2023年7月9日。陽光と小雨が入り混じる梅雨明け間近の東京。むせるような熱気とにぎやかな蝉の声。満員の日比谷野外大音楽堂に、AYAME(Vo)、EREN(Gt)、TKT(Key)、RINA(Vn)、SEIYA(Ba)、BOB(Dr)からなる6人組ロックバンドAliAが、集大成と呼ぶべきセットリストを引っ提げて夏を連れてきてくれた。

結成5周年を迎えた彼らにとって、メモリアルイヤーとなる今年。AliA 5th ANNIVERSARY『-FANFARE-』と題されたキャリア最大規模のワンマンライブは、これまでとこの先をつなげる特別な日。その想いはライブ中のMCでメンバーが何度も話してくれる。

始まりを今か今かと待ちわびるファンを前に(毎度恒例となった?)BOBの影アナが入る。オリジナリティあふれる内容もライブならではで、始まる前から会場は自然と笑顔になり、なんだか楽しくなってしまう。

17:30過ぎ。音量を上げるオープニングSE。盛大な拍手に包まれる中、掲げられた巨大なバンドロゴを背景に、メンバー全員が白を基調とした、さわやかな衣装を身にまとって登場。ステージ中央のAYAMEを中心に円陣が組まれ、メンバーが高々と手を上げて配置についていく。1曲目『AliVe』から最高のテンションでのスタートだ。

ここにいる全員と素敵なストーリーを一緒に作っていけたらなって思ってます!一緒に遊んでくれますか?」声出し100%OKがアナウンスされた本公演。『シンデレラストーリー』『僕が僕であるために』で早くも全員が大はしゃぎの絶好調をキメていく。「濡れる準備はいいですかー!」とオーディエンスを沸せ、タオルがぐるぐると回された『ユートピア』。メンバー全員、暑さに負けず気合満点。曲中、ウォーターキャノンが幾度も吹き上がる光景は圧巻で、野音がダイナミックに創造されていく。続き披露されたのは『simple』。想いを乗せ熱く歌い上げるAYAME、クールなリードトーンを展開するEREN、会場最後部まできらびやかに鳴らし届けるRINA、サウンドに色彩をもたらすTKT、そこにSEIYAとBOBが弾むようにビートを重ねる。そしてメンバーがメロディを一緒に口ずさむコーラスシーン――。ひとりひとりがきらきらと輝き、6人の感情が会場全体に行き渡っていく。

めちゃくちゃになっているみんなの笑顔が最高です!」とSEIYA。今年、開設100周年を迎えた日比谷野外大音楽堂。これまで数えきれないほどのビックスターたちが集い、「生の音」を届けてきたこの場所でライブが出来ることの喜びをAYAMEは伝える。次曲『100年に一度のこの夜に』ではこの日が特別であることをファンと共に確かめ合っていく。RINAとTKTによる情景的でセンチメンタルなインストシーンからつながる『realize』。込められた感情は『』でさらに強くなり、本気の心の有り様が熱を帯びてひしひしと伝わってくる。

想いを伝えるのが苦手なんだと告白するAYAME。アコースティックギターを手にしたERENと二人っきりになったステージで、今だから伝えられる想いをアコースティックver.の『letter』に乗せていく。まさに今のAliAだからこそ、5年の歴史をファンとともに重ねてきたからこそ、この曲に込められた想いがストレートに響いてくる。「ERENくんいつもありがとう」――。「おまえの歌が世界で一番いいな」――。

こんなにも純粋な言葉をライブでかけられる人間関係が実に美しい。暖かい声援と拍手に包まれながら場面は次の空間へと移り変わっていく。

ここでBOBがオーディエンスにスタンディングを求めながら威風堂々の登場となる。最新アー写にも起用されたNEW衣装を早くも脱いでBOBがドラムソロを叩き出す。圧倒的なパフォーマンスで大歓声を浴びると、楽器隊の4人も加わり、巻き起こるアグレッシブなバンドサウンドが一体となって、野音を飲み込み盛大な拍手が湧き上る。ここを転換点とし、ライブはいよいよクライマックスへと向けてなだれ込んでいく。まずは6/21にリリースされたばかりの『animation』だ。一斉のハンズアップとともに駆け抜けていく。ライブ特有の空気の中で映えるスピード感と解放感。その魅力を最大限に堪能できるナンバーだ。会場はより一体感を増して熱を帯びる。『Discord』ではファンが上下に飛び跳ね、『impulse』でさらにボルテージを上げていく。《僕は僕だ》――。想いを音に乗せ、強く、濃密な時間が形成されていく。

日も落ち始め、ライティングが一層際立ちを見せる中、ERENの冴えわたるイントロが鳴り響いた『まあいっか』。バンドもファンも全開になって、今この瞬間をつかんでいることを全身で感じる。ディープな熱気を帯びたオーディンエンスにAYAMEは語りかける。「みんなが大好きだ」――。

頑張ってきたね」とメンバーを労う中、涙ぐむRINA。「これまでの5年が当たり前じゃなく奇跡だから、私はここにいたいと思う」――。「5周年ずっと見守り続けてきた方々、AliAのことが好きなみんな。最近出会ったみんなももちろん。本当にありがとう。みんなでこういう空間をこの瞬間だけでもいい。一緒に生きていきましょう」――。自信と未来への希望。『かくれんぼ』を演奏するメンバーの顔に迷いはなかった。

声が枯れんばかりの大声援に応えたアンコールでは新曲を披露。10月より放送スタートのTVアニメ『経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』のエンディングテーマとなる『あいことば』。AilAならではのサウンドとメッセージが暮れなずむ野音の空に溶け込んでいく。ラストナンバーは『SLIDE SUNSET』。《君ともっと歩いていたい》というフレーズにファンは揺らぎ、特別な空間を最後まで共有し合っていった。

タイアップも続々と決まっているという嬉しいニュースも振りまきながら、「たのしかったね!」「また次があるよ!」と再会の約束をしてくれたAliA。ここまでの歩みを昇華し、未来へと羽ばたこうとする姿をこの先もずっと見続けていたい。そう強く実感させてくれた素晴らしいライブだった。

《SET LIST》
  1. 1.AliVe
  2. 2.シンデレラストーリー
  3. 3.僕が僕であるために
  4. 4.ユートピア
  5. 5.simple
  6. 6.100年に一度のこの夜に
  7. 7.realize
  8. 8.声
  9. 9.letter
  10. 10.animation
  11. 11.Discord
  12. 12.impulse
  13. 13.まあいっか
  14. 14.かくれんぼ
  15. EN1.あいことば
  16. EN2.SLIDE SUNSET

ライブ撮影:ヤマダマサヒロ
取材・文:廣瀬 航

RINA(Violin)使用楽器・機材紹介

AliA

新曲「ココロノナカ」2024.1.7(sun) 配信リリース決定!

新曲「ココロノナカ」が、2024年1月6日放送開始のTVアニメ『結婚指輪物語』のエンディング主題歌に決定しました!
https://talesofweddingrings-anime.jp

各種サブスクリプションサービスにて楽曲のPre-add/Pre-saveもスタートしたので、ぜひチェックしてください!
Pre-add/Pre-save:
https://AliA.lnk.to/kokorononaka

AliAliVe 2024(仮)開催決定!

=タイトル=
AliAliVe 2024(仮)

=公演スケジュール=
2024/4/21 (日) 【金沢】Eight Hall OPEN 17:00 START 18:00
2024/4/29 (月/祝) 【愛知】Zepp Nagoya OPEN 17:00 START 18:00
2024/5/3 (金/祝)【大阪】Zepp Osaka Bayside OPEN 17:00 START 18:00
2024/5/4 (土)【福岡】Zepp Fukuoka OPEN 17:00 START 18:00
2024/5/11 (土)【宮城】SENDAI GIGS OPEN 17:00 START 18:00
2024/5/12 (日)【新潟】NIIGATA LOTS OPEN 17:00 START 18:00
2024/5/17 (金)【北海道】Zepp Sapporo OPEN 18:00 START 19:00
2024/5/24 (金)【東京】Zepp Haneda OPEN 18:00 START 19:00

=チケット料金=
・スタンディング 5,500円(税込) / ・学割 スタンディング 3,300円(税込)
※金沢・新潟公演のみスタンディングの設定あり

・1F指定席 5,500円(税込) / ・学割 1F指定席 3,300円(税込)
・2F指定席 5,500円(税込) / ・学割 2F指定席 3,300円(税込)
※金沢・新潟公演は指定席の設定なし

※ドリンク代別途
※年齢制限:未就学児童入場不可
※購入枚数制限:1申込につき6枚まで

チケット情報等詳細はAliAオフィシャルサイトまで
http://www.alialive.jp/


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