アルバム『DIRECT WORD』インタビュー

―今回のニューアルバム『DIRECT WORD』について、色々な雑誌等のインタビューで答えている内容とは被らないような少しマニアックな視点でお話を伺えればと思います。

1曲目の『Beginning』はCD版で収録されたオープニングSE楽曲で重厚なギターサウンドが特徴ですが、これはまだライブ等では登場していない7弦ギターを使ったのでしょうか?

DAITA(以下D):これは7弦ではなく、ダウンチューニングで弾いていますね。バッキングトラックも全て6弦のギターをチューニングを落として弾きました。

―続いて『Fingeroid』は久しぶりに登場したTom Andersonのシンクロブリッジにピエゾを搭載したモデルを使用したとお聞きしました。そのギターを選んだ理由はなんだったのでしょうか?

D:今までタッピング曲はメイプル指板のギターの音色をメインで弾いていたんですけど、それとは違うサウンドのタッピング曲というのを意識していました。過去にタッピングの音色が良かったと思ったギターを色々試していたら、フロイドローズタイプじゃないギターの方が歯切れよく、サウンドもコントロールしやすかったので、それをベーシックにレコーディングしていきました。

―サビのフレーズの入りもすこしだけ食い気味なところが疾走感を感じました。これは実際どのくらいズラして弾いているのでしょうか?

D:どうでしょうねぇ…1ミリセック(編注:1ミリ秒=1秒の1000分の1)くらいですかね。実際のテーマはフレーズの入りに32分のフレーズが入っていて、それが疾走感だったり食い気味に聞こえているのかもしれないですね。

―アルバムタイトルになっている『Direct Word』。今までの自分だったら絶対に弾かないという曲を“DAITA is buck”ということで、以前に作った『真実と闘争』という楽曲を意識して製作されたようですが、具体的にはどのようなイメージだったのでしょうか?

D:基本的にデビューした当時の曲は、本来自分が持っていた若い時の衝動で作っていたので、その世界観を純粋に反映していたと感じています。そういう思いが『真実と闘争』にも入ってたりしたので、ファンの方も気に入ってよく聴いてくれているんだと思います。実際にそういう声を聞くようになって、みんなはそれを望んでいるんだなと。あまり昔を振り返りたくなかったり、そういうプレイは昔に戻っちゃうような感じに捉えられるのは嫌だなとも思っていたんですよね。でも、そういう楽曲が好きな人が多いと気付いて、本来の自分として、今の自分だったらやってもいいかなと思って作りました。そしたら今の自分の核になるプレイが出せている曲が作れたんじゃないでしょうか。

―何度もリテイクしたと伺いましたが、最終的にリードを弾いたのはPRSとのことでした。このギターを選んだ理由はなんだったのでしょうか?

D:やっぱり歌心を表現するのにPU(ピックアップ)が拾う荒さというものが良かったですね。綺麗にまとまってくれるPUだとスル~って聞き流せちゃう綺麗なメロディーにしか聞こえないんですけど、歌声の表情と同じで、荒さがあった方が歌っぽさを表現できるのでPRSを使用しました。

それ以前に弾いていたギターは何を使っていたのでしょうか?

D:G-PhoenixとTom Andersonのボラボラ、あとはDSGも使いました。 PRSも含め4本ともリードを弾いて試したんですが、その時にメロディーがどういう印象で聴こえるかっていうのを比べていました。

―個人的にはバッキングの重めでスッキリとしたサウンドも好みでした。

D:バッキングは実は『Fingeroid』でも使ったTom Andersonで録っているんですよ。バッキングに関してはデモの印象が良かったのでアンプを使わずにAmpliTube 4(編注:IK Multimediaからリリースされているギターアンプシミュレーターソフト)を使っています。生のアンプを使わないレコーディングは初めての試みだったので、新鮮さも感じられると思います。

―『Jindai』はアルバムを作るきっかけとなった曲とのことでしたが、どのようなタイミングで生まれた楽曲なのでしょうか?

D:(前作のアルバム)『Melodicfall』を作っている時にモチーフを叩き上げていって、5~7番目くらいのアイディアにあった曲なんです。

元々はエレキギターのリードが乗るような曲としては捉えていなくて、リズミカルでオリエンタルなイメージでした。ギターを乗せようってなった時に、今回のアルバムに入れられるかな?と思って最初にレコーディングした楽曲です。ギターはDSG PremiumのBora Bora Ocean Blueで録っています。

―ここからは以前のライブでも演奏していて、音源化されていなかった楽曲が続きますね。『Red Wings』は最初にライブで披露したのが2013年の「Universal Tone」、そこからライブで何度か演奏し完成していったと思います。最後にライブで演奏したのが2018年の「WHITE HOLE」で、その時に比べるとストリングスのアレンジがかなり目立っていますが、どうやってここに行き着いたのでしょうか?

D:元々はギターとベースとドラムとシンプルなインスト曲として作っていたんですけど、『EUPHONY』(2003年リリース)からスタートしたソロアルバムの歴史があるので、クラシカルな要素は外せないと思っていました。壮大な形にしたかったのでオーケストラは必須で考えていて、ようやく自分が求めるロックと合う管楽器やストリングスを構築できる音が出せる準備が整ったのでレコーディングしました。

―『Ancient Moon』は怪しげなシンセのループと密度があるフロントの伸びやかな音が相性よく感じます。ピッキングのアタック音や、サスティーンのクリア感からG-Phoenix Customで弾いているなと確信していました。この曲も最後に演奏したのが「WHITE HOLE」でしたが、そこまで大きく世界観などがアレンジされていた感じはありませんでした。最初から完成された曲が更に煮詰まったという印象ですが、実際はどうなのでしょうか?

D:ギターはその通りG-Phoenix CustomのDeep Royal Blue Turquoiseで弾きました。

ライブから変化が大きかったのはストリングスの豪華さですね。ギターもトーンの緻密さというのが1番変わっています。フィーリングやタッチ等、ライブで演奏した当時よりも表現の仕方を追求しました。

フロントでリードを弾く時のサウンドメイキングのこだわりなどがあれば教えていただきたいです。

D:耳馴染みのいいウォームなサウンドとフロント特有のカリッと引っかかる音のバランスですね。ピッキングの入れ方でウォームとエッジ感の両方をコントロールできるような音色を作っています。今回はBognerのヘッドにG-Life Guitars Gemini Boosterで作った音がフレーズにハマりました。

―続いては『Spinning』ですが、こちらもCD版でのみ収録のSE楽曲で『Ancient Moon』からの流れを感じる曲でした。ブラッシングの音や、後ろで流れているシンセもサウンドバランスにこだわりを感じました。

D:この作品の発想は以前、楽曲を提供した体操の村上 茉愛ちゃんに提案したいくつかの曲の中の1曲なんです。そこから自分の楽曲に置き換えていったという面白い発想で完成した曲です。

これはアンプを使わずにプラグインで録ってデジタリック感をあえて出した作品になっています。このアルバムでは今までこだわっていたアンプで全部録るというのをちょっと解釈を変えて、曲にあったサウンドで録るということをやっています。ライブでは当然使わないけど、サウンド的に良かったらプラグインもありだぞというのを確認するために実験的でもありました。

逆にライブでは生のアンプになった時の違いも楽しめる楽曲で、アルバムとしての中の1曲というエッセンスとして良いものが作れたと思います。

―『Exotic Soul』も「WHITE HOLE」ライブでの披露が最後に聴いた楽曲でした。リードはアームダウンを主体としたメロディでしたがギターは何を使ったのでしょうか?

D:これはG-Phoenix Customなんですが、メタリックカラーのStardust Blue Moonで録りました。アンプはMESA BOOGIEのTriaxisです。

バッキングのワウも同じギターでしょうか?

D:バッキングはTom Andersonですね。エフェクトのノリの良さだったり、リードの音とのバランスで使い分けて、アンプはMarshallで録ってます。

個人的にはベースラインが好きで、ギターのメロディとは正反対の疾走感のあるノリをメインに聞いてしまいます。

D:わかってますねぇ~!これはこだわって作ったんですよ。ベースは大神田(智彦)君が弾いてるようなイメージで、ドラムは佐野(康夫)さんが叩いてるようなイメージで作り込みました。長年一緒にやってきたプレーヤーだったのでイメージはしやすくて、自分の中でのこの二人がプレイしたらこういう感じになるかな…と思いながら作りました。

実際に見たアイスランドの滝がテーマの『Goðafoss』は自然を思い浮かべるような静かで壮大なロングトーンから、巨大な存在を思わせるゴジラのテーマ的なリズムが特徴的でした。イントロはどのようなイメージとアプローチだったのでしょうか?

D:最初のロングトーンはE Bowで弾いているんです。これはアイスランドに行った時にホテルで録ったフレーズをリアンプして収録しているんですよ。当時に現地で見た風景を音にしていく作業をしていたのですが、その時にしか録れなかったものを散りばめているアルバムでもあります。

『Ancient Moon』もアメリカで録った時のままだし、このアルバムの為に1から全て作ったという訳では無いんですよね。

―『Lucifer D -Limited Edition-』はサウンドキャラクターとフレーズの展開が多くDSG じゃないと弾けないとお聞きした楽曲です。

D:そうなんです(笑)今はめちゃめちゃDSGで弾きつつ、メインとサブシステム共にライブ用の音を作り込んでる最中ですね。

―今回のアルバムには入らない予定だった楽曲とのことでしたが、どういった経緯で収録されることになったのでしょうか?

D:当初の予定だった9曲が完成したタイミングでたまたま『Lucifer D』をアルバムに入れてほしいというメッセージをもらったんです。ゲームで提供した曲だったから許可が必要だったので、出せるならやりたいなということで確認したら再収録して出してもいいという返事が返ってきたんです。

ギターもリテイクして、ストリングスのアレンジも加えたり、サウンドも全て変えて録りました。

―サウンドに関してはオリジナルよりもエッジが効いていて、生っぽさが強く出ている印象を受けました。オリジナルと変えた点はどのようなところがあるのでしょうか?

D:前回はBognerのアンプだったんですが、今回はマーシャルでレコーディングしたのが大きな違いですね。

あとは生のプレーヤーが叩いたドラムと、新しく録り直したドラムはタイミングが違うのでその辺りも新しいリズムに合わせて弾いています。アーミングのニュアンスも変わっているので結構テイストは変わって聞こえますよ。

―「WHITE HOLE」の時にはG-Phoenix Customで無理やり弾いたことがありましたが、実はその時の音が太くてすごく良かった印象がありました。それがまた聞けないかなとも思っているのですが…

D:最初に話した現在音作り中というのが、その感じをDSG で再現する為なのでご期待ください(笑)

―最後にアルバム全体を通して伝えたいことや、メッセージがあればお聞かせください。

D:今回のアルバムはDirectシリーズとしては10年経ちますけど、その間に培ってきた新しい技術、テクノロジーや色んな勉強してきた成果が詰まっている“歴史アルバム”になっています。

本当の意味でアルバムと言えるように、過去から積み上げてきた歴史のようなものを更に深掘った形で伝えたいというメッセージを込めました。これを聞けば100%とは言えないかもしれませんが、自分のギタースタイルを感じ取ってもらえる気がします。特にテクニックだったり、楽曲に対するアプローチを含めて「D-ROCK」というものを1発で理解してもらえるアルバムになったと思います。

これを新しい世代が聴き、継承してギター界やロック界を盛り上げっていってもらいたいなという気持ちです。是非聴いてください。

インタビュー:河本亘介

DAITA

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DAITA is back!!
フロンティア・スピリットでギター・インストゥルメンタルの新境地を切り開く!

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