押尾コータローとDEPAPEPE(徳岡慶也&三浦拓也)によるアコギインストユニット、DEPAPEKOが2ndアルバム『PICK POP II 〜meets the WORLD〜』を引っさげて東名阪ツアーを実施。その初日となった東京国際フォーラム ホールC公演の模様をレポートする。

J-POPのヒット曲をカバーした1stアルバム『PICK POP! 〜J-Hits Acoustic Covers〜』の続編となる約6年半ぶりの新作は、邦楽に加えて洋楽やクラシックを取り上げるなど、ますます幅広いアプローチを展開。ライブにおいても、ジャンルを横断する世界観でオーディエンスを存分に魅了した。

オープニングSEが流れる中、大きな拍手に迎えられ、DEPAPEKOの3人が登場。ライブはTOTOの『I’ll Supply the Love』から爽やかに幕を開け、押尾オリジナル曲のセルフカバー『Landscape』もラテンの風味が漂っていたりと、テンポよく繰り出されるニューアルバムの収録曲に心が弾む。

ネイルアタック/パームストローク/スラムストロークを織り交ぜた独自のプレイで引っぱる押尾がセンターに、メロディアスで情緒のあるフレーズを的確に盛り込む徳岡と三浦が両サイドに立つ。横一列に並びアコースティックギターを奏でる3人の繊細かつファンキーなアンサンブルによって、会場の空気が早速いい感じに解れていく。

はい、どうも。DEPAPEKOでーす!」と息を合わせて挨拶した3人は、ぎっしりと埋まった客席の光景を喜び、めでたくソールドアウトになったことを報告。毎年一緒にライブをしているものの、ツアーの開催はかなり久々で、とても嬉しそうに笑みをこぼす。

タイトルどおりに抜けるような青空をイメージさせたDEPAPEPEのセルフカバー『Sky!Sky!Sky!』、一転して気品たっぷりに送るベートーヴェンのクラシック曲『運命 -Variations of the Symphony No.5-』。響きをカラフルに使い分けながら、必要な音を補い合いながら、3人はなおも新譜のナンバーを快調に聴かせてくれる。アレンジの妙はライブだからこそ生々しく際立つ。

深夜にスタジオに集まって曲作りをした話、先のオープニングSEを押尾がこのツアーのために書き下ろした話など、MCはすごくアットホームな雰囲気なのもいい。今回のアルバムでさまざまな楽曲を取り上げた件に三浦が改めて触れ、「DEPAPEKO号という船に乗って、みなさんと世界中を旅してみたいです!」と呼びかけたあとは、3人でのオリジナル曲『meets the WORLD』『For You』を披露。

華麗なソロ、切ないユニゾン、美しいアルペジオ……全編を通じて言えることだが、“いったいどうやって鳴らしているんだ?”と思わず唸ってしまう、アコギ3本とは信じがたい表現力豊かな調べは、DEPAPEKOにしか使えない魔法のようで、音の厚みにもたびたび驚かされる。メロディアスとテクニカルの融合がとにかく素晴らしい。

中盤はよりアコギに置き換えにくい曲をチョイス。「青春時代に聴いた音楽をやりたい」という押尾の意向でカバーした、アース・ウインド&ファイアーのディスコクラシック『Let’s Groove』では、ステージ上部に輝くミラーボールのもと、3人とオーディエンスが左右にステップを踏んで踊る。そういえば、徳岡が大半の曲で立って弾いている姿は珍しい。Yellow Magic Orchestraの『RYDEEN』に繋げる80’sダンスヒッツな流れ、本家同様にベース、ドラム、キーボードの存在が感じられるダイナミズムも見事だ。

インストユニットであるにもかかわらず、曲入りから押尾が勢いよく歌い出すボケをかまし、徳岡と三浦が「ちょっと待って!」とツッコんで止めるというくだりを2回繰り返す。そんなコテコテの関西ノリで場を沸かせたのは、最新アルバムの中でも注目を浴びたYOASOBIの『アイドル』。

転調などギミックの多い『アイドル』をアコギで巧みに料理するDEPAPEKOの新解釈は鮮やかで、メロディのないラップパートを喋るように弾く押尾の奏法がとりわけ印象深い。3人が組むきっかけとなったPerfumeの『チョコレイト・ディスコ』を含め、王道のキャッチーなJ-POPを、またもや女性ボーカルが聴こえてくる質感でパフォーマンス。ポップスの要素を活かしてギターインストに馴染みのない人も惹き込むこの職人技こそ、まさに彼らの真骨頂と言えよう。

そして、ステージのバックにはきれいな星空が浮かぶ。まるでプラネタリウムのようなシチュエーションで届けられる、DEPAPEPEのセルフカバー『シュプール』。そのリラックス感を自然と促す、希望がじんわりと膨らむ、やわらかな癒しのサウンドも絶品だった。

ツアー初日から、しっとりとした曲は聴き入るような空気を出してくれたり、盛り上がる曲は手拍子をしてくれたり。みなさんがいっしょにライブを作ってくださっているのが感じられて、僕らは本当に楽しく演奏できています。ありがとうございます!

感謝を伝えた三浦に続き、押尾が「ちょっと伸びをしましょう!」とオーディエンスを座席から立たせ、スタンディング状態でライブは後半へ。DEPAPEPEの『ONE』では、サビのメロディを“ラララ♪”で歌うピースフルなシンガロングが湧き起こり、押尾の『Big Blue Ocean』では、ホール内にたくさんのビッグウェーブが爆誕。

楽しませたい精神旺盛な3人からのお願いによって、場内にさらなる一体感が生まれ、畳みかけるように押尾の代表曲『翼 〜you are the HERO〜』でエンディングへ。心地よいソロの受け渡しに酔いしれ、DEPAPEKOバージョンならではのキラキラが満ちあふれ、最高に明るいムードのままで本編が締め括られた。

アンコールにおいても、3本のアコギだけで名曲に斬新なアレンジを施し、極上の音色を紡いだDEPAPEKO。ラヴェルの『ボレロ』で聴き手を幻想的な世界へと誘い、ラストはクイーンのロックオペラ『Bohemian Rhapsody』が奥ゆかしく捧げられ、大盛況のスタンディングオベーションで終演を迎えた。ギター好きたちがその可能性を無邪気に追求するツアー、ぜひ次の開催も期待したい。

取材・文:田山雄士
写真:センキャメ

《SET LIST》
  1. 1.I’ll Supply the Love
  2. 2.Landscape
  3. 3.Sky!Sky!Sky!
  4. 4.運命 -Variations of the Symphony No.5-
  5. 5.meets the WORLD
  6. 6.For You
  7. 7.Let’s Groove
  8. 8.RYDEEN
  9. 9.アイドル
  10. 10.チョコレイト・ディスコ
  11. 11.シュプール
  12. 12.ONE
  13. 13.Big Blue Ocean
  14. 14.翼 〜you are the HERO〜
  15. <ENCORE>
  16. EN1.ボレロ
  17. EN2.Bohemian Rhapsody

押尾コータロー(Guitar)使用楽器・機材紹介

DEPAPEPE

DEPAPEPE feat.押尾コータロー ~DEPAPEKO LIVE~

2025年09月06日(土) 開場15:15 開演16:00
静岡市清水文化会館マリナート 大ホール
料金:7,700 円 (全席指定/税込) ※未就学児のご入場はできません。
※車いす席をご希望の方はマリナートまでお問い合わせください。

〔お問合せ〕
静岡市清水文化会館マリナート 054-353-8885(9:00-22:00 月休)
K-MIX 053-457-1103(平日 10:00-18:00)

DEPAPEKO 2nd Album『PICK POP II 〜meets the WORLD〜』Now On Sale!!

DEPAPEKO (押尾コータロー×DEPAPEPE)の6年半ぶりのニューアルバム。
2018年にリリースした1stアルバムでJ-POPシーンのヒット曲をアコギインストでカバーし、斬新なアレンジで話題となった「PICK POP ! 〜J Hits Acoustic Covers〜」の続編となる今作は、邦楽のみならず洋楽・クラッシックや押尾コータロー・DEPAPEPEそれぞれのオリジナル楽曲のセルフカバーに加え書き下ろしの新曲含む全12曲を収録!
DEPAPEKOが世界に⾶び出します!
ニューアルバムでもアコギ3本だけで演奏しているとは思えない、カラフルでダイナミック、テクニカルなサウンドをお楽しみください!
SECL3180 / 3,300円 (税込)

押尾コータロー

押尾コータローライブ情報

ビルボードライブ大阪(1日2回公演)
9/26(金) 1stステージ 開場16:30 開演17:30 / 2ndステージ 開場19:30 開演20:30
9/27(土) 1stステージ 開場15:00 開演16:00 / 2ndステージ 開場18:00 開演19:00
〔公演に関するお問い合わせ〕ビルボードライブ大阪:06-6342-7722
〔HP〕https://www.billboard-live.com/osaka/show?event_id=ev-20782

ビルボードライブ東京(1日2回公演)
10/3(金) 1stステージ 開場16:30 開演17:30 / 2ndステージ 開場19:30 開演20:30
10/4(土) 1stステージ 開場15:00 開演16:00 / 2ndステージ 開場18:00 開演19:00
〔公演に関するお問い合わせ〕ビルボードライブ東京:03-3405-1133
〔HP〕https://www.billboard-live.com/tokyo/show?event_id=ev-20783

〔発売日〕
8/8(金)正午12:00=BBL会員・法人会員(ビルボードライブ)
8/15(金)正午12:00=一般(ビルボードライブ/e+)


Maton Moon New PJ-5 SUTOH MODEL NAOTO
Fano Charと呼ばれて Kamaka Kukui
G&L Larrivee Ryoga
MONO Jose Ramirez Estudio
Furch Novo Guitars Digimart