ヘヴィメタル/ハードロックの名曲をカバーしたガールズメタルプロジェクト、Heavy Metal Princess Academy始動!!

総合プロデューサーをEARTHSHAKERの西田”Marcy”昌史が担当。ガールズメタルシーンを牽引し続けてきたメンバーたちと、これからのガールズメタルシーンを担う若手ヴォーカリストたちが集結。誕生したのが、Heavy Metal Princess Academy。

メンバーは、MARI(Drums/Mary’s Blood)、YUI(Guitar/CYNTIA)、SAWA(Bass/ALDIOUS)、KEYKA(Vo)、HINA(Vo)、CHIO(Vo)。サポートメンバーに、Kanon Inazuki(Guitar)を迎え、彼女たちが「Heavy Metal Princess Academy 1st Recital」と題して、5月16日に赤羽ReNY alphaで単独公演を行った。この日は洋邦問わず、新旧さまざまなヘヴィメタルナンバーをカバー演奏で届けてくれた。

シンフォニックなSEに乗せて、ステージの上に姿を現したのが、MARI、SAWA、YUI、Kanonの演奏陣。おもむろに楽器を手に取った彼女たちが奏でたのが…。

オープニングを飾ったのが、YUI・SAWA・MARIに加えてKanonという編成によるMichael Schenker Groupの『Captain Nemo』の演奏。その音色に触れた瞬間から、魂が、あの頃の自分に瞬時に戻った人たちも多かったのでは。お馴染みのギターリフが流れた途端、身体中をいきなり沸騰した血が駆け巡りだした。しなるタイトな音を繰り出すMARI、SAWAのベースが唸りを上げて地を這うように駆け回れば、YUIのギターが印象深いフレーズを奏でる。そこへKanonのギターもユニゾンで重なり、フレーズを華やがせる。ソロをあえてユニゾンで届けることで、よりドラマ性が増していく。それは、以降に演奏をした曲たちにも言えたこと。ミドルメロウに展開したときの、スケール大きなYUIのギターフレーズに気持ちが嬉しく揺さぶられた。

ステージに姿を現したヴォーカリストのHINAが観客たちを煽るのを合図に飛びだしたのが、Angraの『NOVA ERA』だ。この曲では、CHIOとKEYKAもコーラスで参加。お立ち台の上に立って雄々しき声を上げて歌うHINAの雄大な声が感情を熱く揺さぶる。HINAを筆頭としたヴォーカル陣がおおらかに歌い上げる中、楽器陣は終始攻撃的なリフを次々と繰り出し、3人の歌姫たちの背中をしっかりと蹴り上げていた。激烈なリフを、頭を振り乱しながら演奏をする楽器陣。その姿を真似てヴォーカル陣もヘドバンを行えば、サビでは3人が声を一つに重ね合わせて朗々と歌い上げていた。どの曲でもそうだが、ソロヴォーカルの曲を3人で巧みに歌い分け、ハモリを入れて厚みや華やかさを与えることで、その楽曲が、より華やぐ印象を与えていく。そこがトリプルヴォーカル編成で届けることの魅力や強みであり、醍醐味だ。

CHIO(Vocal)

飛びだしたのが、Skid Rowの『Youth Gone Wild』だ。この曲では、メインヴォーカルを担ったCHIOが突き刺すような野太い歌声を響かせれば、HINAとKEYKAがハイトーンの声で、ざらついたCHIOの歌に彩りを与えていた。男性ヴォーカル曲をCHIOが歌うことで、そこからは、本能を剥き出しに煽る、野生味あふれるワイルドな歌い手としての姿が見えてきた。CHIOの雄々しき歌声を軸に据え、そこへHINAとKEYKAも雄々しい声を重ねていく。CHIOと2人の歌姫とのやりとりも、胸を熱くした。

先のエンディングから繋げつつも、巧みに表情を塗り変えるようにDeep Purpleの『Burn』へと続く流れが気持ちを滾らせた。この曲では、芯の太いハイトーン・ヴォイスが魅力のKEYKAがメインヴォーカルを担当。そこへ重なるHINAとCHIOのコーラスが、華やかな彩りを与えていた。歌い手が3人いることで、耳に馴染んだ歌が、美しくも芯の太いハーモニーになって響いてきたのが嬉しい。この曲では、YUIとKanonが寄り添いながらソロのフレーズをツインでハモるなど、この編成だからこそ味わえる醍醐味として、曲の中でもとくに強調して響かせたいところを、より強く、華やかなインパクトを与えて届けてくれた。3人が声を重ねて「BURN」と歌い上げた声のハーモニーも、大きな存在感を放っていた。

MCでは、3人のヴォーカリストが、少し乙女らしい素振りも見せながらメンバー紹介をしていた。

YUI(Guitar)

ここからは、Heavy Metal Princess Academyの演奏陣が所属していたバンドの楽曲をカバーしてくれた。最初に届けたのが、CHIOがメインヴォーカルを担い、コーラスをHINAとKEYKAが担当したMary’s Bloodの『Marionette』。楽器陣のファンも多く詰めかけていたのだろう、攻撃的なリフを高速で繰り出すたびに、フロアでも頭を揺さぶり、曲の世界へ没入していく人たちがあちこちにいた。CHIOの芯の太い歌声が、殴るように攻めてきた。そこへ重なる2人のキーの高い歌声が、CHIOの歌声をより尖らせる。荒れ狂うMARIのドラムの上で、YUIとKanonのギターが美しいメロディーをハモり、響かせる姿が、胸を熱く揺さぶった。この曲では、攻撃的な演奏の上で、突き刺すように荒ぶる声で観客たちを刺激していったCHIOの歌声を堪能できた。

次に飛び出したのが、KEYKAがメインヴォーカルを担い、HINAとCHIOがコーラスを担当した、Aldiousの『Spirit Black』だ。インパクトの強いハイトーン・ヴォイスを生かし、気高き姿と声で雄々しく歌い上げるKEYKAと、そこに絡みあうHINAとCHIOの歌声。次々と転調や展開を描きながら爆走する楽曲が、身体を激しく揺さぶり続ける。攻撃的な牙を剥き出しつつも、トリッキーかつドラマチックな展開を見せる楽曲の上で、KEYKAを中心とした歌姫たちが、楽曲へ彩りを与えようと奮闘する姿が印象的だった。ソロを弾くYUIにKEYKAがさりげなく寄り添う姿も、嬉しい見どころだ。KEYKAを中心にしつつも、3人で楽曲に彩りを与え、華やかにしていく姿が印象的だ。

HINA(Vocal)

続いては、HINAをメインヴォーカルに据え、CHIOとKEYKAがコーラスを担ったCYNTIAの『Run to the Future』だ。身体を激しく揺さぶる攻撃的なリフを高速で繰り出す演奏の上で、この曲でもHINAをメインに据えながら、CHIOとKEYKAもHINAの歌声へ常に寄り添い、3人の歌声でドラマを描くことで、楽曲に深みと魅力を与えていた。原曲を生かしながらも、トリプルヴォーカルやツインギターという編成だからこそ出来る彩りを加え、しっかりとHeavy Metal Princess Academyとしての独自性を入れ込んでいく。この曲の間奏では、YUIにSAWAが寄り添う姿も見せていた。リフに合わせて頭を振りながら演奏をする楽器陣。3人の歌姫も拳を高く振り上げ、気持ちを奮い立て、高ぶる思いを歌声にしてぶつけていた。

MARI(Drums)

ダーク&ホラーなムードが漂うシンフォニックな音色を背景に据え、ツーバスの攻撃的なビートを荒々しく突き刺すように、MARIがドラムソロを叩き出した。楽曲とシンクロしながらも、巧みに手数多く、リズミカルに。それこそ歌うように叩き出すことで、楽曲に荒々しくも豊かな表情をMARIは与えていった。ときに感情的なプレイを見せながらも、しっかりとドラマを構築していく、その卓越したプレイに観客たちが魅入り、ときに興奮の声を荒らげていた。

KEYKA(Vocal)

哀愁を帯びたギターの旋律が響き渡る。流れだしたのが、Heavy Metal Princess Academyの総合プロデューサーの西田”Marcy”昌史に敬意を表して奏でた、EARTHSHAKERの『MORE』だ。この曲では、KEYKAをメインヴォーカルに、HINAがコーラスでサポート。ハイトーン系の歌声を魅力にしているKEYKAらしく、ひと言ひと言に魂を込め、その言葉を自身の懐で噛みしめながら雄々しい声で、でも、しっかりと哀愁を帯びた声の色も加えて響かせる。その姿に、心が震えた。そこへHINAが綺麗にハモリを入れていく。歌謡色を持ったハードロックナンバーが、より鮮やかな色を増して目の前によみがえる。楽器陣のスリリングかつソリッドな演奏が、より心地よい緊張感を生み出していた。そのうえで艶気を帯びたKEYKAの歌声が響き渡り、HINAが彩りを添えていく。なんて艶めいた『MORE』だろう。その演奏よ、もっともっと鮮やかに咲き誇れ。

次にメインヴォーカルのバトンを手にしたCHIOが、観客たちを煽りたてる。飛びだしたのがX JAPANの『Silent Jealousy』だ。言葉のひと言ひと言を荒々しい声で突き刺すように、でも、CHIOは気高さを忘れずに歌う。その声へHINAが表情豊かな彩りを与えながら支えていた。この曲では、歌い手たちが楽器陣と寄り添いながら歌う場面を見せ、CHIOとHINAが歌声を掛け合い、重ね合う姿も見せていた。激しく攻撃的でドラマチックな展開を、息継ぐ間もなく次々と見せていく中へ、2人のギター陣のハモる演奏はもちろん、SAWAがヘドバンしながら高速で音を繰り出すベースプレイや、雷鳴のような音を轟かせるMARIのドラムの美技などを巧みに加え、心地よい緊張感とスリリングな興奮をずっと与え続けていた。高いキーで攻めるように歌うCHIOの声を味わえたのも、嬉しい発見だった。

SAWA(Bass)

ライブは、早くも後半戦へ。KEYKAをメインヴォーカルに、HINAをコーラスに迎えて歌ったのがHEARTの『Alone』。この日披露した洋楽カバー曲の中では、唯一の女性ヴォーカル曲だ。しかもバラードを持ってくることで、ヴォーカル陣の表現の器の深さも示していた。CHIOの声量あふれる、本当にパワフルな歌声と、彼女の歌声に美しい彩りをドラマチックに与えるHINA。この曲では、KEYKAを中心にしながらも、歌姫たちの表現力の魅力を存分に味わえた。同時に重量感を満載した楽器陣のインパクトの強いパワフルな演奏にもずっと魂が揺さぶられていた。むしろ、重厚で安定感のある演奏に背中を押されるからこそ、3人とも良い意味でリラックスしながら、あの声量あふれる声で心地よく歌い上げていたのだろう。

Kanon(Support Guitar)

MARIのドラムが、お馴染みのリズムを叩きだす。そこへYUIのクリーントーンのギターが重なる。メインヴォーカルを担ったCHIOが頭にバンダナを巻き、「Take me down to the Paradise City~」と歌いだした。Guns N’Rosesの『Paradise City』だ。この曲では、HINAとKEYKAがコーラスを担当。Kanonがサングラス姿で演奏を行う遊び心も見せていた。ワイルドでハード&ロックンロールな楽曲が炸裂するや、この曲では楽器陣とヴォーカル陣が横一列に並び、頭を振りながら歌い演奏する。CHIOが荒ぶる声を唸らせてオラオラと歌いあげる、そのワイルドな歌声と姿も嬉しいインパクトだ。この曲では楽器陣も、豪快なロックンロールナンバーをセッションするように楽しむ姿を見せていた。良い意味でラフな印象を与える演奏も、セッションライブらしい雰囲気に満ちていて気持ちいい。終盤、楽曲がテンポアップしていく中、メンバー同士が互いに顔を見合わせて歌い演奏をしていく姿からも、音を重ね合うことを楽しむ彼女たちの心の表情が伝わってきた。YUIのソロに絡みあうようにシャウトするCHIOとヴォーカル陣の姿も最強だった。

Kanonのギターが唸りをあげた。そこへ絡むYUIのギター。次に届けたのが、HINAをメインヴォーカルに、KEYKAとCHIOがコーラスを担ったMötley Crüeの『Kickstart My Heart』だ。立て続けにLAハード&ロックンロールナンバーを繰り出す展開が刺激的だ。ズクズクと身体を突き刺す攻撃的なギターリフがめちゃめちゃ心地よい。そのうえで自由の翼を手にしたHINAが、魂が騒ぐままに歌い上げる。ハイトーンのパートをKEYKAが担うなど、 歌声のバトンを巧みに交わし続ける様も印象的だ。タフでワイルドなロックンロールの衝撃に、気持ちが熱く煽られっぱなしだ。メンバーも観客たちも、感情のアクセルをずっとフルスロットルでかっ飛ばしていく。そんな気分だった。

最後に、ジャーマンメタルを持ってくる展開が、ワールドワイドなメタルナンバーをカバーするHeavy Metal Princess Academyらしさ。 その自由さこそが、彼女たちの魅力だ。届けたのが、Helloweenの『Eagle Fly Free』。この曲ではHINAがメインヴォーカルを担い、CHIOとKEYKAがコーラスを担当。楽器陣が、身体をザクザクと切り裂くような攻撃的なリフやビートを高速で叩きつけ、観客たちの身体を揺さぶり続ける。その上で、マイクスタンドを手にしたHINAをメインに、歌姫たちが雄々しい声を重ねて、美しくもスリリングなハーモニーも描き、演奏とシンクロしながら駆け続けていた。曲中にはギター陣のツインプレイや、SAWAとMARIのベース/ドラムソロも加えるなど、それぞれにしっかりと見せ場を作りながら、高ぶったテンションのまま、勢いを満載したままに駆け上がっていった。3人がお立ち台の上に立って歌う姿も、嬉しいインパクトだった。

アンコールで届けたのが、HINAをメインヴォーカルに、CHIOとKEYKAがコーラスを担ったEARTHSHAKERの『RADIO MAGIC』だ。とてもキャッチーな楽曲だけに、フロア中の人たちがメンバーと共にクラップをし、軽快に流れ出したメロディアスなハードロックナンバーに乗せて、HINAと一緒に口ずさみ、ときにサビを共に歌いながら、この曲をみんなで、気持ちを一つに作り上げていた。晴れ渡るHINAの歌声へCHIOとKEYKAが寄り添うことで、ハートフルでエモーショナルな楽曲が、さらに華やかさを増していく。曲中、CHIOとKEYKAが肩を組んで歌う場面も登場。中でも、一番嬉しい一体感を覚えたのが、「Wow Wo Wow RADIO MAGIC」とHINAと観客たちが歌声を交わしあう場面だ。YUIのドラマチックでエモいギターのメロディーも胸を嬉しくくすぐった。HINAが「RADIO MAGIC 流れるよ~」と歌う声に、「WONDER RADIO」と声をかけあい、心を一つにしていく。この日のライブを通して、改めてハードロック/ヘヴィメタルナンバーは、みんなで拳を振りあげ、頭を揺らし、声をかけあい、シンガロングしながら、一緒に曲を作り上げる楽しさに満ちていることを実感していた。

会場中の人たちも一緒に参加しながら、心を一つにしたエモい景色を作りあげる。その様を味わいながら、Heavy Metal Princess Academyの始まりのページに、一緒に熱い物語を綴れたのが嬉しかった。次のリサイタルは、11月8日の大阪RUIDO。そして、2027年1月10日の浅草花劇場だ。少し先だが、今から開催の日が楽しみだ。

TEXT:長澤智典

《SETLIST》
  1. 1.Captain Nemo(Michael Schenker Group)
  2. 2.NOVA ERA(Angra)
  3. 3.Youth Gone Wild(Skid Row)
  4. 4.Burn(Deep Purple)
  5. 5.Marionette(Mary’s Blood)
  6. 6.Spirit Black(Aldious)
  7. 7.Run to the Future(CYNTIA)
  8. -Drum Solo-
  9. 8.MORE(EARTHSHAKER)
  10. 9.Silent Jealousy(X JAPAN)
  11. 10.Alone(HEART)
  12. 11.Paradise City(Guns N’ Roses)
  13. 12.Kickstart My Heart(Mötley Crüe)
  14. 13.Eagle Fly Free(Helloween)
  15. -ENCORE-
  16. EN.RADIO MAGIC(EARTHSHAKER)

YUI(Guitar)使用楽器・機材紹介

Heavy Metal Princess Academy

2nd Recital OSAKA
2026年11月8日(日)OASKA RUIDO
OPEN 16:30 START 17:00
Adv ¥5,000  Door¥5,500 1drink order
TICKET 一般発売 10月4日(土)10:00-
YouTube メンバーシップ先行(チケットぴあ) 8月15日(土)10:00~8月23日(日)23:59
プレイガイド先行(チケットぴあ、イープラス)9月5日(土)10:00~9月20日(日)23:59
問い合わせ キョードーインフォメーション(0570-200-888、11:00~18:00)

3rd Recital TOKYO ASAKUSA
2027年1月10日(日) 東京浅草花劇場
OPEN 16:30 START 17:00
Adv ¥5,000  Door¥5,500 1drink order
TICKET 一般発売11月8日(土)10:00-
YouTube メンバーシップ先行(チケットぴあ) 9月19日(土)10:00~9月27日(日)23:59
プレイガイド先行(チケットぴあ、イープラス)10月10日(土)10:00~10月18日(日)23:59
問い合わせ hmp.academy0516@gmail.com

Heavy Metal Princess Academy
オフィシャルWeb  https://hmpa-official.com/
Instagram https://www.instagram.com/heavy_metal_princess_academy/
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