReNY alphaを舞台に、6周年記念ワンマンライブ「ガチ!!おおた祭り」を行った。ガチと名付けたように、この日は、太田家としての6年間の歩みが2時間の中へ濃密に詰め込まれていた。当日の模様を、ここに伝えたい。

お馴染み「太田コール」のSE。その言葉を受け、フロア中の人たちが熱く手を打ち鳴らす。その手拍子に導かれてメンバーらが舞台へ。太田たけちゃん(竹村忠臣/Drums)の叫ぶ「太田」の声、それを受け、太田彩華(Vocal/Bass)が「太田Yeah! Yeah! Yeah!」と『太田家』を熱唱。この場にいる人たちを全員”太田姓”に染めたところで、流れだしたのが『夏影方程式』だ。この場をひと足早く夏景色に染め上げるように、4人は熱情した音の風を吹かせ、この場に眩しい青春のひとときを作りだす。誰もが無邪気な少年少女に戻り、拳を振り上げ、声を張り上げる。そう、この眩しくて熱い景色こそが、太田家のライブ。このまま一緒に「Oh!Oh!Oh!」とシンガロングしながら、この空間を一緒に熱い熱い青春の景色に染め上げて征服してしまおうか!!!!

ヤバい、『君と世界制服』のイントロが流れた途端、胸の内にエモくて熱い風が吹き荒れた。この曲も、あの頃の眩しい青春の思いを胸の内に熱く映し出す楽曲だ。だから高鳴る胸の鼓動が、止むことのない青春という名の興奮が、歌や演奏を通して心の中に響き渡っていた。
熱情した思いへさらに熱情した音の衝撃を塗り重ねるように、太田家は『ストラトシャウト』を歌い演奏。フロア中で鳴り響くクラップも駆け続けるビートに加え、4人は大勢の観客たちと一緒に気持ちを高ぶらせ続けていた。眩しい音の風を撒き散らして走る演奏に身を預けていたら、この日も一緒に、限界を超えた先にある熱狂をつかめそうな気持ちになっていた。
MCでは、6周年当日を迎えたことへの感謝の気持ちやワンマンライブについての思いを、太田彩華が熱く語っていた。

ここに集まり、応援してくれるみんなが、メンバーたちにとっては最高のヒーロー。その思いを胸にエモくパワフルに演奏をしたのが、『限界HERO』。冒頭から観客たちが熱く疾走する演奏に乗せて拳を振り上げ、声を張り上げる。太田たけちゃんと一緒に張り上げた声で叫ぶたびに、気持ちが熱く燃え滾る。その瞬間だけは、いや、何時だって太田家のライブは、触れた人たちを熱狂という限界を超えて熱く燃えたぎる勇者(HERO)に染め上げる。だから顔を上げ、声も上げ、拳を高く振り上げ、メンバーらと一緒にシンガロングし続けたい。「Oh!Oh!Oh!」と歌いあげるたびに、胸が熱く熱く燃えたぎる。この気持ち、破裂するまで高めずにいられない!!

その気持ちをさらに煽るように、メンバーたちは魂の叫びを『鋼』に乗せ、全身全霊でぶつけてきた。もちろん、フロアにいる人たちも、身体中から沸き立つエナジーを拳と声に乗せ、全身全霊でぶつけていた。太田家のライブに触れていると、「生きている」実感を強く覚える。それくらい、日常で隠していた本当の自分を素直に解き放ち、思いきり真っ直ぐに、全身全霊で自分らしさをぶつけていけるからだ。
MCでは,太田たけちゃんが「この日は全楽曲を届けること」を宣言。そのうえで用意したのが、2つのメドレーコーナー。まずは、第一弾として用意したメドレーコーナーから。

飛びだしたのが、『クソゲーっていうな!』。太田彩華はハンドマイクを手に、気持ちを吐き出すようにエナジー全開で歌声をぶつけていた。続いたのが、太田家流のメロディックパンクソングの『じゃぱにーず・いでぃおっと』。手にした団扇を大きく振りながら、荒々しいパンキッシュな演奏に乗せて歌う様も、エモいじゃない。重量感を増した演奏から、一気にスカビートに変化。歌ったのが『咖喱』。途中にインド風の旋律も加え、4人はHOTな歌と演奏をぶつけてきた。フロア中に「カレー」の大コールが飛び交うのも、太田家のライブくらいじゃないか?メドレーコーナーの最後に届けたのが、この場にいる人たちを、灼熱の夏以上にイカれた熱狂野郎や乙女に染め上げる『夏のイカれ野郎』。太田家に数ある楽曲の中でも、トリッキーな歌を中心に集め、メドレー化してゆく。そのイカれた遊び心が、太田家らしい。

続く第2弾のメドレーコーナーは、バラード曲を中心に構成。「夢の散歩者~」と太田彩華がアカペラで『夢の散歩者』を歌いだした。そこへ太田ひさおくん(佐々木久夫/Keyboard)の切ないエレピの音色が折り重なりだす。その上で流れだしたのが、『イデア』。いつも以上にしっとりと、とてもシンプルな構成にして、歌詞と歌心を大切に届ける姿がそこにあった。その後に流れたアコギの音色に乗せ、太田彩華は優しい声で『四季とカスミソウ』を歌っていた。あえてシンプルな演奏にアレンジし、歌に込めた思いをしっとり届けるところが素敵だ。メンバーたちの美しいハーモニーも胸を温かく潤していた。


ふたたびアコギとエレピの演奏に乗せて、太田彩華は胸に内に閉まっていた思いを切々と零すように、優しい声で『スノーグローブ』を歌っていた。この曲でもメンバーたちの温かいハーモニーが心に淡い雪を降らしていった。心地好い手拍子と、メンバーらのかけ声も力に、太田彩華は少しだけ歌声に力と込み上げる思いを乗せて、『哀秋に詠う』を歌っていた。心地好く弾むドラムのビート。それが次第に躍動するのに合わせて届けたのが、『言ノ葉ニ咲ク』。このブロックでは、四季折々の季節感や、淡い情景を思い浮かべる曲たちを並べてきたのが嬉しかった。胸にジンと染みる曲たちの美味しいところを取り出しては、次々と頬張り続けていく気分で、ここまでの流れを味わっていた。メドレーコーナーの最後を彩ったのが、またここから新たな旅を描こうと歌う『ツアーは続く』。ほんと、ずっと胸を温かく潤す曲たちが、このコーナーでは鳴り響いていた。

『ツアーは続く』の音楽を背景に映し出されたのは、6年間の歩みをダイジェストで、ライブ姿を中心に、時を重ねるように綴った映像の数々。太田家と出会った年月が何時であれ、映し出される様々な映像の数々へその人なりの思いを重ね合わせ、エモい気持ちに染まりながら見入っていた。


次のブロックは、太田たけちゃんの雷鳴のような音を次々と高速で叩きつけるドラムソロからスタート。その演奏を受けて、太田エリカ様(ERIKA/Guitar)が野太い音でギターを弾きだした。このコーナーで届けたのが、メドレー化した太田エリカ様のギターインスト曲たち。


荒ぶるギターソロが炸裂。その音を合図に、軽快に駆ける演奏に乗せ『Sky 雲外蒼天』が飛びだした。エッジ鋭くも熱を抱いたハードロックな演奏と、触れた人たちを天へと吹き上げるような爽快な演奏が響き渡る。そこから間髪入れずに『HIGHER GROUND』へシフト、太田エリカ様は軽やかに羽ばたくようなギターの旋律に乗せて、この場にいる人たちと共に天空を飛び交っていた。そのうえで、『to the FUTURE』へと流れる展開が、めちゃめちゃエモい。フロアにいる人たちも突き上げる拳を翼にして、太田エリカ様の軽快な演奏を羽ばたく力にしながら、気持ちを舞い上がらせていた。

その勢いにさらに拍車をかけるように、太田家は『星明かりのメロディ』を演奏。エモくメロディアスな太田彩華の歌をリードに、他のメンバーや観客たちが歌声を重ね合わせ、この場に甘く、でも熱を抱いたエモーショナルな景色を描きだしていった。みんなで一緒に「Oh!Oh!Oh!」と歌いたい。太田彩華の歌う声と掛け合いながら、熱くエモい気持ちに心を染め上げていたい。この日のライブを通し、改めて太田家のライブは、観客たちの声と拳も重なりあって完成するんだと実感していた。だからこの夜は、叫ばずにいられなかった。
景色を塗り変えるように太田家が次に届けたのが、『無糖』。囁くような太田彩華の歌声が、楽曲が疾走さと熱を増すのに合わせて、どんどんエモーショナルに染めあがる。揺れ動く感情の温度に合わせて歌声や演奏も巧みに表情や温度を変えてゆく。好きという感情の揺れが有り有りと伝わる、繊細ながらも胸を熱くする楽曲こそエモーショナルな歌と言いたい。
冒頭から場内中に響いた「Wow Wo Wow」の熱い声。スケール大きなドラマを描くように『沈黙と歓声の間』の演奏がスタート。胸の内に抱いた熱情した思いへ少しずつ熱を加えて吐き出すように歌う太田彩華の歌声が、胸にジンと染み渡る。だから、その歌声と演奏に向けて「Wow Wo Wow」と拳を突き上げ、歌わずにいられなかった。最後の最後まで響き渡った「Wow Wo Wow」の声は胸に熱かった。

ライブも終盤戦へ。ここで届けたのが、この日にワンマンに向けて作りあげた新曲であり、群馬県太田市を拠点に活動をしているバスケットボールチームの群馬クレインサンダーズの応援歌『鶴雷』。太田彩華の弾く跳ねたベースの音は、まるでコートの上でボールが跳ねる音のようだ。スリリングでスピード感のある楽曲も、凛々しい表情で試合に挑み、戦い続けてゆく様にも見えていた。まるでバスケットボールの試合をリアルに体感しているように。それこそ、勢いよくダンクシュートを決めるように、フロア中の人たちが手を高く上げて飛び跳ねていた。とてもスリリングなのに、感情をアグレッシブにしてゆく楽曲だ。さぁ、このまま一緒に熱い音のダンクシュートを決め続けてくれ!!!! そのスリリングさへ、さらにソリッドな衝撃を描き加えるように太田家は『赤赤』をブースト。心地好い緊張感を覚えながらも、気持ちが熱く滾らずにいられない。フロアにいる人たちも身体を激しく揺らし、4人と一緒に、この場を赤々と熱情したワイルドな景色に染め上げていた。
MCでは、「6年間で自分が大事にすべきものや、やるべきことを見つけた」「失いたくない、手放したくないもの」についてなど、太田彩華が、改めて6周年を迎えたことへの感謝の思いと、いろんな感情を持って駆け抜けてきた日々を振り返っての心の言葉を述べていた。

ライブも最後のブロックへ。自らへ熱いエールを送るように。そして、ここにいる人生の主役として生きている仲間たち一人一人にもエールを送るように、太田彩華は『シュプレヒコールが眠らない』を熱情した声で歌っていた。ほとばしる熱い思いを3人が力強くも熱情した演奏とコーラスで支え、それぞれの人生を華やかに彩るに相応しい旋律の数々を届けていた。人生が1枚の長い楽譜だとしたら、この歌は、大人になった人の人生へ新たに彩りを与える、そんな始まりの情熱を描きだしてゆく楽章だ。そう、眩しい青春の日々が、ここから始まるんだと告げるように。

最後に太田家は『名もなき少年の 名もなき青春』を歌い、この場にいる大勢の仲間たちと共に、けっして終わることのない青春の旅を続けていた。どんな人だって、気持ちを熱く奮い立てれば、その人らしい印象深い物語を描きだせる。そんな一人一人の人生に送る応援歌のように『名もなき少年の 名もなき青春』が響き渡れば、一人一人が高く突き上げた拳をペンにし、熱情した声のインクを用いて、その人だからこそ記せる青春物語を、自らの心のノートに、力強い筆力で色濃く綴っていた。

アンコールの最初に、もう一つの新曲であり、太田彩華が生まれ育った故郷の加古川市へ思いを馳せ、地元で行われている「カコフェス」に出たい思いも乗せて作り上げた『加古川ラプソディ』を演奏。この曲、とにかくBPMが速い、「ライブで騒ぎ倒せ!!」と言わんばかりの楽曲だ。太田たけちゃんの高速ツービートの上で、太田彩華が早口でエモい思いを次々とぶつけてゆく。みんな初見にも関わらず、フロアのあちこちで拳が高く高速で突き上がっていた。


この勢いをさらに加速し、この空間に眩しい輝きを降り注ぐように『光れ』を演奏。エモくてパンキッシュ/ビートの効いた楽曲の連打にフロア中の人たちも興奮しっぱなしだ。さぁ、この曲でも全身全霊をぶつけ、4人と一緒に熱狂のドリーマーへと自らを染め上げよう。「光れ」という言葉へ惹かれるように、フロア中にたくさんの拳が高く高く突き上がっていた。


太田家のライブの最後と言えば、やはりこの曲だ。『愛とアストロノミア』のイントロが流れ、太田たけちゃんを筆頭にメンバーらが熱い声を張り上げるのに合わせて、フロア中の人たちも理性のストッパーを壊し、沸き立つ熱情した気持ちを奮い立て、「Oh!Oh!Oh!」と力強く声を張り上げ、拳を唸らせていた。場内中から上がる「Oi!Oi!Oi!」や「Oh!Oh!Oh!」の声もエナジーに変え、太田家は熱狂へ、さらに熱狂と熱情を重ね、この場に、命を燃やし尽くす勢いを持ったビッグバンした景色を作りあげていった。
さぁ、7年目へと力強く踏み出した太田家のこれらの道のりも、一緒に華やかに彩ろうか。
TEXT:長澤智典
《SET LIST》
- 1.太田家
- 2.夏影方程式
- 3.君と世界制服
- 4.ストラトシャウト
- 5.限界HERO
- 6.鋼
- 7.メドレー(1)
- クソゲーって言うな!
- じゃぱにーず・いでぃおっと
- 咖喱
- 夏のイカれ野郎
- 8.メドレー(2)
- 夢の散歩者
- イデア
- 四季とカスミソウ
- スノーグローブ
- 哀秋に詠う
- 言ノ葉ニ咲ク
- ツアーは続く
- 9.Drソロ&Gtソロコーナー
- 10.Gtソロメドレー
- Sky-雲外蒼天-
- HIGHER GROUND
- to the FUTURE
- 11.星明かりのメロディ
- 12.無糖
- 13.沈黙と歓声の間
- 14.鶴雷
- 15.赤赤
- 16.シュプレヒコールが眠らない
- 17.名もなき少年の 名もなき青春
- -ENCORE-
- EN1.加古川ラプソディ
- EN2.光れ
- EN3.愛とアストロノミア
太田家
「バンブービレッジフェスティバル2025 〜竹村忠臣45歳バースデーライブ〜」
「バンブービレッジフェスティバル2025 〜竹村忠臣45歳バースデーライブ〜」
7月25日(金)
開場 18:30 / 開演 19:00
[会場]渋谷REX
https://ruido.org/rex/access.html
[出演]つるの剛士とシーキャンドルズ / 太田家 / MilliTake
[チケット]
前売 ¥5,500(ドリンク代別) / 当日 ¥6,000
https://r.funity.jp/bamboo-village-festival-2025-i
太田家主催LIVE「合戦Vol.4 たけちゃんバースデーで仮面をつけてレッドゾーン」
太田家主催LIVE「合戦Vol.4 たけちゃんバースデーで仮面をつけてレッドゾーン」
7月26日(土)
開場16:30/開演17:00
[会場]横浜ReNYβ
https://ruido.org/yokohama_reny/access.html
[出演]ニューロティカ/仮面女子/太田家
[チケット]
前売¥4,000 /当日¥4,500 (ドリンク代別)
https://r.funity.jp/otayalive_vol4
太田家3rdフルアルバム「あいことば」

5周年を迎えた太田家の魅力を詰め込んだ1枚!
[収録楽曲]
・夏影方程式
・君と世界征服
・言ノ葉ニ咲ク
・ストラトシャウト
・ERIKA様インスト
・パンクソーラン
・咖喱
・鋼
・沈黙と歓声の間
・ハナミズキ2
・限界ヒーロー
・新曲
配信はこちら
https://linkco.re/PeGd6GEp