Shunが静かに語りだす。悲しいニュースの多さに心を痛めながら「何よりも嫌なのは人が死ぬっていうこと。それはコロナとか関係無しで」と語った彼は「もし何か背負ってるものとか追い詰められてる状況とかがあったりしたら、なかなかライブハウスに来るのは難しいし、寄っかかるのは難しいかもしれないけど、俺たちバンドマンとかミュージシャンは常にあなたたちを支えるために言葉を吐いて音楽を届けてます。だからこそもっともっと心のディスタンスを解いて一緒に前に進めたらって思ってます。つらい気持ちや失われた命にこの曲を送ります」と告げ『This Life』へ。スケールの大きく広がるコーラスに乗せてどんな事があってもこの人生を生き続けていく決意が高らかに歌われた。「繋がった音楽をしっかり橋に変えて、明日につなげようぜ」『We’re Gonna Make a Bridge』。アルバムではJ-REXXXとのコラボレーションで歌われたロックステディナンバーをJoseとShunが熱く歌い上げる。楽曲終盤にはShunの目に涙も浮かんでいるようだった。

続くMCではShun「やっぱなんかテメェで歌っててテメェでぐっときちゃっててさ歌詞に」、Jose「それは本当に幸せなことだよね」とのやりとりからShunが「こういう時のために俺たちの音楽があったんじゃないかなって、歌いながらすげー思ってきて、ちょっと涙が出てくるよね。すいません!」と涙を拭う場面も。

「たまには俺らも分かんなくなるときもあるんだよ。なんのために歌ってるかとかなんのためにバンドやってるかとかさ。意味を失うことって多分誰でもあると思うんだけど、その意味はやっぱり自分たちで取り戻して、そこからもう1歩前に進む必要があるんだなっていうのを今日一日で感じました」「世の中もバンドのシーンもどんどん動きが早くなってるし、激しい流れの中で俺らも振り落とされないように、コースアウトしないように必死でいろんなことに食らいついてきた。毎年アルバムを作ったりとか、どんなことがあってもライブだけは続けてきたし。気づいたら追いかけてるものがそこにあったはずなのに、いろんなものに追われてたなっていうのを感じてて。でも、コロナでツアーが吹っ飛んだりとか、リリース計画もまっさらになったりとか。やれって言われてることがゼロになったときに本当に自分の中でやりたいものが見つかって、それがやっぱり、バンドだったし、パンクだったし、TOTALFATだったし。みんなと一緒にライブがしたいっていう気持ちが最後に残って。だから早くみんなとライブがやりてーなー!」「こういう状況になるとそれぞれ背負ってるものも別だし、置かれてる状況も違うし、でも、なんとか生き残って、来年になるか、もしかしたらそれより先になるかも知れないけど、俺らがあの日に帰るんじゃなくて、新しい日を取り戻すために、俺たちTOTALFATも今日出てくれたBIGMAMAも音楽を止めずに走っていくんで、これからもみなさんよろしくお願いします」と率直な思いを熱く語ったShun。「俺が笑えるようにこの曲を作ったんだよ!ありがとうございました、TOTALFATでした。みんなで笑おうぜ!『Smile Baby Smile』」どこか懐かしくもある軽快なスカパンクナンバーが、先程のMCを受けたこともあり一層しみじみと深く響いてくる。「今君と笑うために生きていたい」の言葉が心から本気なんだと素直に思える。

最後の曲の前にShunに「メンバーに話振るって言って全然振ってなかったね。Bunta言いたいことある?」と促されるとBuntaは「俺たちがポジティブじゃなくなっちゃったら誰がポジティブになんだって話じゃん。だからまずは俺らと俺らの周りだけでもポジティブな空間でみんな過ごしていってほしいなと思って。そういう時間をこれからもたくさん作っていけたらな」と述べ、Joseも「さっきShunが言ったみたいに、コロナ中、俺はこのままバンドマンでやっていっていいのか?何も発信できねーじゃんみたいな時期が一瞬あったわけよ。改めて考えて、自分の中で欲しいものといらないものを分けて削っていったら、結局ギターと歌とこのバンドしか残んないわけ。それに気づけただけで本当に幸せだなって思ったし。自粛明け一発目スタジオに入ったとき、1曲目で既に泣くっていうね、俺が(笑)バンド楽しいっつって。何かそんぐらい大事なものに気付けた期間でした。みんなにもそういう時間になればいいなと」思いを伝えた。「みんな泣いてんじゃん(笑)」と茶化しながらも、「でもこれが俺ららしさだと思うよ。この感じがみんなに届いて楽しいとか好きって思ってもらえたら、次の一歩、一緒に踏み出しましょう」「どうか俺たちは一人じゃないっていうことだけは忘れずにいてください。ありがとうございました!」

『Place to Try』ライブでも定番であるこのバンドのポジティブさを詰め込んだアンセムのようなキラーチューンを高らかに歌い上げ、ライブは幕を閉じた。 TOTALFATの純粋で率直な言葉が、そしてその思いを乗せた曲たちが、真っ直ぐに響いてきたライブだった。いつしか、画面越しに見ていることを忘れ引き込まれ、体は自然に動いていた。またいつかその日が来たら、必ずライブハウスで待ち合わせだ。

Text:稲葉悠二
Photo:Masaty

《SET LIST》
  1. SE:S58′
  2. 1.Give It All
  3. 2.PARTY PARTY
  4. 3.ALL AGES(Worth a Life)
  5. 4.My Game
  6. 5.夏のトカゲ
  7. 6.My Secret Summer(新曲)
  8. 7.Summer Frequence
  9. 8.スクランブル
  10. 9.晴天 feat.東出真緒(BIGMAMA)
  11. 10.夜明け待つ
  12. 11.宴の合図
  13. 12.Hello&Goodnight
  14. 13.Life like Movies
  15. 14.This Life
  16. 15.We’re Gonna Make a Bridge
  17. 16.Smile Baby Smile
  18. 17.Place to Try
TOTALFAT

次回ライブスケジュール

8月20日(木)
「SUPERBAR」
OPEN 18:30 / START 19:00

<CAST>
TOTALFAT (Acoustic Set)
ハルカミライ (Acoustic Set)
INKYMAP (Acoustic Set)

【ホスト会場】
渋谷TSUTAYA O-Crest
地方11箇所のライブハウスでライブビューイング配信あり

8月28日(金)
無観客配信ライブ 「UKFC in the Air」
http://ukfc2020.ukproject.com/

8月30日(日)
泉大津フェニックス(大阪府)
「RUSH BALL 2020」
https://www.rushball.com/


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