L’Arc~en~CielのHYDEや黒夢の清春といったのちの世代に大いに影響を与えたパンク/ハードコアレジェンド、GASTUNK。実に33年ぶりのアルバム『VINTAGE SPIRIT, THE FACT』を今年6月に発売した彼らが、そのリリース記念第2弾となるワンマンを東京・渋谷TSUTAYA O-EASTで行なった。

おどろおどろしい『黙示録 PartII』をSEに、KEI(Dr)、TATSU(Gu)、BABY(Ba)、BAKI(Vo)の順で現れたGASTUNK。BABYがデザインしたおなじみのドクロ&蛇、そしてバンドロゴがあしらわれたバックドロップはド迫力で、1Fフロアにスタンディングで待ちわびたパンクスの空気も高揚感に満ちている。そんな中、固く閉ざされていた門がゆっくりと開いていくかのような荘厳さとともに、ニューアルバム『VINTAGE SPIRIT, THE FACT』の冒頭を飾る『Black Forest』でライブが始まった。赤と青の光が重なって紫に染められるステージ。いきなりドラマティックに響くBAKIのボーカル、速弾きソロが唸るTATSUのギターに、早くも歓喜してしまう最高のオープニングだ。

ヒップホップ/ファンク的な歌唱やリズムも冴えわたる『Perfect Tomorrow』では、向かい合って見せる4人の笑顔が、よりギアを上げてハードロッキンに攻めた『Psychophonic』では、ステージに倒れ込みながら熱く叫んだり、新たにバンドへ加わったKEIを嬉しそうに指差したりするBAKIの躍動が胸を打つ。《長い長い孤独の夜に 気づいていた》《1人では耐えられない》と歌う『Perfect Tomorrow』、《針の先で刻まれた 小さな括りを棄てて 二度と繰り返せない 今を生き抜いて行こう》と歌う『Psychophonic』。解散以降に抱えていた葛藤と現在の想いが強く表われた、GASTUNKの生きざまをリアルに映すこの2曲を、まずは宣誓のように序盤へ持ってくるあたりが、彼らの心意気を窺わせる感じでたまらない。

すでに理想的なムードで沸く、大勢の観客が詰めかけたO-EAST。しかし、感傷に浸ることなくライブはどんどん進む。BABYが弾くレゲエ調のクールなベースラインに乗せて、BAKIがジョー・ストラマーの如く“オッオッオッオー!”と甲高く叫んだ『Summer Rain』。BAKIの伸びやかな歌声とTATSUが奏でる恍惚のメロディ、2人の音がユニゾンする瞬間も美しく尊かった『Ballad~陽炎~』。真紅に照らされたステージでの『Seventh Heavens Door』では、TATSUのスライドバーを使ったギターソロ、BAKIの切れ味鋭いハーモニカも飛び出し、フロアはさらにヒートアップ。コロナ禍でシンガロングできない状況にもかかわらず、振り上げる拳だけでコール&レスポンスが成立しているような光景は、とてもグッとくる壮観なものだった。

本当はみんなでいっしょに歌いたいところだけどさ……楽しんでくれ!”。BAKIのそんな言葉から始まったのは、ノスタルジックな色がありながらも決して懐古趣味ではない、むしろGASTUNKの現役感が際立つ『Eighteen』。苦境に喘ぐライブハウスへの想いも込めた時代を跨ぐアンセムを掻き鳴らし、もはやレジェンドというよりも生まれ変わった新バンドのような初期衝動と電光石火ぶりで手を緩めず駆け抜ける姿はひたすらに眩しい。前のめりに突っ走る『Bloody War Zone』も、《戦争屋たちが金儲け 利権屋どもと大儲け》と今の世を憂うメッセージや現状に抗うパンク魂が深く刺さる。『D.O.N』になれば、一転して明るく開けたポップなサビを聴かせたりと、硬軟自在のグルーヴで圧倒していく。

このあたりまでで新生・GASTUNKの凄みは十分に伝わった。エモーショナルで色気のあるBAKIのボーカル、アグレッシブにも叙情的にも振れるTATSUのハイブリッドなギター、強く柔らかな低音でボトムを心地よく揺らすBABYのベース、そして3人を無敵の状態に蘇らせたKEIのドラムが見事に噛み合い、バンドがかつてないポジティブなエネルギーを湛えて復活したのは、誰の目にも明らかだったほどだ。特異すぎる個性を持つ彼らが年輪を刻み、予期せぬ化学反応を経て、再び唯一無二の存在として自分たちにしか鳴らせない音楽を鳴らしているのは、まさに奇跡。そのカムバックを目撃できたことが本当に嬉しい。

中でも、2020年に新メンバーとなったKEIのドラムには目を惹かれる。BAKIが振るタンバリンに軽快なシンバル使いで気持ちよく合わせた『Dragon』、一打一打がしっかりと粒立つパワフルなビートで引っぱる『Freedom』と続く流れでは、個性の強いフロント陣をリードしている感じが顕著で、彼のプレイがいっそう頼もしく輝いて見えた。実際にその間、BAKIとTATSUとBABYは輪をかけて伸び伸び暴れていたし、今のGASTUNKの心臓はKEIと言ってもいいのかもしれない。そう思わせてくれるような時間だった。

ライブ前に“第1弾のリリースパーティー(2021年6月19日 新代田FEVER)で演奏しなかった新曲も初披露する”とアナウンスされていたが、結局『VINTAGE SPIRIT, THE FACT』の楽曲をすべて、ほぼアルバムの曲順どおりに届けたGASTUNK。『明日へ向かう夜を待つ』はステージを一段と明るく照らしたシチュエーションのもと、壮大なスケールで奏でられ、名曲『DEAD SONG』を彷彿とさせるバラードであることをあらためて実感できた。

TATSUは赤と黒のカラー違いのダブルライダースジャケットを脱ぎ捨ててギターを弾くなど、その後もGASTUNKならではの異形なパワーで度肝を抜き、“全曲聴いてもらえてよかった”と笑顔でこぼしたBAKI。新作『VINTAGE SPIRIT, THE FACT』リリース時のインタビューで“昔の曲をやるだけじゃかっこ悪いと思っていたところもある”と語っていた彼らだけに、こうして現役のバンドとして素晴らしいアルバムを作り、若かりし頃と変わらぬ情熱を燃やして、信じられないほど進化した姿をライブで見せてくれたことには、猛烈に感動させられた。きっと、O-EASTに足を運んだ誰もがそういう気持ちを覚えたに違いない。

新曲を惜しみなく披露して“ここからは当然の如く行きますよ?”と言い放ち、ライブ後半は『SMASH THE WALL』『FASTEST DREAM』など初期曲を畳みかける古参驚喜のセットリスト! ハードコアパンクにニューウェイヴ感をガツンと加えたGASTUNKワールド全開のギラつくサウンドに、オーディエンスはあの頃を思い出しながら大いに踊り狂う。フロアの1人1人とアイコンタクトを取って、興奮を確かめ合うBAKI。BABYのベースラインもますますトリッキーに輝きを増す。もしモッシュ&ダイブができる状態ならとんでもなくカオスなごった返しになっていたことだろう。MCらしいMCはほとんどないまま飛ばしまくるメンバーのスタミナもヤバい。

さらに『Mr.GAZIME』『THE EYES』と続くヘヴィでハードな音像ながらもキャッチーでメロディアスな楽曲の連打からは、X JAPANやL’Arc~en~Ciel、黒夢ら邦楽ロックシーンを彩ったバンドの姿がふんわりと浮かんできたりもする。本編ラストは『DEVIL』『SEX』の強力コンボで盛り上がりを最高潮に持っていき、嵐のようにステージを去ったGASTUNK。時計に目をやると、気づけばライブが始まって2時間が過ぎていた。

アンコールでは、むせび泣くギターとGASTUNKのスローガンである“HEARTFUL MELODY”が堪能できる、ファン感涙の美しいナンバー『DEAD SONG』も演奏された。そして、待ってましたの胸熱キラーチューン『GERONIMO』を叩きつけ、ドカシャカとハードコアパンクな音塊でバンドの真骨頂を発揮した『WARBIRD』でフィニッシュ! 去り際に一言“またね”と笑顔で告げるTATSUに対し、オーディエンスは大満足の拍手で返す。すべてを出し切ったものすごいライブだった。

ライブ中にもBAKIが“また来年やるからさ”と話してファンを喜ばせていたが、バンドのオフィシャルTwitterによれば“来年の早い時期には東京以外での公演も予定しております!”とのこと。本格的かつ奇跡的な復活を遂げたGASTUNKが、今後どんな生きざまを見せてくれるのか。まだまだ楽しみは尽きない。

取材・文:田山雄士
Photo by Shigeo Jones Kikuchi

BAKI(Vocal)使用楽器紹介

GASTUNK

GASTUNK VINTAGE SPIRIT, THE FACT TOUR 2022開催決定!!

2021年6月に約33年振りとなるNEWアルバム『VINTAGE SPIRIT, THE FACT』をリリースしたパンク/ハードコア・レジェンドのGASTUNK。6月、10月には東京のみでアルバムタイトルを冠したリリース記念のワンマン・ライブを行ったが、東京以外でのツアーでのリリースライブが遂に決定!2017年の再始動以来初のツアーは必見!

2022年
2/11(金・祝) 千葉LOOK OPEN 17:00/START 17:30 問:SMASH 03-3444-6751
2/12(土) 横浜F.A.D OPEN 17:00/START 17:30 問:SMASH 03-3444-6751
2/13(日) 熊谷HEAVEN'S ROCK VJ-1 OPEN 17:00/START 17:30 問:SMASH 03-3444-6751
3/12(土) 仙台MACANA OPEN 17:00/START 17:30 問:MACANA 022-262-5454
3/20(日) 名古屋CLUB QUATTRO OPEN 16:30/START 17:30 問:名古屋CLUB QUATTRO 052-264-8211
3/21(月・祝) 梅田CLUB QUATTRO OPEN 16:30/START 17:30 問:SMASH WEST 06-6535-5569
全公演 前売¥5,000(スタンディング、ドリンク別)

※本公演は、政府、各自治体および会場より示された新型コロナウイルス感染拡大予防のガイドラインに基づいた対策を講じた上で開催させて頂きます。ご来場されるお客様は下記内容をご確認下さい。

<新型コロナウイルス感染防止対策ガイドライン~ご来場頂く皆様へお願い>
https://www.smash-jpn.com/guideline

チケット情報等詳細は
https://gastunk.com/


naga guitars MONO Cases
Black Smoker Heritage DoraKitty
S7Gaoi AT Now For Ever Orange 穴見慎吾
つば九郎ウクレレ The Realist RV5PeA SGZ Laramidia
Orange Hinatch Sheelan Martin Style41 SGZ
G7th Capo DIXON
LUNASTONE MU-TRON Dean MYK