ライヴ本番まで、正直どう楽しめばいいのかわからなかった。2月23日に知らされた真矢(Dr)の逝去。その後、各所から過去のエピソードとともに別れを惜しむ声が駆け巡ったが、ラジオなどにおけるメンバーの発言で事実を受け止めようとしても、ぴあアリーナMMで行なわれた献花式に足を運んでみても、まだ気持ちの整理がついていないSLAVE(LUNA SEAファンの愛称)がほとんどだったのではないかと思う。

きっと誰もが行き場のない悲しみに打ちひしがれていたものの、「LUNA SEAを絶対に止めないでほしい」という真矢の遺志を継ぎ、スケジュールどおり開催となったクリスマスライヴの振替公演。有明アリーナ内のロビーには、本人の写真や着用する予定だった衣装が並ぶ「真矢メモリアルコーナー」を設置。チケット完売で生配信も急遽決まった。

暗転直後、どよめきが走る。空間に雄々しく轟いたのは、真矢のドラムだった。バンドを続けてほしいとわがままを言ったと告白し、「LUNA SEAは決して止まらないからね。みんな愛してるよー!」と呼びかけたシーン(昨年11月開催の『LUNATIC FEST. 2025』)もオープニングムービーで流れ、現地に集った1万2000人はたまらず真矢の名を叫ぶ。そして、画面にくっきりと表れる“OUR JOURNEY CONTINUES”の文字。

只ならぬ雰囲気の中、RYUICHI(Vo)、SUGIZO(Gt)、INORAN(Gt)、J(Ba)、『LUNATIC FEST. 2025』でもサポートを務めた淳士(Dr/SIAM SHADE)が登場すると、“強く感じて 強く抱きしめて これから始まる 時を”と歌い出す、この日の幕開けに最もふさわしい『UP TO YOU』でライヴがスタートした。ステージには、なんと2台のドラムセットを用意。バックのLEDスクリーンには、真矢がドラムを叩くさまが映される。

実際の叩き手は淳士であるにもかかわらず、まるで真矢がここに居るかのよう。いや、確かに存在しているとしか思えない音響だ。真矢のドラムセットをよく見たら、バスドラのフロントヘッドに白服を纏ったメンバー5人の写真(昨年2月開催の『LUNATIC TOKYO 2025 -黒服限定GIG-』)がプリントされていた。沈痛な面持ちで演奏するバンドの姿にもいっしょにステージに立つという決意が窺え、のっけからSLAVEの涙腺は崩壊。

続く『Déjàvu』は、絡みつくやるせなさを振り払うように疾走。RYUICHI、SUGIZO、INORAN、Jが毅然とセンターに集まり、客席からLUNA SEAを後押しする声が力強く湧き起こった。どうにか突破口を見出そうと努める結束を感じながら思う。この日もある意味“覚悟の夜”なのかもしれない。

みんなもいろんな気持ちを抱えて、今日は来てくれたと思います。俺たちもね、いろいろ考えたんだけど、いちばん大切な真ちゃんとの約束があったから、ライヴをやるという決断をしました」とRYUICHIが挨拶。SUGIZOも自身の交通事故により本公演が延期になったことを謝罪し、「(ドラムセットを指さして)真矢はここにいる。奴は賑やかなのが好きだから。ド派手に行きましょう!」と前を向く。

全編にわたり真矢の映像が差し込まれる形でライヴは進む。冒頭の『UP TO YOU』をはじめ、“会いたくて もう一度”のサビで温かな光が降り注いだ『MILLENNIUM』、深く歪んだラウドロックの味わいやギラつくレーザーライトに胸躍る『inside you』と、真矢が原曲を担ったナンバーが数多く配され、その愛情あふれるセレクトと相まって感傷的にならざるを得ない序盤。

フロントマンとして誰よりも気丈に振る舞うRYUICHI、時に足を引きずり若干やつれた様子のSUGIZO、なるべく笑顔を意識しているように見えたINORAN、腫れぼったい目でどこか寂しそうなJ……真矢が旅立って1ヵ月弱だけに、メンバーは当然まだ苦境を乗り越えられたわけではない。だが、それでも、詰めかけたSLAVEと向き合いながら果敢に楽曲を届け、場内が照明で赤く染まった『Sweetest Coma Again』からは、心の叫びを思わせる一段とエッジーな音像も構築。LUNA SEAならではの巨大なグルーヴが渦巻き出す。

その中軸で尋常じゃないプレッシャーのもと、真矢が全幅の信頼を置く所以を愛弟子として懸命に示す淳士には、ただただ感服するばかり。ビートの種類を含めてタイプは違うドラマーだが、歌を輝かせる華麗なフィルなど、師匠へのリスペクトを余すところなく込め、自分なりに昇華したアプローチでLUNA SEAを成立させる気概が本当に素晴らしい。しかも、とりわけ真矢のドラムが映える高難度な曲を見事に叩いていく。バンドが望む特別なセットリストの実現化も、淳士が120パーセントの力で応えてくれたからこそ。

gravity』が傷をじんわりと癒し、そのまま壮大なバラード『absorb』へ。現状とリンクする“未来へ向かう”“引き返せない”と歌うRYUICHIのボーカルは厳しさを湛えつつ、この世とあの世を繋ぐ得がたい神秘性も感じさせ、自由闊達なドラムを中心に澄んだエナジーが広がれば、SLAVEもアウトロで熱のこもったコーラスを重ねる。筆舌に尽くしがたい余韻を残し、ここでライヴの前半が終了した。

インターバル後は、真矢のドラムソロコーナーからスタート

LUNA SEA

LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -FOREVER-

5月29日(金) クアーズテック秦野カルチャーホール
5月30日(土) クアーズテック秦野カルチャーホール
6月5日(金) 大阪国際会議場メインホール
6月6日(土) 大阪国際会議場メインホール
6月12日(金) 新来島高知重工ホールオレンジホール
6月13日(土) レクザムホール (香川)
6月19日(金) 宇都宮市文化会館 大ホール
6月21日(日) 高崎芸術劇場 大劇場
6月25日(木) 大宮ソニックシティ 大ホール
6月26日(金) 大宮ソニックシティ 大ホール
7月4日(土) 愛知県芸術劇場 大ホール
7月5日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール
7月11日(土) ザ・ヒロサワ・シティ会館 大ホール (茨城)
7月12日(日) パシフィコ横浜 国立大ホール
7月20日(月祝) 札幌文化芸術劇場hitaru
7月25日(土) 森のホール21 大ホール (千葉)
7月26日(日) 森のホール21 大ホール (千葉)
7月30日(木) オリックス劇場 (大阪)
7月31日(金) オリックス劇場 (大阪)
8月8日(土) 新潟県民会館
8月15日(土) やまぎん県民ホール (山形)
8月16日(日) 盛岡市民文化ホール 大ホール
8月28日(金) 上野学園ホール (広島)
8月29日(土) 上野学園ホール (広島)
9月20日(日) 熊本城ホール
9月22日(火祝) 福岡サンパレスホテル&ホール
9月23日(水祝) 福岡サンパレスホテル&ホール
10月3日(土) 仙台サンプラザホール
10月4日(日) 仙台サンプラザホール
10月10日(土) 米子コンベンションセンター
10月11日(日) 倉敷市民会館
10月17日(土) Niterra日本特殊陶業市民会館 (愛知)
10月18日(日) Niterra日本特殊陶業市民会館 (愛知)

詳細はこちら https://www.lunasea.jp/live/2026tour


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