キョーリツコーポレーション

Cream Guitars

次に伺ったのはこの日一番目立っていたと言っても過言ではない「キョーリツコーポレーション」ブース。1979年創業という老舗の楽器総合商社ですが、ピンク色のマネキンたちがただならぬ雰囲気を醸し出していて不気味だったので恐る恐る近づいてみました(笑)。

そんなマネキンたちに囲まれて、ブースの中央にはひときわオーラを放っている「Cream Guitars」のギターが。販売企画部の島村氏、課長の齋藤氏にお話を伺いました。

こちらは2022年に開催されたNAMM Showでデビューを果たした、メキシコ人のルイス・オルティス氏の開発によって生まれた新たなギターブランドで、伝統に固執しない斬新なアイデアがふんだんに詰め込まれた製品になっています。

キョーリツコーポレーション 販売企画部 島村博 氏 / 課長 齋藤潤 氏

画像も併せてご覧いただきたいのですが、ヘッドやボディはレジンで固めているというこれまでにない特徴的なデザイン。木目の美しさなどだけに頼らない芸術作品としてギターを作ろうというところからレジンに行き着いたとのことで、バンド内でボーカリストよりも目立つのではないかと思わせるほどに美しい作品になっています。

またサウンド面にもただならぬこだわりが。「Cream Guitars」の生みの親であるオルティス氏は元々医師免許を保有していたそうで、なんとギターに聴診器を当ててサウンドを探求したそう。ブリッジ裏から倍音が出ていることに気がついたオルティス氏は、ネックジョイントから弦の裏通し部分までブラス(真鍮)プレートを搭載することでその倍音がブリッジ下まで届くことを実現しました。ボディにレジンが使用されている分、響きを消さぬようこだわり抜いた結果だそうです。見た目の華やかさだけでなく、ギター作りへのただならぬこだわりを楽しめる良質な一品ですね。

BIXONIC

続いてお邪魔したのは「BIXONIC」のブース。こちらでは布袋寅泰氏も使用していた「Expandora」の後継機「AXENTRIX A1」を紹介していただきました。

一般的なコンパクトエフェクターのサイズでクランチ、オーバードライブ、ディストーション、ファズという4つのドライブモードを搭載している利便性の高い本機。ACCENT機能でダイナミックレンジをコントロールすることもでき、ドライブ、クリーン共にEQを自分で設定することもできます。

トゥルーバイパスとバッファーバイパスの切り替えも可能なため、その時々の接続環境によって対応を工夫できる点も魅力的。好きな設定を3つまで保存して呼び出せるため、いつでもどこでも欲しいサウンドを手軽に再現することが可能です。このコンパクトさでここまで複数の音色を細かく設定して自在に操れるだなんて、非常に魅力的ですね。

BIXONIC 松本順 氏

荒井貿易

続いては1956年創業の国内楽器メーカー「荒井貿易」ブースにお邪魔いたしました。「Ariaの会社」と聞くとすっと馴染む方も多いのではないでしょうか。こちらではAriaProII「DM-206」をおすすめしていただきました。

60年代に発売されていたDMシリーズをモチーフに現代的にリファインしたモデルで、ミニハムバッカーとラップアラウンドブリッジを採用しています。これまでのAriaProIIのイメージを払拭しガレージロック的な方向の印象をつけていきたいという背景から、カートコバーンがMVで使用していたユニボックスをオマージュしたモデルを制作したとのこと。ヘッドのロゴもそちらに寄せることでコアなファンの心をくすぐる一品となっています。

荒井貿易株式会社 企画開発室 辻本貴志 氏

日本娯楽

モガミケーブル

最後にお伝えするのはウクレレや楽器周辺機器の輸入及び販売を手がけている「日本娯楽」のブースです。こちらではMOGAMI「2524 ギターシールド」をおすすめしていただきました。

一般的にシールドは「ケーブル」と「プラグ」から成っていますが、MOGAMIはこれまでケーブル部分のみを制作してきたとのことで、業界ではいわば黒子的な存在だったそうです。そんなMOGAMIが満を持して初めて制作したシールドがこちらの「2524 ギターシールド」。

ハイインピーダンス伝送用に開発されたシールドで、コンダクターにはOFC (無酸素高純度銅)を採用していることから電気信号を効率的に伝送してくれます。またシールドを横巻きにすることで物理的に音質を担保しつつ、ケーブルの動きや振動から発生するノイズへの対策も施しているため、クセのないストレートなサウンドが特徴です。

アンプやピックアップなどの機材を選ばずあらゆる環境で活用できる良質なシールドですので、ジャンルを問わずおすすめとなっています。

日本娯楽 筧徳幸 氏


さて、以上が「ギター使いSallyが行く!!横浜ミュージックスタイル2025レポート」でございました。レアものから最先端アイテムまでが揃った、ギター好きにはたまらない何時間いても飽きない楽しい空間だったので、私も次回の開催が今から楽しみです。ぜひ皆さんも次回以降、足を運んでみてはいかがでしょうか。想像もしていなかった面白い出会いがあるかもしれませんよ。

取材・文:Sally

Sally

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