
2025年6月2日。Taylor Guitars Road Show After Hours Editionが生配信された。
Taylor Guitars Japanが主催する体感イベントだが、コロナ禍における密集を避けるイベントとして、閉店後の楽器店店内から生配信を行うというスタイルを“After Hours Edition”として実施している。とはいえ、代理店制度からTaylor Guitars Japanへの運営体制の変遷などもあり、開催されたのは実に3年振りだ。
今回はTaylor Guitars Japan始動後、初のオフィシャル配信という事もあり、始動後のTaylorの販売本数が最も多かった、東京・お茶の水の楽器店「Acoustic Planet」が選ばれた。同店はTaylor Guitarsの上位ディーラーである数少ないPremier Dealerに位置付けられており、カタログモデルからカスタムモデルまで幅広く取り扱う旗艦店である。
今回は、Taylor Guitarsのブランドアンバサダーである虎岩正樹氏とアコースティックプラネットの日出靖彦氏の対談形式で行われた。

メーカー目線でのTaylorの魅力や、楽器店目線での魅力。また、本国アメリカでの談話も交え話は非常に多岐に渡った。動画はアーカイブとして、Taylor Guitars JapanのオフィシャルYouTubeチャンネルで視聴可能な為、本稿ではトピックスをいくつか紹介する。
Taylor Guitars Japan YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@taylorguitarsjapan3711
動画の中でも触れられている通り、アコースティックプラネットが強く勧める3本のTaylorギターがピックアップされた。


-The 2025 Catch Custom Collection-
日本ではあまり馴染みのないコレクションについて解説しておこう。世界的な楽器ショーの“NAMM SHOW”の前夜に行われるTaylor Guitarsの特別なモデルの発表会「CATCH CUSTOM COLLECTION」というイベントがある。毎年世界中のディーラーが集まり入札を行うイベントである。
毎年、50本前後のコレクションが展示されるが、極端に少ない生産本数の物もある。現地に訪れたディーラーのみに入札参加権利があり、入札が多数となった場合は抽選によって納品されるディーラーが決定される。その結果、日本への導入は極僅かとなり、同じモデルが複数本入荷することはごく稀なことで、そのプレミアム感が非常に人気のコレクションである。
このCATCHのコレクションのみの仕様が非常に多く、ボディカラーやロゼッタ、インレイなども再生産されることがない特別な仕様であることも、同モデルの魅力と言えるだろう。
Catch Custom #4 C14ce B5004 -Tiger Shadow-

現在アコースティックプラネットにある唯一の2025年Catch Collection。
このモデルのモチーフは“虎”。
カラーは勿論、サイドバックのメイプル材からすべての装飾に至るまで虎をモチーフに製作されている。
ヘッドの突板や指板のエボニー材も、”Tiger-Striped Ebony”と表記され、縞模様の美しい材料が選ばれている。
エボニー材とコア材を多用した美しい装飾は、寄木細工に通じる趣が感じられる。
Gold Label 814e Koa

Gold Label Series。現在のTaylor社のCEO兼マスタービルダーであるアンディ・パワーズ氏が、創業者ボブ・テイラーの製作したものに一切頼らない新しいシリーズ。
独自のボディシェイプはもちろん、ネックジョイント、ブレーシング構造に至るまで新しく開発された。ネックとボディの接着はディープジョイント方式を採用し、Taylor独自のシムを使用せずに、工具によるネックアングル調整が可能となった。
アンディ・パワーズ氏が2018年に発表したV-Class Bracingをベースに、ボディ下部にクラシックギターからインスパイアされたファンブレーシングを組み合わせた全く新しいブレーシングを開発。
最初に発表されたボディシェイプは、“Super Auditorium”。
Model No.4のGrand Auditoriumをベースにしながらも、ブリッジより下の部分のサイズが大きく変更されており、ノンカッタウェイのみの展開であることもダイジェストだ。
誰がどのような環境で弾いても、抜群の音量感とサウンドが楽しめるというコンセプトで開発されたニューシリーズだ。
本人の「”アンディ・パワーズ・ギター”ではなく、Taylor Guitarsの新しいギターである」という言葉にあるように、これからのTaylorを担っていくシリーズになりそうだ。
Builder’s Edition 814ce Adirondack Spruce/Honduran Rosewood

アコースティックプラネットの担当者が、本年1月にTaylor Guitarsに訪問した際に、直接アンディ・パワーズ本人に投げかけた質問「今のTaylorで、あなたが1番好きな音のするギターは?」に対する回答が「Gold LabelとBuilder’s Edition 814ceのこれがいい。この2本で演奏するとどちらの個性も活きてとてもいい音がする」だったそうだ。
Builder’s Editionとは、【洗練された音楽性】と【比類なきプレイアビリティ】という2本の柱をコンセプトとし、究極の演奏体験をテーマに開発された上位シリーズ。
アディロンダック・スプルースとホンデュラスローズウッドの組み合わせにより、大胆かつ滑らかさも併せ持つサウンドが絶品。
アコースティックプラネットでは、Taylor GuitarsのBaby Taylorからカスタムモデルに至るまで常時30本以上が展示されている。そのほとんどが複数本の中から個体を選定した、厳選されたギターだという。またTaylorの研修を受講した公認リペアマンも在籍している。世界でナンバーワンのシェアを獲得したTaylor Guitarsの魅力を体感しにアコースティックプラネットを訪れてみてほしい。




ブランドアンバサダー:虎岩正樹コメント
虎岩:先日アコースティックプラネット様でテイラーギターのストリーミングイベントを開催させて頂きました。
お茶の水という日本が誇る楽器の聖地で、今テイラーギターを日本で一番売るお店で日出さんととことんギタートークができたのはテイラーのアンバサダーとしてだけでは無く、個人的にもとても特別な時間でした。
楽しい時間をありがとうございました!

虎岩正樹プロフィール
テイラーギタープロダクトスペシャリスト
日本唯一のテイラープロダクトスペシャリスト
高校時代はバンドにのめり込み、4年間のフリーター・バンドマン時代を経て、イギリスのリーズ音楽大学へ留学。
卒業後は単身渡米、カリフォルニアにあるMI Hollywood GITへ留学。
卒業後は同校のギター・インストラクターに。
後にインディペンデント・アーティストを育てるプログラムを同校で立ちあげ学科長に就任。
アメリカで数多くの若手アーティストのキャリア育成に関わってきた。
在英、在米中は自身も音楽活動を積極的に行い、数多くのライヴ、レコーディングに参加。
帰国後、2010年までMI Japanの校長を務める。同校でもインディペンデント・アーティストのコンセプトを広めてきた。
近年はソフトバンクアカデミア社外一期生、シルクドソレイユキャスティングパートナー、プレゼンテーションコーチ、英語研修講師、通訳、イベントオーガナイザーなどマルチに活動しているが2012年よりテイラー社のアジア担当者のアシスタントに採用され、2015年からは日本で初めてのプロダクトスペシャリストとして日本でのロードショーを担当。
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アコースティックプラネット
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