ドノヴァン・フランケンレイター使用楽器・機材紹介&ミニインタビュー
Orpheum Guitars 1948-1949
1948年か1949年製だと言うOrpheumブランドのギター。Orpheumは19世紀からバンジョー等を製作するメーカーとして存在していたが、戦後Maurice Lipsky Musicというニューヨークの会社がこのブランド名を使用してギター等の楽器を販売しており、こちらはその時期のギターだ。おそらく製造はKAYによるもので、同社のK141というモデルをベースにしたOEMモデルだと思われる。
なお、本人は改造等はないと語っているが、オリジナルではボディサイドから長いケーブルが直接出ていたものを、使いやすいように短くし、ジャックを付けてテールピースに固定するように改造されているようだ(入手時にすでに改造されていた可能性もある)。
―今回のライブで使用したギターについて教えてください。
Donavon Frankenreiter(以下、D):1949年製造で、会社はOrpheum、KayギターやSilvertoneを作った会社と同じなんだ。とても古いんだけど、これにはMOJOがたくさんあってね。クロスロードで随分前に誰かとディールしたんだ。とても美しいギターでね。とても貴重で、クールだよ。古くて、ネックもボディも1本の木からできている。こんなの見たことないよ。シリアル・ナンバーはない。1948年か1949年製造だね。
―今回ライブで使用したギターについて、独自の調整や改造をしている部分があれば教えて下さい。
D:何もないんだ。すべてオリジナルだ。
―そのギターとの出会いについて聞かせてください。
D:僕のバンドのベース奏者のマット・グランディが見つけたんだ。箱の中にあって、バラバラだった。ある人が組み立ててくれて、彼が言うには、これはマジカルなギターだから、試してみるべきだよって。試させてもらったんだけど、試してから戻すことはなかったね。もう12年になるよ。
―使用しているピックの素材やサイズ・厚みの好みについて教えて下さい。
D:ピックはずっと使用してないんだ。
―このギターのお気に入りの理由などあれば教えてください。
D:自分でもよくわからないけど、50本くらいギターを持ってるけど、これが俺の手で自然に感じる。俺の体につながっているような感じだ。ボリュームコントロールとピックアップが一つだけ。とてもシンプルで、それが俺にはいいんだ。他のギターも試そうとしたけど、このギターが自然で俺の手にはいいんだ。
Fender U.S. Vintage ’57 Stratocaster 1995
バックアップ用としてステージ上に用意されていたのはFender製のストラトキャスター。後のAmerican Vintageシリーズの前身となるU.S. Vintageシリーズの ’57 Stratocasterで、シリアルナンバーから1995年製と思われる。
アンプはFender ’68 Custom Deluxe Reverb。シルバーフェイス(銀パネ)と呼ばれるコントロールパネルが銀色の時期のDeluxe Reverbをリイシューした現行モデルで、チャンネルは「Custom」と「Vintage」の2チャンネルとなっている。ドノヴァンは「Vintage」チャンネルを使用。このアンプ自体は日本国内でレンタルしたものだ。
アンプ上にはドノヴァンの使用弦D’Addario EXL115 XL Nickel Round Wound(0.11-0.49)が置かれていた。アンプのセッティングも見ることが出来るが、ボリュームは「4」、トレブル・ベースともに「6」という設定だ。
―アンプは何を使いましたか?
D:フェンダー・デラックス。俺のギターはこの12インチ・スピーカー一発と相性がいいんだ。
足元は、アンプのフットスイッチとチューナー、オーバードライブペダルのみ。
写真右から、BOSS TU-3(チューナー)、Ibanez TS808(オーバードライブ)。TS808は「OVERDRIVE」を下げ目、「LEVEL」を上げ目に設定しており、ブースターとして使用している。
-―エフェクターは何を使いましたか?
D:チューナーとブースト用のチューブスクリーマー・ディストーション・ペダルだけ。ペダル・ボードはないよ。
―『Get Outta Your Mind』は9年ぶりのオリジナルアルバムですが、音作りで気を使った点は?
D:曲を書いて、レコーディングをハワイですることが出来てよかった。それは初めてなんだ。だからとても特別さ。どれも美しい曲でね。作ることが出来てよかったし、誇りに思ってるよ。コラボレーションも誇りに思ってる。俺が尊敬する人たちだし、今まで仕事をしたことがなかった人だし。だから特別なんだ。俺がみんなに電話したんだ。コラボが可能か聞いて、みんながOKしてくれたわけではないけど。コラボは難しいよ。1曲だけかとおもったけど、9曲もコラボをやったんだからね。
―今回のライブでのサウンドメイキングのこだわりについて教えて下さい。
D:エキサイトしてるよ。今回はフル・バンドだからね。エレキとアンプ一つ、フェンダー・デラックスで演奏する。ジェレミー・ロングがキーボードをすべて、それとペダル・スティール。とてもユニークで美しいサウンドさ。アレックス・ナッシュがドラム。マット・グランディがベース。フル・バンドで曲を演奏するのは楽しいよ。新しい曲もね。特別さ。
PHOTO:SHUN ITABA
Donavon Frankenreiter
最新アルバム『Get Outta Your Mind』 Now On Sale!!
2004年大ヒットを記録したメジャー・デビュー・アルバム『ドノヴァン・フランケンレイター』のリリースから20周年記念の年となる今年、9年ぶりのオリジナル・アルバム『ゲット・アウタ・ユア・マインド』をドノヴァンはリリースする。今作はカリフォルニア州ピノン・ヒルズのスーパー・ブルーム・スタジオとハワイ州カウアイ島のドノヴァン自宅近くのマウカ・ビュー・スタジオでセルフ・プロデュースにより、制作された。このアルバムには、ドノヴァンの家族への愛とハワイへの愛が込められている。「このアルバムは、僕を笑わせ、泣かせ、そして愛を感じさせる。最初から、最後まで自分自身を感じさせる唯一の作品だよ」とドノヴァンは語っている。
【通常盤】
■1CD
■解説・歌詞・対訳付
■ボーナス・トラック収録
¥2,860(税込)
SICX-202
https://www.sonymusic.co.jp/artist/DonavonFrankenreiter/discography/SICX-202