
LUNA SEA随一の長尺曲『THE ONE -crash to create-』をBGMにした約20分のインターバル明けは、もちろん真矢のドラムソロコーナー。下手側のドラムセットにスポットライトが当たり、ラストパフォーマンスとなった東京ドーム公演『LUNATIC TOKYO 2025 -黒服限定GIG-』での勇姿が映し出される。実は命を懸けていたそのプレイに、「もっと来いよー!」と覚悟を問うその声に、特大の真矢コールが何度も何度も送られる。「お前ら、最高にカッコいいぜ!!」と微笑む表情、互いに共鳴し合う眩しい光景を受け、改めて思い知った。彼がどれだけ愛されていたか、どれだけ太陽のような存在であったかを。

快速2ビート×激烈ツーバスが冴えわたる『Metamorphosis』で口火を切った後半。もはや魂が乗り移ったかのごとく、淳士の中に真矢の鼓動が感じられ、先程の『absorb』然り、REBOOT以降の楽曲もしっかりと仕上げてきた。その執念はバンドを大きく救ったに違いない。振り向かずに新たな境地を目指す歌詞、SUGIZOの攻めたギターソロから汲み取れるとおり、LUNA SEAは苦しい状況を全力で打開し、まだ見ぬ未来へ飛び立とうとしている。

「やっぱり、真ちゃんのドラムソロは最高だね。盛り上がったほうが喜ぶと思うので、みんな盛り上がっていきましょう!」とRYUICHIが念押し。聖なる夜に打ってつけの王道アッパーチューン『G.』、煌めくミラーボールやINORANのアコギが辺りを美しく彩った『IN SILENCE』と、唯一無二の世界観を印象づける一方、心からのラブソング『I for You』には“傷つく為に出逢ったわけじゃない”というメッセージが滲む。

次のMCでは、真矢に指名されたサポートドラマーの淳士を紹介。RYUICHIが「無茶なスケジュールを調整してくれました。何より“俺が叩かないでどうすんだ”と思ってくれてる」と称え、会場は凄まじい歓声に包まれる。感極まりそうな淳士に「号泣すんなよ? もらい泣きしちゃうからさ」とツッコミを入れたり、バンドの大黒柱としていつも明るいムードメーカーだった真矢に触れつつ、「淳士はそこがまだ足りないかもね」と笑わせたり、張り詰めていた空気も少し穏やかに。
「献花式に3万人が参列してくれて。とんでもないドラマーだよね」と語ったあとは、いよいよクライマックスに突入する。ファンク色の濃いサウンドと祈りにも似た歌詞が心地よく、真矢が笑顔になるようにSLAVEも大合唱を捧げた『BLACK AND BLUE』で弾みをつけ、爆発力に富んだ代表曲『ROSIER』へとなだれ込む。Jが「行くぞ、真矢ーーーッ!!!!!!」と奮起のマイクスタンド投げを決め、真矢が変わらずここに在るという姿勢を貫いたとき、これは追悼と呼ぶべきライヴではなく、前に進むためのライヴなんだと再認識。

さらに、熱狂とスピードを併せ持つ『TONIGHT』が颯爽と解き放たれ、SUGIZO、INORAN、Jはステージを動き回りながら、オーディエンスとより積極的にコミュニケーションを取りながら、気迫十分のフレーズを掻き鳴らす。歯切れのいい8ビートで絶妙なドライヴ感を生む淳士、パンキッシュかつ艶のあるシャウトを凛々しく響かせるRYUICHI。それぞれが全身全霊で有明アリーナを最高潮にヒートアップさせ、さまざまな想いが募る『LUNATIC X’MAS 2025』の本編は締め括られた。
やがて、誰からともなく『きよしこの夜』を歌い始めるSLAVE。客席にオフィシャルグッズのLUNA SEA LIGHTがキラキラと光り、LEDスクリーンに雪がはらはらと舞う。全員で一丸となりライヴを作ろうとする献身性がとても感動的だ。幸せそうに戻ってきたメンバーは、ここで今の率直な心境、真矢について思うことを明かす。
「今日もいろんなことがあったけど、真ちゃんは俺らを支えてくれていて、やっぱり共にいるんだなと思いました。たくさんの人に来ていただき、本当にありがとうございます。絶対に喜んでるよ」と話すRYUICHIに、「絶対にいるよ。必ずどこかで見てる。真矢くんが叩き続けてきたビートが身体の中に刻まれてるのを感じます。みんなもそうでしょ?」とJが賛同。しばらく何も手が付かない状態だったが、Jはライヴを通じてここが心の置き所だと確信できたという。
「お笑い担当がいなくなっちゃったので、僕が継がなきゃいけないですね。真ちゃんに『お前ら、最高にカッコ悪いぜ!』なんて言われないようにがんばっていきます」と、早速ユーモアを交えたコメントで和ませるINORANが愛らしい。事故後初のライヴでもあったSUGIZOは「ステージに立つのがすごく怖かったです」と吐露。長年の親友に対して「まったく冗談じゃないよ」とこぼしながらも、これまで同様に真矢と歩んでいくことを誓い、「いずれは俺たちも君たちも向こうに行く。そのうち、続きをやりましょう。真矢は熟練の男になってるし、ずっと待ってくれてるhideさんもHEATHも櫻井(敦司)さんもいる。みんな集めて最高のショーをするから」と約束した。

黒子に徹したいという考えゆえか淳士の言葉は聞けなかったけれど、深々と頭を下げては流れる涙をタオルで拭う彼にも「ありがとう!」の声が飛び交ってやまない。SLAVEにプレゼントされた横断幕を掲げ、感謝を伝えるメンバー。RYUICHIが「俺たちの旅の始まりの歌です」と告げたアンコール1曲目『LUCA』は、軽やかなマーチングドラムに乗せ、会場がひとつになってシンガロングし、この上なく温かいムードが生まれる。そして今のマインドに合う、夜明け前を思わせる『WISH』により、LUNA SEAはまた活力を取り戻していく。
ダブルアンコールには、たった1曲でも数小節でもとライヴ復帰を準備していた真矢が、ステージに置かれたターコイズブルーの新ドラムセット(原点回帰でデビュー当時を想起させるYAMAHAモデル)を嬉しそうに叩くスタジオリハーサル映像が公開。ここでも驚くべき回復を見せ、病気の影響など全然ないようにリズムを刻むあたりが彼らしく、最後の最後までカッコいいドラマーだったんだなと実感する。
そんな真矢が楽しみにしていた公演のフィナーレは、リハで叩いていたクリスマスソング『HOLY KNIGHT』。この日いちばんの優しいメロディと神聖なるアレンジをもって、ありあまるほどの愛に満ちた一夜が幕を下ろす。LUNA SEAをやり切ったメンバーへの割れんばかりの拍手が、忘れられないライヴの大成功を物語っていた。
終演後は新アーティスト写真と合わせて、まさかの全国ツアー『LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -FOREVER-』開催を発表。バンドの結成記念日である5月29日(金)から、真矢が愛した秦野を皮切りに実施される。真矢の想いを抱き、大役を果たした淳士とともに、止まらず6人で歩むことを選んだLUNA SEA。この先も思うままに突き進んでほしい。
PHOTO:田辺 佳子/上溝 恭香
取材・文:田山雄士
《SETLIST》
- 1.UP TO YOU
- 2.Déjàvu
- 3.MILLENNIUM
- 4.Sweetest Coma Again
- 5.inside you
- 6.gravity
- 7.absorb
- 8.Metamorphosis
- 9.G.
- 10.IN SILENCE
- 11.I for You
- 12.BLACK AND BLUE
- 13.ROSIER
- 14.TONIGHT
- <ENCORE 1>
- 1.LUCA
- 2.WISH
- <ENCORE 2>
- 1.HOLY KNIGHT
LUNA SEA
LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -FOREVER-

5月29日(金) クアーズテック秦野カルチャーホール
5月30日(土) クアーズテック秦野カルチャーホール
6月5日(金) 大阪国際会議場メインホール
6月6日(土) 大阪国際会議場メインホール
6月12日(金) 新来島高知重工ホールオレンジホール
6月13日(土) レクザムホール (香川)
6月19日(金) 宇都宮市文化会館 大ホール
6月21日(日) 高崎芸術劇場 大劇場
6月25日(木) 大宮ソニックシティ 大ホール
6月26日(金) 大宮ソニックシティ 大ホール
7月4日(土) 愛知県芸術劇場 大ホール
7月5日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール
7月11日(土) ザ・ヒロサワ・シティ会館 大ホール (茨城)
7月12日(日) パシフィコ横浜 国立大ホール
7月20日(月祝) 札幌文化芸術劇場hitaru
7月25日(土) 森のホール21 大ホール (千葉)
7月26日(日) 森のホール21 大ホール (千葉)
7月30日(木) オリックス劇場 (大阪)
7月31日(金) オリックス劇場 (大阪)
8月8日(土) 新潟県民会館
8月15日(土) やまぎん県民ホール (山形)
8月16日(日) 盛岡市民文化ホール 大ホール
8月28日(金) 上野学園ホール (広島)
8月29日(土) 上野学園ホール (広島)
9月20日(日) 熊本城ホール
9月22日(火祝) 福岡サンパレスホテル&ホール
9月23日(水祝) 福岡サンパレスホテル&ホール
10月3日(土) 仙台サンプラザホール
10月4日(日) 仙台サンプラザホール
10月10日(土) 米子コンベンションセンター
10月11日(日) 倉敷市民会館
10月17日(土) Niterra日本特殊陶業市民会館 (愛知)
10月18日(日) Niterra日本特殊陶業市民会館 (愛知)
詳細はこちら https://www.lunasea.jp/live/2026tour

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2025.11.8@幕張メッセ LUNATIC FEST. 2025 Day1 ライヴレポート
STAGE Vol.26 《表紙・巻頭》春畑道哉/A Tribute to Jeff Beck by Char with HOTEI & Tak Matsumoto
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STAGE Vol.25 《表紙・巻頭》INORAN/LOVEBITES
【INORAN機材紹介】2024.9.28@恵比寿LIQUIDROOM INORAN BIRTHDAY CIRCUIT’24 ライヴレポート 












