石井智大 使用楽器・機材紹介
Genuzio Carletti 1956
イタリアのピエーヴェ・ディ・チェントを拠点とした製作家ジェヌーツィオ・カルレッティ(1905-1996)による1956年製作のバイオリン。
イエローゴールドのニスが美しく、細部の精巧な作り込みに確かな技術を感じられる。
「13歳から使用している楽器です。当時はクラシックを演奏しており、しっかりとパワーのある楽器を求めていました。イタリアンらしい明るく明瞭な音色が特徴です。15年以上使用して、少し柔らかさも出てきたように感じます。当時と今では演奏している音楽も奏法も全く異なりますが、ずっと僕の演奏を聴いてくれている人が「石井君の音は変わらない」と言ってくれることが、この楽器と共に歩んできたんだと思えて愛着を感じています」(石井)
5string Acoustic-Electric Violin
Low_Cを追加することでのサウンド面における多様性に加えて、Low_Cの響きを追求するためにボディサイズにこだわったユニークなバイオリン。趣のあるアンティークフィニッシュも魅力的だ。ピックアップ搭載のエレアコ仕様の楽器ながら、生の鳴りをしっかりと感じることができる。
「2021年の12月にいつもお世話になっているクロサワバイオリン新宿店さんで偶然出会った楽器です。長く5弦バイオリンを探していましたが、納得のいくものに出会えませんでした。いっそビオラを改造しようか!?と考えていましたが、バイオリンよりも一回り大きいこの楽器は、5弦目のLow_Cを張ってもパワーと鳴りがあります。従来の一般的な5弦バイオリンのウィークポイントを見事にカバーしており感銘を受けました」(石井)
Andre Richaume
フランスで最優秀職人賞の受賞歴があり、叔父であったフェティーク兄弟、そしてユージン・サルトリーらの弓製作の巨匠に学び、名実共に20世紀のフランスを代表する弓製作者として名を刻んだ、アンドレ・リショーム(1905-1966)による1本。
「17歳くらいから使用していたと思います。重厚でコシのある弓で、あらゆる奏法にしっかりと応えてくれるポテンシャルを持っています。高度なボウイングのテクニックを要する場面も楽々こなせ、とても信頼のおける弓です」(石井)
■ペダル周り、その他周辺機器
ペダル
ELECTRO-HARMONIX HOG2(ハーモニック・オクターブ・ジェネレーター)
BOSS RV-500(リバーブ)
「アコースティックのセッティングの場合、基本的にリバーブなどの空間系のエフェクトしか使うことがないのですが、ELECTRO-HARMONIX HOG2はいつ使っても面白いですね。多機能なオクターバーで、音をシンセサイザーのように扱うことができます」(石井)
その他周辺機器
RME Babyface Pro(オーディオインターフェイス)
「他にはRME Babyface ProをDPA 4099のマイクプリとしてステージ上で使っているのは珍しがられます。ステージ上での操作性も良く、音もクリアです。また、マイクのインプットをダイレクトにモニター出来たりもするので、ラウドなバンドの時にはかなり助かります」(石井)
iRig BlueTurn(Bluetooth フット・ペダル)
取材・文:廣瀬航
撮影:加藤浩平