1stアルバムの頃のNothing’s Carved In Stoneは、破壊的な衝動を抱いた楽曲よりも、気持ちの内側から沸き立つ感情を具現化してゆく音楽スタイルが中心。続く『Words That Bind Us』でも、熱を孕みながらも寸止めした感覚を与える演奏に騒ぎたい衝動を覚えながらも、身体中からジワジワと沸き立つ熱を心の中で高め続けている自分がいた。

Vo.&Gt.村松拓

アルバムの全曲再現も終盤へ。浮遊した音の上で、抑えた感情から次第に熱を持った気持ちへ開放するように村松拓が『Sleepless Youth』を歌っていた。当時の彼らが魅力にもしていた、気持ちの内側に溜め込んだ想いを少しずつ染み渡らせてゆく感覚が心地好い。この日は唯一この曲でのみ使用された村松拓のテレキャスターと、『Silent Shades』に続いて登場した生形真一のファイヤーバードというシングルコイルピックアップを搭載したギター2本での風通しの良いアンサンブルも心をすんなりと解きほぐしてくれるようだ。

大喜多崇規と日向秀和による鉄壁なリズム隊が繰り出すグルーヴの上で、生形真一のギターがフリーキーなフレーズを塗り重ねてゆく。インストナンバー『Tribal Session』が、意識を心地好くトリップさせる。生形真一と村松拓のギターが対極を成す音の様を見せてゆくからこそ、この曲がアブストラクトな表情も生み出してゆく。そこへ巻き込まれてゆくことで、気持ちが恍惚へと変わっていく。

1stアルバム『PARALLEL LIVES』の最後を飾った『End』では、スリリングかつテンションの高いオルタナティブでグルーヴィな歌声と演奏を投影。大きな唸りとウネリの中へ観客たちを巻き込みながら、Nothing’s Carved In Stoneは内なる衝動を爆発させながら、心地好く上がり続けていった。

Nothing’s Carved In Stoneは、ふたたび最近のモードへ引き寄せたライブにシフトしてゆく。とてもエモーショナルな、でも雄大な景観を描き出す『Gravity』の登場だ。ダイナミックなサウンドと高揚した歌声が身体中から熱を引き出し、高揚をしたグルーヴで酩酊させてゆく。その演奏に刺激を受けた観客たちが、興奮や高揚という熱へ浮かされるままに踊っていた。

生形真一のギターがハウリングするのを合図に、Nothing’s Carved In Stone流の荒ぶるダンスロックナンバー『Out of Control』が飛びだした。ソリッドかつスリリング、重厚なのにとても躍動した極上の攻めた音の上で、村松拓が沸き立つ気持ちのまま熱く歌い上げる。会場中の人たちも攻撃的な音へ刺激を受けつつ、村松拓のエモーショナルな歌声に痺れながら、それまで抱え込んでいた熱を思いきり解き放ちながら騒ぎだす。さぁ、ここからもっともっと興奮と熱狂のドラマを見せてくれ!!

ギターを置き、ハンドマイク姿になった村松拓。その姿が示すように、Nothing’s Carved In Stoneは荒ぶる衝動を満載した激情/劇場型高揚ナンバー『In Future』を突きつけ、観客たちの身体をオルタナティブかつヘヴィロックな衝撃で揺さぶり続けていった。ここでは生形真一のギブソン エクスプローラーも登場。スケール大きな音のドラマに、意識がどんどんイレースされてゆく。

村松拓は、ふたたびギターを携えた。「今だけ何もかも忘れて一つになりませんか」。その言葉に続いて演奏したのが『きらめきの花』。ソリッドかつワイルドな演奏の上で、胸を揺さぶる印象深い歌を村松拓が響かせる。彼が大きく振った手の動きに合わせ、フロア中の人たちを大きく手を振りながら、沸き立つ想いを4人へ全力でぶつけていた。フロア中で大きく揺れる手の波の光景は、圧巻だ。

最後にNothing’s Carved In Stoneは、この日のライブタイトルにも冠された『Beginning』を披露。ダウナーな演奏とメロディックかつエモーショナルな歌を重ね合わせながら、会場を熱した空気で包み込んでいった。さぁ、感じるままに身体を揺らし、大きく手を振り続けろ。自分を開放してこそライブ。そんなあなたの自由の鍵を回してくれたのが、この日のNothing’s Carved In Stoneだ。

熱狂止まない観客たち。ふたたび舞台に姿を現したメンバーたちは、最後に跳ねた演奏も心地好い『Dream in the Dark』を届け、フロア中に生まれた熱をふたたび身体や心に深く染み込ませながら、満面の笑顔の花を会場中に咲かせながらライブの幕を閉じていった。 Nothing’s Carved In Stoneは、3月17日にデジタルシングル『Wonderer』を発売。同作品を手に、3月より全国ツアーをスタートする。この熱狂を、今度は各地で味わってくれ。

PHOTO:RYOTARO KAWASHIMA
TEXT:長澤智典

《SET LIST》
  1. 1.Blow It Up
  2. 2.Like a Shooting Star
  3. 3.Spirit Inspiration
  4. 4.Isolation
  5. 5.Silent Shades
  6. 6.Same Circle
  7. 7.November 15th
  8. 8.Hand In Hand
  9. 9.Moving In Slow-Motion
  10. 10.Diachronic
  11. 11.Thermograffiti
  12. 12.New Day
  13. 13.Words That Bind Us
  14. 14.Sleepless Youth
  15. 15.Tribal Session
  16. 16.End
  17. 17.Gravity
  18. 18.Out of Control
  19. 19.In Future
  20. 20.きらめきの花
  21. 21.Beginning
  22. EN.Dream in the Dark
Nothing’s Carved In Stone

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“BRIGHTNESS TOUR” 開催!

全15公演を回るワンマンツアー “BRIGHTNESS TOUR”
5/19(日)YOKOHAMA Bay Hall
5/25(土)高松MONSTER
5/26(日)松山WstudioRED
6/1(土)福岡DRUM LOGOS
6/2(日)長崎DRUM Be-7
6/8(土)米子laughs
6/9(日)岡山CRAZYMAMA KINGDOM
6/15(土)名古屋DIAMOND HALL
6/16(日)甲府CONVICTION
6/22(土)長野CLUB JUNK BOX
6/23(日)金沢EIGHT HALL
6/28(金)札幌PENNY LANE24
6/30(日)仙台Rensa
7/13(土)GORILLA HALL OSAKA
7/15(月祝)Zepp DiverCity(TOKYO)

4/13(土)10:00~各プレイガイドにてチケット一般発売がスタート!

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