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植田真梨恵(Vocal/Guitar)使用楽器・機材紹介
Gibson B-25 1969
1969年製のGibson B-25。サウンドホール部にはFishman Rare Earthピックアップが取り付けられている。『EUPHORIA』『最果てへ』『“シグナルはノー”』『ダラダラ』『ユートピア』『BABY BABY BABY』『モアザンミューズ』『HEDGEHOG SONG』『黎明』『エニウェアエニタイム』で使用された。
―いつ頃から愛用しているのでしょうか? この楽器との出会いや愛着の理由などを教えて下さい。
植田真梨恵(以下、植田):13年前、2009年頃19歳の頃に買いました。1年間くらい、生涯を共にできるようなアコースティックギターを探し続けていて、堀江のGuitar Tribeで見つけました。
なかなか他にピンとくるものがなかったんですが、見た目の飴色のピックガードと小ぶりなところが最初は気に入って弾かせてもらって、3日間楽器屋さんに通って購入を決めました。
当時はまだそんなに使っている人多くなかったけど、今は音楽番組などでもよく見ますね。
ギブソンのアコギがいいなーと思って探していたので、買ってから色々と音も試しながら、ライブではあまりメインで使ってなかった時期にもずっとこのアコギで曲を書き続けています。
―この楽器のサウンド面での特徴や魅力を教えて下さい。また、独自の調整や改造をしていることがあれば教えて下さい。
植田:アジャスタブルサドルは機能していなくて、固定に改造しています。弾き語りで使う時キンとした金属音が最初気になってしまったので、特徴とも言えるべきところではありますが調整してしまっています。
ライブ時、弾き語りのときにも、もっと!っていう瞬間にちゃんともっと!ってなれるところが最強に好きなのと、サスティンが短くカラッとしたサウンドが安定感とは逆の意味で切なく哀愁があって、またロー感が気持ちいいところが他になく、癖になるところだと思います。
―このFishmanピックアップを選んだ理由を教えてください。テープで貼っている理由なども気になる所です。
植田:ピックアップは10年ちょっと前にものすごく悩んで、楽器屋さんに行ってはお話を聞いて色々と試させてもらった中で、歌いながらストロークすることが多いので、それにいちばん合ってそうだなーというところからこれに落ち着きました。
コンデンサーマイクとマグネットの分量を中のノブで変えられるので、バンドでハウりやすいときはややピエゾ気味だったり、弾き語りの時はマイクの成分多めだったりにできるところが便利です。どちらにしてもそんなに嘘くさくないので好きです。
ストロークが大振りで激しいことで、アコギのサウンドホールが著しく削れて広がってしまっているので、ピックアップ自体の留め具でははまらなくなってしまっています。今回リハ中何度も落ちてしまって大変だ!となったので、本番前にテープで固定して使っていました。
それでもこのアコギが、このアルバムのサウンドには合っていました。本格的にそろそろ調整が必要なのです。
Fender Telecaster Deluxe 1973
『スペクタクル』『悪い夢』『FRIDAY』『愛と熱、溶解』『FAR』『JOURNEY』で使用されたエレキギターは1973年製のテレキャスター・デラックス。
―いつ頃から愛用しているのでしょうか? この楽器との出会いや愛着の理由などを教えて下さい。
植田:2016年の2月頃購入したようです。重いエレキギターを女の子が弾いてるのが好きで、テレキャスターデラックスの黒が欲しいなーとずっと探していました。
お茶の水やら渋谷やら方々1年近く探したんですがそもそもデラックス自体出会えず、ある雨の日アメ村の三木楽器でデラックスのこの生産初年度のサンバーストとナチュラル2本同時に並んでいたのを見つけて弾き比べてこれを買いました。
黒が良かったけどサンバーストです。気に入ってます。
―この楽器のサウンド面での特徴や魅力を教えて下さい。また、独自の調整や改造をしていることがあれば教えて下さい。
植田:メインのギタリストと比べて暗めで重めに男前な音作りを目指すことが多いんで、音も作りやすくてかっこいいです。
あとはこれの前に使ってたのがレスポールで、自分の弾き方がゴリラなのもあってチューニングが狂いやすかったんですが、テレキャスターはチューニング安定してて狂いづらいので有難いです。
とりあえずかっこいいです。
―ピックは、アコギもエレキも同じものでしょうか? モデル詳細やこだわりがあれば教えて下さい。
植田:ジムダンロップのウルテックスJAZZ3です。最近ずっと使ってたこれがなかなか店頭で見つからなくてあれー?と思ってます。 分厚くて小さいので速いストロークで細かく速く弦にあてたいとき一番これが弾きやすいのと、出た時の音がこれだと変わらないのでこれを使うことが多いです。 アコギ弾き語りだと、ダンドレアのRG351も好きでよく使っています。 今回はバンドの中でのアコギなのでなるべく粒立ち良くしたくてJAZZ3です。
アンプはFender Blues DeVille 410 Reissue。
―このアンプを使用しているサウンド面での意味合いなどを教えて下さい。
植田:メジャーデビューの2014年くらいからこれを使っています。
音作りがそんなに得意じゃなくて、場所が変わると聞こえ方が変わりすぎてむずかしいなーと、様々なアンプを使う中で苦手意識が芽生えていました。
苦手意識をカバーする意味で、これだともう出音がある程度すぐ決まって作りやすいんで助かってます。
あとはツイードのアンプが使いたかったんで。好きです。
足元には左側にアコースティックギター用のKORG Pitchblack mini(チューナー)、右側にはエレキギター用のペダルボードが置かれている。
エレキギター用のボードの内容は下記の通り。
( 1 ) Eastern Music Device Buffer/Booster(バッファー/ブースター)
( 2 ) tc electronic Polytune(チューナー)
( 3 ) Vemuram Jan Ray(オーバードライブ)
( 4 ) Strymon Ojai(パワーサプライ)
マイクはSHURE BETA58A。
―マイクについてこだわりがあれば教えてください。
植田:色々なマイクを試して、なんだかんだでもう絶対にSHURE SM58 BETAが歌いやすくてベタで、これ以外嫌だなーと思うほどです。
編成によっては変えたりすることはあるけど、基本的にこれでやれてこれでいいものにならないとでしょ、と思っています。
植田:今回のライブではなんだかんだで同期を使わないで済みました。
Euphoriaというアルバムは、ひとつひとつの音が空気を震わせて鳴ったものを録音することにこだわっていました。打ち込みを使った音も、スピーカーやアンプを通して出して、マイクで拾って収録しています。『EUPHORIA』や『”シグナルはノー”』では、カオティックでノイジーな場面も出てきます。音源では様々なノイズを重ねて表現しているので、その辺りが同期なしでライブで表現できるかしらと最初は心配に思っていました。あとは物理的にギターが3人必要な曲も。
揺れる空気感やタイム感、生きた感じを大切にしたアルバムなので、もし同期を出してしまったら違う緊張感が出てしまうことが今回は足枷になると思いました。その場で誰も弾いてない音に、生きてる人間が合わせることをしたくないのでした。
生ドラムが終始かっこいいアルバムでもあるので、ドラマーのタイム感にひたすらフィットさせながら演奏する、歌うイメージでやりました。街の雑踏の音や、逆再生の音源とファンファーレこそ音源を流しましたが、曲中でその場にいる人間だけで心を合わせてお届けできるものになって、心底良かったと思います。 ピアノの廣瀬さんがギターをはじめ他のさまざまな楽器を担ったり、ドラムのセッティングにセカンドスネアがあったり、スティックにシェイカーがぐるぐる巻きでくっついていたりするのは、同期を出さずにその場で鳴らして全ての音を表現するためでした。サポート陣の理解と覚悟に心から感謝します!
植田真梨恵
4th Album 『Euphoria』Now On Sale!!
2011年に構想が生まれ、ずっと温めてきな大切なアルバム。初めて楽曲提供を受けた前作から一転、全作詞作曲 植田真梨恵!アレンジは、弾き語り曲を除く全曲、森良太(Brian the Sun)と植田が共作。植田の頭の中になっている音をこれまでの作品より、忠実に再現。コレクション盤の特典は初めてBlu-rayを採用し[F.A.R. / W.A.H.] TOUR FINAL公演を収録。
2022.9.21 release
コレクション盤
7500 yen (tax out) / GZCA-5314
通常盤
3000 yen (tax out) / GZCA-5315