明日、もう一発ライヴをやることにしました!場所は目黒鹿鳴館。もっともっと進化するためにさ、原点に帰ってライヴハウス、いっちょやってみようと思ってんだよ。みんなでまた新しい伝説を作ろうぜ!

アンコール終盤、なんとLUNA SEAの結成記念日である翌5月29日(月)にインディーズ時代の主戦場でフリーライヴを開催することがRYUICHI(Vo)からサプライズ発表されるなど、武蔵野の森2days公演『THE BEST OF LUNA SEA』の2日目「A Show for You」は予想の斜め上を行く驚きがてんこ盛りなワンマンだった。

オープニングから早速ワクワクが募る。開演時間を迎えて暗転すると、スクリーンにはいきなりメンバーの姿が! バックステージを歩く、円陣を組んで気合を入れる、握手やハイタッチを交わす様子をリアルタイムで映し出すという粋な計らいに、SLAVE(LUNA SEAファンの呼称)たちの熱は言うまでもなく急上昇。

そして1曲目に鳴らされたのは、初日の終演時にピアノバージョンがBGMで流れていた『LOVE SONG』。2日目は赤い髪を結んで登場したSUGIZO(Gt&Vn)が奏でるアコスタソニックの音色に乗せて、RYUICHIが“一人きりじゃない”とやさしく歌い始めると、客席からは「わああああ!」と驚いた感じの大歓声が上がる。それもそのはず。なぜなら、LUNA SEA“終幕”前のラストシングルというイメージが、この曲とSLAVEの記憶には今も強く残っているからだ。

そんな終幕を象徴する切ないバラード『LOVE SONG』が、悲しきピリオドを指し示すものではなく、ベストライヴの開幕曲として燦々と新たな輝きを放つことになるなんて、オープニングの演出とも相まって泣けてしまう。冒頭で落ちたばかりの客電が付き、RYUICHIが「みんなの声を!」と呼びかければ、満員の会場にまるでクライマックスかのような一体感で響きわたる大合唱。オーディエンスは美しい光景に浸りながら5人に手を掲げ、メンバーもすでにたまらない表情を浮かべている。

最高のスタートを切ったライヴ。黒のハットを被った真矢(Dr)のカウントとともに火花がバーンッ!と上がって、インディーからの絶対的な名曲『PRECIOUS…』に突っ込む展開も痛快極まりない。一気に激しくアグレッシブなバンドサウンドへと変わり、SLAVEが身につけた“LUNA SEA LIGHT”(曲に合わせて多彩な光を放つ赤外線通信の遠隔操作機能付きブレスレットライト)が赤や青に輝く中、SUGIZO、INORAN(Gt)、J(Ba)はステージ両端に勢いよく駆け出し、結束を確かめ合うようにRYUICHIのそばに集まって演奏するシーンも観られた。

この日も最初のMCでサングラスを取ったRYUICHIは「みんな会いたかったぞー!」と叫び、「居るべき場所に戻ってきたぜ」と声出し解禁を改めて宣言。

“手を伸ばさなきゃ あの光さえつかめない”と歌う『STORM』からは、またひとつギアを上げる5人。空間を飛び交うレーザーがバンドのカッコよさを引き立たせ、初日と同じく『DESIRE』といったシングル曲を中心に、シンガロングも踏まえた屈強なナンバーが次々に繰り出されていく。LUNA SEAらしいエッジーなサウンドが冴えわたったロックチューン『Thoughts』で、いよいよ“REBOOT”以降の楽曲もセットリストに名を連ね、ライヴの期待値はさらに膨らむ。

『Thoughts』を終えたところで真矢のスネアドラムが壊れてしまうアクシデントがあったものの、すかさずRYUICHIが「ヤバい、フルパワーだね。クラッシャー真矢!すごくない? まだ始まったばかりなのにさ」とナイスなフォローを入れつつ場を繋ぎ、崩れかけた空気を何事もなかったかのように立て直す。

THE BEST OF LUNA SEA』と題し、昨日に引き続き最高のメニューを用意してきました。俺たちはこれから毎回、特別なライヴをやっていこうと思ってます

RYUICHIのそんなMCが、実は壮大なフリになっていたのも驚きポイント。「何度も来てくれているファンは“この曲が聴きたい!”という声もあると思うんだけど、さすがに全部をやるのは無理だからね」などと笑いを交えて話しながらも、直後には多くのSLAVEが聴きたかったであろう『IN MY DREAM (WITH SHIVER)』を颯爽と届け、客席に歓喜のワイパーを生み出してみせた。

『Thoughts』『IN MY DREAM (WITH SHIVER)』は、スクリーンにリリース時の懐かしいMVを引用したバンドの歴史を感じさせる演出も。そんな映像の傍ら、メンバーがアイコンタクトを取ったり、ちょっかいをかけ合ったりしながら、心底楽しそうに演奏しているのがグッとくる。初日のライヴやオープニングの円陣などからも伝わってきたけれど、5人の仲睦まじい関係性を再確認できたことが、武蔵野の森2daysを通して何より尊い瞬間だったかもしれない。

今夜も最高だよ。俺たちは本当に奇跡で5人が集まってさ、みんなとも偶然を超える奇跡で出会っていると思います。「A Show for You」ということで、ひさしぶりにこの曲を聴いてください」(RYUICHI)

シングル『I for You』のカップリング曲『WITH』という激レア曲のコールに、またも狂喜乱舞するSLAVEたち。背景に退廃的なムードが漂う大聖堂のステンドグラスが投影される中、RYUICHIの歌声はいっそう力強くなり、楽器陣のアンサンブルも深遠さが増す。それによって、聴き手は一瞬にしてさっきまでとは別の空間に誘われたかのような快感を覚え、LUNA SEAのモンスターバンドぶりを改めて思い知る。

さらに、豊かな広がりを見せるアプローチ。RYUICHIのボーカル、SUGIZOのエレクトリックバイオリン、INORANのアコギという3人編成による『THE BEYOND』は、アコースティックのやわらかな音像が美しかったのに加え、ステージを包んだ夕暮れ時を思わせる暖かいオレンジの照明も効果的で、心にじんわりと染み入るような演奏に。

続いては、ドラムソロのコーナー。初日同様に和装で登場した真矢だったが、2日目はすぐドラムセットには向かわず、松明が灯るステージの前方にまずはお囃子隊と並び、「いよーーーっ!」という掛け声も自ら発して厳かに締太鼓を叩くなど、もはや伝統芸能の域と言っていい、よりチャレンジングなパフォーマンスで観客を魅了する。もちろん、恒例の“真矢コール”を煽る掛け合いでも存分に楽しませてくれた。

Jは一転、グランジやパンクの熱をふんだんに宿したエネルギッシュなベースソロで驀進。「武蔵野! 飛ばしていくぞー!!」とワイルドに叫んではめいっぱいの歓声を起こし、会場の士気をグンと高めてみせる。「約3年3ヵ月ぶりの声出し解禁。だけど、別に強制じゃねえから。声が小っちゃいやつもいる、声の出し方を今取り戻しているやつもいる。それぞれのペースで、それぞれのスピードで、燃え上がってくれよ!」という、誰も置いていかない姿勢も素晴らしい。

やがて5人全員がステージに戻り、JのカウントからINORANのカッティングリフに繋げる形で疾走感あふれる『TONIGHT』へ。ソロコーナーの熱量を受け、SLAVEのシンガロングは一段とパワーアップ。こちらも初日とは異なる、アウトロにリプライズを足したバージョンになっていたりと、特別なライヴにしたいというメンバーのこだわりが伝わってくる。

昨日はみんなの声を聞いて涙。今日はそれをまた超えちゃった感じです。Jが“自分のペースで”と言ってくれたけどさ、もう全開じゃない? はみ出してるよね? ヤバいよ、お前ら! 最後まで全力で行こうぜ!!」とRYUICHIが気合を入れ直し、ライヴは後半へと進む。

先程の『THE BEYOND』とともにアニメ『機動戦士ガンダム』関連曲となる『宇宙の詩~Higher and Higher』では、フロアのミラーボールがロマンティックに輝き、辺りに星が降り注いでいるかのようなスペーシーな演出のもと、SUGIZOの付点8分ディレイやシューゲイズ感のあるギターを軸とした煌びやかなサウンドに乗せて、RYUICHIが圧倒的なスケールをもって悠然と歌う。

そのまま、初日の序盤でも披露したキラーチューン『TRUE BLUE』『ROSIER』を超絶パワフルに畳みかけ、爆発的な高揚感で青く紅く武蔵野の森を染め上げると、「今日は来てくれてありがとう。ベストライヴっていう俺たちの大切なものを込めた挑戦、楽しんでもらえましたか?」と語り出すRYUICHI。

本編ラストは「25年前に書いたこの曲をきっかけに、俺たちを知ってくれた人も多いと思います」という珠玉のバラード『I for You』。現地に足を運んでくれたオーディエンス、WOWOWで生中継を観てくれている視聴者……その一人ひとりに向けて、言葉と感謝をしっかり届けるように聴かせ、「A Show for You」の公演タイトルにふさわしい締め括りとなった。

アンコールで再登場を待つ間には、翌日がLUNA SEAの結成記念日ということで、SLAVEから自然発生的にハッピーバースデーの歌が湧き起こる。

ステージに戻ってきて、笑顔を浮かべる5人。そして、アコスタソニックを携えたRYUICHIが「トンネルの出口をいっしょに抜けられたこと、本当に嬉しく思ってます。次のナンバーは俺たちだけじゃなくてみんなと作った曲だから、全員で歌いましょう!」と促す。

始まったのはもちろん、コロナ禍が訪れたばかりの2020年春にLUNA SEAが急遽リモートで仕上げた『Make a vow』。当時、SLAVEから動画を募集して作った参加型のMVを組み込み、次第に今現在の客席の模様へと切り替わっていくという映像をバックに聴く、この包容力に満ちた楽曲、メンバーとオーディエンスが互いに声を重ね合う瞬間は、演奏後にSUGIZOが「こんなに感動的な『Make a vow』は初めてでした!」と興奮気味に話していたとおり、長きにわたる苦難を乗り越えた夜明けを思わせるものだった。

もう何も言うことはないです。すべてが完璧です!」と満足気な表情で手短に済ませたRYUICHIをはじめ、この日もメンバーはそれぞれに想いを語る。

気恥ずかしそうな感じでRYUICHIに耳打ちし、「愛してる」「最高」「燃えてる」と胸の内を代わりに伝えてもらうINORAN。

初日に続いて「人類が今までインフルエンザと付き合ってきたみたいに、コロナはずっといると思います。注意して生活することは大切だけど、そこに囚われすぎても良くない。どうやって音楽が、エンタメができるのか、どうやってみんなと繋がれるのか。これからもいっしょに模索しながら歩んでいきましょう。まだまだ俺たちは未来へ向かって走りたいです!」と、この先について言及したSUGIZO。

3年3ヵ月の苦労を振り返りつつ、「嫌なことばかりでもなかった気がするんだよね。みんなとより強固な絆を作れたんじゃないかなと思うし。こんなこともなければ、俺はビオレママにもなれなかったしな!」と、LUNA SEAとビオレのコラボ消毒液を引き合いに出して大爆笑をかっさらうJ。

そこにまるっと乗っかり、「Jがビオレママの話をしていたけど、あのイラスト……なぜ、俺だけ首がないんだ! 特徴とらえやがってコノヤロー!! でも、最高に嬉しいです(笑)」とおどける真矢。

参照:LUNA SEA × Bioréコラボ消毒液の販売が実現!
https://www.lunasea.jp/news/LUN_news_20220819

楽しいMCの一方、真矢が「今回のライヴをやるにあたっていろんな意見があったのを、メンバーも運営側も把握してます」と、開催直前で感染対策ルールを撤廃したことにちゃんと触れていたのもよかったと思う。

共通点がひとつだけあると思うんです。それは、みんながLUNA SEAをいちばん大事に想って、自分の感じ取ったことを貫き通したということだよね。この先もいろんな考え方があっていい。俺たち5人がみんなにいい景色を見てもらえるようにしていくので、頼むからずっとずっとずっとついてきてくれよな!

ファンのどんな声もすべて受け止めるという真摯な表明に、大きな拍手があふれる場内。RYUICHIも思わず「やっぱり、宇宙一のバンドだな……」とつぶやく。

真矢のメリハリの効いたビートを中心に駆け抜け、割れんばかりの大合唱で全員がひとつになった『BELIEVE』。フロアを舞った青の銀テープ、アリーナ最前列付近に降り立って「もっと! もっと!」と歓声を求めるRYUICHIの熱さが印象的だった『WISH』。5人はアンコールの山場を脇目も振らずに突っ走ったあと、「明日は5月29日、俺たちにとってもみんなにとっても大切な記念日だよね」と、冒頭に書いた目黒鹿鳴館でのフリーライヴ緊急開催という電撃発表でSLAVEを驚愕させる。

オーラスも普段は1曲目を飾ることが多い『LOVELESS』で、どよめきがずっと止まらない。サプライズ告知、トリプルネックのギターを弾くSUGIZO、涙を流して歌うRYUICHIの姿などに衝撃を受けながらも、オーディエンスは最後までライヴを満喫。エンディングでは会場のあちこちから「ありがとう!」の声が響き、武蔵野の森2days公演『THE BEST OF LUNA SEA』は見事に大団円を迎えた。

なお、LUNA SEAは宣言どおり、翌5月29日(月)の結成記念日にファンクラブ「SLAVE」会員150名を招き、約32年ぶりとなった東京・目黒鹿鳴館でのライヴ『LUNA SEA Back in 鹿鳴館』を完遂。その模様を公式YouTubeチャンネルで全世界に無料生配信し、Twitterでトレンド入りを果たすなど大いに話題を呼んだ。さらに、同公演内で終幕前の傑作アルバム『MOTHER』『STYLE』のツアーを再現する『LUNA SEA DUAL ARENA TOUR 2023』を10月より行なうことも発表。今後の活動からも目が離せない。

撮影:田辺佳子
取材・文:田山雄士

《SET LIST》
  1. 1.LOVE SONG
  2. 2.PRECIOUS…
  3. 3.STORM
  4. 4.DESIRE
  5. 5.Thoughts
  6. 6.IN MY DREAM (WITH SHIVER)
  7. 7.WITH
  8. 8.THE BEYOND ~Acoustic Version~
  9. Drum Solo
  10. Bass Solo
  11. 9.TONIGHT
  12. 10.宇宙の詩 ~Higher and Higher~
  13. 11.TRUE BLUE
  14. 12.ROSIER
  15. 13.I for You
  16. <ENCORE>
  17. EN1.Make a vow
  18. EN2.BELIEVE
  19. EN3.WISH
  20. EN4.LOVELESS
LUNA SEA

LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -FOREVER-

5月29日(金) クアーズテック秦野カルチャーホール
5月30日(土) クアーズテック秦野カルチャーホール
6月5日(金) 大阪国際会議場メインホール
6月6日(土) 大阪国際会議場メインホール
6月12日(金) 新来島高知重工ホールオレンジホール
6月13日(土) レクザムホール (香川)
6月19日(金) 宇都宮市文化会館 大ホール
6月21日(日) 高崎芸術劇場 大劇場
6月25日(木) 大宮ソニックシティ 大ホール
6月26日(金) 大宮ソニックシティ 大ホール
7月4日(土) 愛知県芸術劇場 大ホール
7月5日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール
7月11日(土) ザ・ヒロサワ・シティ会館 大ホール (茨城)
7月12日(日) パシフィコ横浜 国立大ホール
7月20日(月祝) 札幌文化芸術劇場hitaru
7月25日(土) 森のホール21 大ホール (千葉)
7月26日(日) 森のホール21 大ホール (千葉)
7月30日(木) オリックス劇場 (大阪)
7月31日(金) オリックス劇場 (大阪)
8月8日(土) 新潟県民会館
8月15日(土) やまぎん県民ホール (山形)
8月16日(日) 盛岡市民文化ホール 大ホール
8月28日(金) 上野学園ホール (広島)
8月29日(土) 上野学園ホール (広島)
9月20日(日) 熊本城ホール
9月22日(火祝) 福岡サンパレスホテル&ホール
9月23日(水祝) 福岡サンパレスホテル&ホール
10月3日(土) 仙台サンプラザホール
10月4日(日) 仙台サンプラザホール
10月10日(土) 米子コンベンションセンター
10月11日(日) 倉敷市民会館
10月17日(土) Niterra日本特殊陶業市民会館 (愛知)
10月18日(日) Niterra日本特殊陶業市民会館 (愛知)

詳細はこちら https://www.lunasea.jp/live/2026tour


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