坂本ひろ美のエレピの音色とギターの音が優しく絡み合う。神野友亜は、ひと夏の想い出を振り返るように『翼を広げて』を歌いだした。優しいエレピの音色へ寄り添いながら、温かくスケール大きな歌声や演奏を彼女たちは響かせる。その言葉の行く先へ思いを馳せるように、神野友亜が歌い紡ぐ言葉の一つ一つをしっかりと抱きしめていた。いつしか心の翼を大きく広げ、羽ばたかせていた。そんな気持ちを覚えながら、このひとときに酔いしれていた。
MCでは、夏の想い出や、秋にやりたいことを語りだす。3人はこの夏ずっと一緒に過ごしていたと語っていた。神野友亜はバーベキューをしたかったが、外ではなく家でやったと報告。杉岡泉美は花火の音は聞いたと語っていた。秋にしたいことについて坂本ひろ美は、秋に京都に紅葉を見にいきたいと。杉岡泉美はハロウィンで仮装をしたい。顔に血を書いてゾンビ風にして写真を撮りたいと語ったところ、今年はそれをみんなでやりたいと盛り上がる。神野友亜は紅葉を見たいから、いろんな場所のロープウェイ巡りをしたいと語っていた。
次に披露したのが、SARD UNDERGROUNDのオリジナル曲であり、最新シングルの『役者犬のうた』。神野友亜が「この曲をきっかけに、動物を大切にしたい気持ちが伝われば」と語りつつ、演奏へ。
『役者犬のうた』は、犬の鳴き声も曲中に出てくる、心地よく駆けだすロックナンバー。ちょっと切ない歌詞だけど、でも、彼女たちの犬へ向けての愛しい想いが伝わってくる。この曲では犬の視点から想いを投影。サビでは、フロア中の人たちと一緒に「ナーナナナナナー」と合唱する場面も登場。これからも、ライブで心地よい一体感を作ってゆく楽曲になりそうだ。歌詞に綴った、主人公の犬の悲しい結末にも耳を傾けてほしい。
ここから一気に勢いを上げるように、SARD UNDERGROUNDはオリジナル曲の『イチゴジャム』をブースト。力強く駆けだした楽曲の上で、神野友亜も力強い声を響かせ、フロア中の人たちに熱い刺激を与えていた。ときに、メンバーへ寄り添いながら歌う様も印象的だ。観客たちも身体を揺らし、ときに腕を振り上げ、一緒に熱く甘く溶け合っていた。神野友亜が、「二人で作ったイチゴジャム」と歌いながら二人のメンバーへそれぞれ寄り添う姿も、素敵な光景だ。この曲では、観客たちも歌い手となり、神野友亜の変わりに「二人で作ったイチゴジャム」と歌う場面も登場。一体化した様に、温かな空気を覚えていた。
激しいギターサウンドと躍動するビートに乗せて飛び出したのが、オリジナル曲の『黒い薔薇』。神野友亜はクールな歌声を魅力に、暗闇の中の一筋の光のように、その歌声を、力強い演奏に乗せて突き刺した。親しみやすい姿も魅力だが、凛々しい表情で歌う姿も、刺激的だ。激しいSARD UNDERGROUNDも、ライブに彩りを与えていた。
ここからラストスパートへ。弾む演奏に乗せ、神野友亜が「君がいない あの頃の二人も 今はいない」と『君がいない』を歌いだした。心地よく弾む演奏にのせ、「君がいない」と切々とした声を響かせる。演奏に優しく身を任せて歌うその姿を、同じように身体を揺らし受け止める観客たち。切なく心苦しい想いを、あえて軽やかな楽曲に乗せて歌うからこそ、不思議と気持ちが弾み続ける。
感情が一気に高ぶりだすのに合わせて、楽曲が走り出した。飛び出したのがオリジナル曲の『空っぽの心』。気持ちが熱くなるのに合わせ、歌声や演奏からも熱が上がりだす。フロア中の人たちも躍動する楽曲に身を任せ、身体を揺らしていた。このまま気持ちを熱情しながら、心地よくアガッていこうか。
「愛は手さぐり 暗闇のなかで」と、野太く力強い声で神野友亜が『愛は暗闇の中で』を歌いだした。演奏も、どんどん力強さを増す。沸き立つ熱情を、神野友亜は伸びやかな歌声に乗せ、フロア中に響かせていた。その雄々しき姿が、とても美しくも凛々しい姿として見えていた。魂が熱くなる。このまま闇を切り裂く勢いで、その先の景色に向かって駆け続けたい。曲が進むごとに激しさと熱を増す楽曲。心が熱く踊り騒ぐ。そして…。
最後にSARD UNDERGROUNDは、『負けないで』を歌唱。フロア中から熱く鳴り響く手拍子。神野友亜は、この場に足を運んだ人たちにエールを送るように「負けないで もう少し 最後まで走り抜けて」と歌っていた。フロア中から突き上がる拳も熱い。何時の時代でも、この曲は心の背中を力強く押してくれる。そして、素敵な笑顔を与えてゆく。『負けないで』を演奏する彼女たちに向けて、場内中の人たちが笑顔の花を咲かせていた。満開の笑顔の花を見ながら、メンバーたちも眩しい笑顔で「負けないで」と歌っていた。この景色、ずっとずっと記憶の中へ刻んでおきたい。
アンコールの演奏前に、5年目は各地にライブで会いに行きたいと抱負を語っていた。アンコールは、『Today is another day』を演奏。この曲では、神野友亜が大きくハンドクラップをする姿にあわせ、フロア中の人たちも力強く手拍子をしながら、想いを一つにしていた。この曲で神野友亜は、気持ちの奥に抱いた想いを伝えるように歌っていた。たくさんの手拍子も演奏に加えながら、ミディアムメロウな楽曲に乗せ、心の中に広がった切なさを、この場へ解き放つように3人は歌い奏でていた。終盤のハーモニーも、心地よく胸に響いていた。
そのまま演奏は、美しい流れを持って最後の曲へ。ラストにSARD UNDERGROUNDが届けたのが『マイ フレンド』。歌詞に自身の気持ちを重ねながら歌う中、いつしか想いが込み上がり、神野友亜が声を詰まらせる場面も。それでも、気持ちを冷静に保とうとしながら彼女は必死に想いをぶつけていた。神野友亜を、2人が優しい演奏で支える。その姿に向け、フロア中の人たちも、涙が零れないようにと熱い手拍子のエールを送っていた。とてもとてもハートフルな、心が優しくなれるライブたった。この勢いのまま5年目も走り続けほしい。
最後に神野友亜が、「あなたを想うだけで心が強くなれた」と語っていた。その言葉通りのライブをありがとう。
TEXT:長澤智典
《SET LIST》
- 1.揺れる想い [tribute 2023]
- 2.息もできない
- 3.心を開いて
- 4.Top Secret
- 5.瞳閉じて
- 6.その結婚、正気ですか?
- 7.Oh my love
- 8.悲しいほど貴方が好き
- 9.恋が待ち伏せしてた午後
- 10.かけがえのないもの
- 11.Blue tears
- 12.翼を広げて
- 13.役者犬のうた
- 14.イチゴジャム
- 15.黒い薔薇
- 16.君がいない
- 17.空っぽの心
- 18.愛は暗闇の中で
- 19.負けないで
- -ENCORE-
- EN1.Today is another day
- EN2.マイ フレンド
SARD UNDERGROUND
New Single 『役者犬のうた』Now On Sale!!
実話をもとに綴られた、哀しき「役者犬のうた」。[人間の都合で翻弄される不幸な動物たちを無くしたい]世代を超えたコラボレーションで生まれた胸締め付けられるメッセージソング!
今作「役者犬のうた」は、数多くの歌謡作品を手掛ける作詞家・鮫島琉星氏(第55回日本作詩大賞入賞[寺本圭佑「折鶴夜曲~おりづるやきょく~」他]が詞を手掛けた作品。
映画撮影所に迷い込んだ野良犬が「役者犬」となるも、その後再び捨てられ…そんな哀しき実話をもとに歌詞を綴った鮫島氏は、"人間の都合に翻弄される不幸な動物を無くすためにこの物語を歌にして、より多くの人に聴いて欲しい"という想いを旧知の仲である音楽プロデューサー・長戸大幸に伝えると、長戸は自ら作曲を担当。
そして幅広い世代にこの大切なメッセージを届けるため、自身が手掛けるZARDのトリビュートバンドとして昭和世代と平成世代を令和につなぐSARD UNDERGROUNDのメンバーに参加を打診。幼い頃から犬を飼っていたりと、動物好きの彼女たちは、「役者犬のうた」に込められたメッセージに心動かされ、今回の世代を超えた異色コラボが実現した。
情景を鮮やかに綴った詞、ノスタルジックPOPなメロディー、神野友亜の澄んだボーカルによって紡がれた哀しき「役者犬」の物語。
M3には神野友亜による朗読も収録されているので合わせてお聞きいただきたい。また、リリース日は動物愛護週間(9/20~26)の初日。「役者犬のうた」に込められたメッセージが一人でも多くの人に届くことを願うばかりだ。
M2にはZARD名曲カバーのLIVEバージョンをそれぞれ収録!
初回限定盤Aには「揺れる想い [tribute 2023]」、初回限定盤Bには「マイ フレンド」、通常盤には「負けないで」LIVEバージョンを収録!会場の熱気も一緒にお届けします!
【通常盤】CD GZCA-7192/¥800 (本体 ¥727)
【初回限定盤A】CD GZCA-7190/¥800 (本体 ¥727)
【初回限定盤B】CD GZCA-7191/¥800 (本体 ¥727)
各配信サイトはこちら
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