全世界で興行収入450億円超の大ヒットを記録したミュージカル映画「LA LA LAND」を、オーケストラの生演奏と迫力ある演出で楽しむステージ・エンターテインメントが、2022年8月18日(木)~8月21日(日)、東京国際フォーラム ホールAにて開催された。今回の公演は、映画公開時に作品の舞台でもある街・ロサンゼルスのハリウッドで、たった一度だけ開催されたイベントの初来日公演となる。

8月19日(金)13:00の回には、スペシャル・オープニングMCとして俳優の柿澤勇人さんが登壇。前日に鑑賞した感想を「目がいくつあっても足りないくらい素晴らしい」と興奮を交えながら語ってくれたが、まさにその通りのステージだった。

ここ日本でジャスティン・ハーウィッツ氏の指揮とランディ・カーバー氏の生演奏に触れられる日が来るとは。

「LA LA LAND」の作曲を手掛けたジャスティン・ハーウィッツ氏の指揮のもと、まずは『OVERTURE』から公演が始まる。これは、同氏が「LA LA LAND」を構想している時 最も初期に書いた楽曲をアレンジしたもので、『Planetarium』の原型となった曲なのだそう。劇中では使用されていないが、ロサンゼルス公演の際、会場の観客の為にたった一度だけ演奏されたことのある楽曲だ。グリフィス天文台でミアとセブが2人だけの宇宙で踊るシーンのように、一気に私たちを「LA LA LAND」の世界へと誘ってくれる。

目と耳、そして体全体で「LA LA LAND」の世界に浸る。

正面のスクリーンで映画本編が流れ始めると、劇中曲の演奏を担当したランディ・カーバー氏が、目の前で『Another Day of Sun』のあのフレーズを軽やかに演奏してくれる。左右のスクリーンはオーケストラの演奏の様子を映し出し、さらにステージの手前にはダンサーが登場して、賑やかな渋滞のシーンを色鮮やかに表現していた。映画本編に登場する夢追い人たちのように、全員にそれぞれの個性が光る。本当に目がいくつあっても足りない…と、開始5分で思い知らされる事になる。

花火や炎など、生のイベントならではの演出で楽しませてくれる。

Someone In the Crowd』は、ミアがオーディションでうまくいかなかったシーンで流れる楽曲だが、夢追い人たちのたくましさが、生演奏によってより一層明るく表現されているように感じた。後半のパーティーのシーンでは再びダンサーが登場し、ステージの両サイドでは花火が上がり、非常に華やかなシーンとなっていた。

一人一人の個性が光るダンサーたち。生き生きと表現する姿がとても眩しかった。

レストランから聞こえてくるクリスマスソングが『Mia & Sebastian’s Theme』に移り変わっていく演奏や、セブが車の中で何度も確認していた『Japanese Folk Song』のフレーズを自宅で練習するシーンも、生演奏で再現してくれる。まるでセブの指がそこにあるかのごとく、映像と同じリズムで聞こえてくるピアノの音に感激した。

ライトハウス・カフェのシーンで流れる、この作品きってのジャズナンバー『Herman’s Habit』や、キース率いるバンド”メッセンジャーズ”のリハーサルシーンなどの演奏は、随所にアドリブが加えられており、サントラを聞き込んだファンは「おぉっ」と興奮したのではないだろうか。

ここで休憩を挟み、2幕目は、冒頭の『OVERTURE』同様にロサンゼルス公演以来の演奏となる『ENTR’ACTE』から始まった。

Start A Fire』のライブシーンではセブがキーボードとピアノを同時に弾くシーンがあるが、ランディ氏も同様に両手でそれぞれの楽器を弾き鳴らしてくれた。さらに曲名の通り、ステージ上にも炎の演出が。曲のキメの後には、会場内にも大きな拍手が沸き起こった。私のメモには「最高か」と書き記してある。

圧巻の演奏と指先まで美しいキメの瞬間が訪れる度に、会場からは大きな拍手が沸き起こる。

物語終盤は切なく感動的なシーンの連続だが、感情の起伏のようにコロコロとテンポや曲調が移り変わる楽曲も、鮮やかに聴かせてくれた。あまりにも完璧に聴こえる演奏だったが、ふと、目の前で生身の人間が演奏してくれているのだと改めて認識した瞬間、鳥肌が止まらなくなった。こんなに素晴らしいステージを作り上げてくれているステージ上の方々も、もしかしたら、ミアやセブのような気持ちを味わってきたのかもしれない。これだけの技術を手に入れるためにしてきた日々の努力や鍛錬、犠牲にしてきたもの、とても語りつくせないおひとりおひとりの人生が音に込められているような気がした。

Epilogue』や『Audition(The Fools Who Dream)』をどんな気持ちで演奏してくれたのだろう。ステージ上の方々も、この作品や楽曲が好きだといいな、と思った。

カーテンコール。ステージ上でお互いを讃えるように拍手を送り合う姿に胸が熱くなった。

アンコールでは特別に、オーケストラによる『City of Stars』ジャズアレンジバージョンを披露してくれた。作中でセブが熱弁していたように、トランペット、サックス、ピアノ…と移り変わっていくソロパートはとても刺激的で、新鮮だった。

全体を通して、映画本編の演出と同じくステージ上も少しずつ照明を落とす演出が見られたり、”あの街灯” ”あのベンチ”など、作品のファンなら嬉しくなってしまう演出が散りばめられており、没入感の高いとても幸せな時間を過ごす事ができた。

映画が公開された当時、映画館の音響と大スクリーンでこの作品を味わいたかった私は、何度も何度も映画館に通っては同じシーンで涙を流した。上映期間が終わってしまうと、大きな会場で作品を楽しむ事が難しくなってしまう。だからこそ今回の来日公演は大変有り難いものだった。生演奏を全身で感じることにより迫力は増すし、自宅のテレビのスピーカーでは聞き取れないような繊細な音まで届けてくれるからこそ、切なさはより一層心に染み渡った。また、スクリーンに映るオーケストラの真剣な眼差しには大変胸を打たれた。

あらためて、私はこの作品が大好きだと実感した。いつか再来日公演があるとするならば、私は必ずまた足を運ぶし、夢追い人は是非とも一度「LA LA LAND」に触れてみてほしい。

取材・文:上間 江望
撮影:阿部 章仁

指揮:ジャスティン・ハーウィッツ(映画「LA LA LAND」作曲)
ピアノ & キーボード:ランディ・カーバー
演奏:東京21世紀管弦楽団
トランペット:ルイス・バジェ、小澤篤士
ベース:澤田将弘、石川隆一
サックス:ブライアン・ヤスヒロ・シーモア
トロンボーン:中川英二郎
ドラム:丹寧臣
ギター:渡辺具義
男女混声合唱団 -Choir- (60名)
ダンサー -Dancers- : Ayaka Hikima、Aura Barriga、Joven、LORITA、Manon Poudat、Oliver McDaid、Patrick Akira、Sanika Isozaki、Satoshi Nakagawa、Shu Nishimoto、Souta Nagashima、Yurina Kutsukake

上映作品 映画「LA LA LAND(ラ・ラ・ランド)」
監督・脚本:デイミアン・チャゼル
出演:ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、ジョン・レジェンド、ローズマリー・デウィット、J・K・シモンズ ほか
音楽:ジャスティン・ハーウィッツ

ライター:上間江望

LA LA LANDが大好きです。自宅でLA LA LANDのBlue-rayを堪能するために大きめのテレビを買い、2018年に自分で作詞したオリジナル楽曲『ENDROLL,after』はLA LA LANDをモチーフにしました。いつか子供が産まれたら”ミア”と名付けたかったのですが、なんと友人に先を越されてしまいました…!(ミアのようにとても可愛い子です)

【Profile】
声優アーティストとして、アニメやゲーム等の声優活動も行いながら、楽曲の作詞もこなし、幅広く活動中。
https://uema-emi.com/

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■ジャスティン・ハーウィッツが手掛けるジャズ・フレイヴァーに溢れた音楽を収録。きっとまた映画が観たくなるサウンドトラック。全30曲収録。
■音楽プロデュース: ジャスティン・ハーウィッツ(『セッション』)

CD品番:UICS-1323
価格:¥2,750 (税込)


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