SEX MACHINEGUNS

フロア中に響き渡る「みかん!みかん!みかん!」の声が嬉しいじゃないか。SEX MACHINEGUNSはバンドの顔とも言える『みかんのうた』を冒頭から叩きつけ、フロア中の人たちの頭を揺らし、拳を高く突き上げさせるヘヴィメタルのライブらしい絶景を最初から作りあげていた。 左右のメンバーたちが激しく動きまくるパフォーマンス演奏をするのに対して、ANCHANG(Vocal, Guitar)は、大地にしっかり根を下ろしたみかんの木のように立ち聳え、雄々しい声と激烈なリフを繰り出し続ける。途中、竿隊の3人が横一列に並び、リフや頭を振る様を合わせるなど、胸を熱く騒がせる見せ場もしっかりと用意。さすが、SEX MACHINEGUNSだ。

ANCHANG(Vocal, Guitar)

続く『ONIGUNSOW』も、長くライブで演奏してきた曲。先に伝えるなら、この日は活動初期から高い支持を得続けてきた曲たちばかりを届けていた。「鬼!鬼!鬼!」に合わせ、フロアから突き上がる拳もお馴染みの景色。激烈なリフを次々と突きつけ、彼らは轟音の洗礼を与えてゆく。SEX MACHINEGUNSのライブは、メンバーのステージアクションも楽曲を彩る要素になっている。頭をガシガシに振りながらも、舞台上の動きからも目を離したくはない。

佐渡に行きたいか!!」の煽りも受けつつ、演奏は『燃えろジャパメタ』へ。2本のギターがツインでリフを刻めば、そこにSHINGO☆(Bass)のベースも絡み、三位一体とした激烈な演奏をぶつけだす。ジャパメタと言えば、メロディアスな歌とメロディアスなリフ。そんな風にも思ってしまうように、SUSSY(Support Guitar)のギターリフとANCHANGのシャウトした歌声の絡み合いも印象深い。ツインでリフを刻む場面では、気持ちが嬉しく騒ぎだす。熱く、熱く、ずっと熱く魂を揺さぶり続ける楽曲だ。熱情した気持ちが、ずっとずっとアガり続けてゆく。

熱を上げて高ぶった状態へ、SEX MACHINEGUNSは『JAPAN』を突きつけた。楽器を鳴らすたびに腕をぐるぐる振り回すアクションなど、この曲でも彼らは次々と見せ場を提示。気持ちの奥底から沸き立つ熱を覚える楽曲だ。「JAPAN JAPAN」と腕を振りかざし歌い叫ぶANCHANGの動きに合わせ、フロアでも同じ動きが起きる。腕を高く突き上げるのは、当たり前。メンバーと一緒に腕をぐるぐる振り回すなど、ともに音と魂を分かち合っていた。その様が勇ましい。まさに、最高に熱情した景色がここに生まれていた。

Heavy Metal Thunder』の演奏でも、そう。熱情した気持ちはとことんまでアガっていくしかない。いや、そうさせてくれという気分だ。雷鳴以上の衝撃なんて、在り来りな言葉も使ってしまいたくなるくらい、ずっと気持ちがアガり続けていた。メンバーらと一緒に拳を突き上げながら「Heavy Metal Thunder」と叫んでいたい。ノンストップで魂をガンガンに熱く騒がせる演奏へ、鋼のリフで次々とハートを打ち鳴らす音に触れ続け、その演奏と感情をずっと一つにし続けていたかった。

荒ぶる音が、大きな波のようにあふれだした。『BURN』の演奏が魂を熱く騒がせる。沸き立つ感情のままに歌や演奏をぶつけるメンバーたち。「すべてが燃えつきる」までの歌詞の一節ではないが、燃え盛る熱情を、沸き立つ感情を、この場へすべて叩きつける勢いでSEX MACHINEGUNSは演奏していた。全身全霊で頭を振り、拳を突き上げるフロア中の人たち。この勢いのまま、もっともっと熱狂し続けろ。

観客たちの爆発したい感情を、SEX MACHINEGUNSは『桜島』を通して燃えたぎらせる。雄々しくも荒々しい、まさに噴火し続ける様が見えてきそうな爆発した演奏だ。激烈なリフが身体をグサグサと刺し続ける。ANCHANGのギターソロも、胸を騒がせる。猛り狂った衝動は、いくところまでいかないと治まらない!

最後にSEX MACHINEGUNSは、『German Power』を“佐渡トキ/金バージョン”として、歌詞を「佐渡トキパワー」に変え『German Power(佐渡トキ/金)』をぶつけていた。すでにフロア中は暴れ騒ぐ人たちによって熱した鋼鉄の宴と化していた。ANCHANGの歌に合わせ、大勢の人たちが両手を雄々しく掲げて騒ぐ景色が、たまらなく胸を熱くさせる。この熱狂、ぜひ佐渡の地まで運び、佐渡島でロックフェスティバルの開催へ繋げてほしい。ヘヴィメタルは何時だって海を渡り、何処までだって鳴り響くのだから。

アンコールでSEX MACHINEGUNSは、THE冠の冠徹弥をメイン・ヴォーカリストに迎え、みんなで『Metal Fire(渡トキ・バージョン)』を演奏。冠徹弥の歌声に、他のメンバーと観客たちが「佐渡・トキ・Metal Fire」と連呼。遠く佐渡の地まで届ける勢いで、轟音メタルに乗せ、その叫び声を炸裂させていた。このセッションを、渋谷の地だけに納めておくのはもったいない。ぜひ、世界中から佐渡島に人を集め、その地で「佐渡・トキ・Metal Fire」と一緒に叫び声を上げる日を、ぜひ実現させてもらいたい。

SEX MACHINEGUNS《SET LIST》
  1. 1.みかんのうた
  2. 2.ONIGUNSOW
  3. 3.燃えろジャパメタ
  4. 4.JAPAN
  5. 5.Heavy Metal Thunder
  6. 6.BURN
  7. 7.桜島
  8. 8.German Power(佐渡トキ/金)
  9. EN.Metal Fire(佐渡トキ・バージョン)

撮影:佐藤早苗
TEXT:長澤智典

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