取材・文:日下部 拓哉 ライブ撮影:西槇太一

耐え難い生活を生き抜いて、踏み込んだ先の変化。

– androp one-man live tour 2022 “effector” –

豊洲PITにて行われたツアーファイナル、アルバムタイトルに込められた“effector”は楽器業界においてはギターやベースの音を変化させる足元に置く小さな筺体を想像する人が殆どだと思われるが、この小さな箱が楽器の音を無数に変化させ“歪み”や“揺らぎ”を生み出すだけでなく、幻想的な世界を見せたり、ある種の叫びや咽び泣く声のようなものに音を変化させたりするものなのだ。それらが一つとして同じ物がないのがエフェクターなのである。

今回のアルバム“effector”の数々の楽曲が一つ一つの彩りと変化をもたらし、私たちの生活にも何かしらの”エフェクト”を与えてくれるのではないか、そういった想いの中ツアー最終日に挑んだ。

正直、語らざるを得ないここ数年のコロナによるライブの楽しみ方の変化、戦争やネット社会における人と人との関わり方の変化によって、筆者自身、久々のライブを素直に楽しめるか少し不安になっていた。無論、会場に来ていたほとんどのファンがライブを楽しみで仕方ない気持ちでいたことは間違いないだろうが、どこか整理された会場の空気と歓声をあげられない流れに、解放し尽くせないフラストレーションは少なからずあったに違いない。しかし、そんな一抹の不安も馬鹿馬鹿しくなるほど、始まってみれば今回のツアーファイナルは素晴らしいの一言に尽きる。明らかにこれまでのツアーとも一味違う、全くもって新しい、言うなれば新andropいや、シン・アンドロップとでも言いたくなるほど。1つの映画を観るようにライブ全体が1つの作品性を帯びており、物語が展開し描かれていた。

オープニングは雑踏、様々なノイズ、アンビエンスなサウンドが混じり合い、メンバーが登場し幕開けを迎える。まずは今回のアルバムの1曲目、『Beautiful Beautiful』だ。ここ数年の世の中の在り方を皮肉るように、それでも「ありのままの姿が美しい」と歌うこの楽曲が、耐え難い生活を生きる人々の物語を連想させながらも、その先の希望を感じさせる。

「こんばんは東京」と内澤が呼びかけ、立て続けに披露されたのは『Moonlight』。『Beautiful Beautiful』で開かれた希望にさらなる光明が指し、それを鼓舞するように楽曲が展開する。サポートメンバーJuny-aのサックスがどこまでも伸びやかに青々と響いていた。

今回はサポートメンバーに森谷優里(Key)、Juny-a(SAX/Perc.)が参加することで、細かなアンサンブルが入り、『MirrorDance』では、過去何度も聴いてきた楽曲に新しいアレンジメントが施され、楽曲の持つ空間の広さをこれまで以上に押し広げて感じさせた。

そして今回のアルバムでもカルナヴァルなナンバー『Chicago Boy』、佐藤拓也(Gt/Key)のガットギターの熱いカッティング、伊藤彬彦(Dr)のドラミングがザクザクと刻まれ、海岸沿い(シカゴならばミシガン湖沿い)を車で駆け抜けるようなトロピカルなサウンドが会場を跳ね上げる。

KnowHow』ではリフレインするアコギのフレーズは佐藤がサンプラーを使い、アコースティックなのに非常に無機質なフレーズがループし、サビの生々しい演奏に対して不条理さがありながらも束縛と解放の対比が美しい。

内澤崇仁(Vo/Gt)が「今日、豊洲PITに一人で来た人、配信を一人で見ている人、そんなロンリーなあなた方に捧げます」と言い演奏された『Lonely』では伊藤によるルーズな後引くグルーヴのドラムに内澤のさらにルーズなヴォーカル、前田恭介(Ba)のベーシストたる存在感が際立ち、バンドサウンド以上に音楽のルーツを感じさせるリズム&ブルースに酔いしれた。『Blue Nude』から『Pierce』に続き、歌詞にもある光や闇、青といった陰影深い色味がアーバンな一人一人の孤独な時間や側面を切り取り、オムニバスなロードムービーを観るように次々と流れていく。ここまでが一つの展開として非常に秀逸であった。

更に驚いたのが次に演奏した『Tonbi』だ、1st album『anew』に収録された2009年の楽曲で当時のライブでは映像などを駆使した演出に魅了されたナンバーだが、先の4曲は非常に人間味があった事に対して、今回のこの曲はandrop初期のファンタジーな展開を含めて、全てがリブーストしており、純粋に音楽だけで表現していたにも関わらず、過去一番の細かな描写によって描かれているように感じ、思わず筆者も「おぉ・・」と声を上げてしまった。ツアーを通してどう変化していったのか分からないがメンバーとサポートの二人の楽曲への理解が成した結果なのであろう。

続く『Hoshidenwa』も1st full album『relight』に収録された楽曲だが、今改めて聴いても普遍的なメッセージがここまで丁寧に歌われているからこそ美しい。

andropの「変化」を知るライブ後編へ

androp

New Digital Single 『Tokio Stranger』2022.6.15 Release!!

昨年12月にリリースしたアルバム「effector」から約半年ぶりとなる今作は、洗練された中にある高い熱量を保ちながら変化し続けるサウンドと、 優しさと力強さと軽快さが交錯した歌声。 様々な表情を1曲の中で見ることができ、今までにないandropが表現された楽曲です。
Apple Music・Pre-Add、Spotify・Pre-Saveにて事前登録を受付中。前もってPre-add/Pre-seveをしておくと、配信開始後に自身のライブラリやプレイリストに自動で追加されます。ぜひ事前登録してリリースをお待ちください。

【New Digital Single】
「Tokio Stranger」
2022年6月15日Release
https://ssm.lnk.to/TS_a
※Apple Music ・Pre-Add、Spotify・Pre-Saveにて事前登録受付中。

2022年9月3日(土)日比谷野外大音楽堂にてワンマンライブ開催!

2022年9月3日(土)に日比谷野外大音楽堂にてワンマンライブの開催が決定しました。2017年10月に開催したライブ以来、約5年ぶりとなる同会場でのライブとなります。同時にandrop member pageより先行受付も開始いたしました。
ドレスコード:当日は白系の服でご来場ください。

【公演名】androp one-man live 2022 at Hibiya Open-Air Concert Hall
【開催日程】2022.9.3(土) 東京・日比谷野外大音楽堂
OPEN16:30 / START17:30 ※開場/開演時間は変更になる場合がございます
【チケット代金】
通常チケット代:¥5,900
グッズ付チケット代:¥8,900 <フード付きビッグタオル付き>
※未就学児童入場不可
【公演に関して】
・ディスクガレージ 050-5533-0888
https://www.diskgarage.com/
【申込URL】
https://www.androp.jp/feat/c23b9261d11a559a4d5744a53a246453
受付期間:6月4日(土)21:00~6月12日(日)23:59
【ドレスコード】 当日は白系の服でご来場ください。

ライブ開催の取り組みについてやご来場に関しての詳細等はandropオフィシャルサイトをご覧ください。
https://www.androp.jp/news/detail/4002/


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