2019.3.26@Zepp Tokyo GLAY TAKURO Solo Project 3rd Tour “Journey without a map 2019”
TAKURO(GLAY)
心のアルバムにギターで焼き付けた
様々な思い出のページをめくる旅路
全編インスト楽曲で作りあげた、TAKURO(GLAY)の2ndソロアルバム『Journey without a map II』。 同作品を手に、彼は全国ツアー「GLAY TAKURO Solo Project 3rd Tour “Journey without a map 2019″」をこの春に実施。『STAGE』では、3月26日(火)にZEPP TOKYOで行ったライブの模様をレポートする。
穏やかに流れるブルーズな演奏に導かれ、TAKUROが舞台へ姿を現した。 沸き起こる手拍子。 Gibson ES-355を手にしたTAKUROは、哀切さを抱いた演奏へ、むせび泣くようなギターの音色を重ねだした。 ライブは、アルバム同様『SOUL FRIENDLY』からスタート。 その演奏は、触れた人たちの心を現実から切り離し、哀愁と浪漫を胸に覚える旅へと連れ出した。 途中、江畑コーヘーの弾くストラトキャスターとユニゾンで演奏する場面も。 TAKUROの爪弾くギター音色やバンドの描き出したブルーズな演奏は、心の内に秘めた想いをキュッと揺さぶってくれた。
顔を見合せながら、ゲストプレイヤーとして登場したTOKUの吹くミュートしたトランペットの音色とTAKUROの弾くギターの音が会話を始めた。互いの感情が昂りだしたところで、演奏は『DANDY MAN』へ。とても柔らかく心地好い雰囲気を作りながら、ジャムセッションを行うように演奏は進んでゆく。 互いに温かい音色を交わし音の表情を描く様へ、演奏者たちの心模様を感じ取れた気分だった。
TAKUROが口にした「このヒヤヒヤなセッションの感じがたまりません。今日は、最高の夜になる予感しかない」の言葉に続き、気持ちを弾ませるように『Autumn Rain』へ。 心をときめかすギターのフレーズ、その旋律をSAX奏者の米澤美玖と掛け合う様も刺激的だが、それ以上に、触れた人たちの心を馳せる演奏が心地好い。 TAKUROが連れてきた秋の雨は、気持ちを騒がせる音色を心へ降り注いでいった。
「曲を作るとき、メロディと一緒に歌詞も降りてくるんだよ」と言いながら、突然TAKUROが上京したばかりの頃の思い出をtatsuyaの奏でるピアノの音色へ乗せて語りだした。 ひとしきり、上京間もない頃のGLAYの活動の思い出を歌い語ったところで、演奏は跳ねたビートも魅力的な『TIMELESS WONDER』へ。 華やいだ音色に気持ち踊らせた観客たちが起こした手拍子。 ここでは、TAKUROのギターと米澤美玖の吹くテナーサックスの音色をユニゾンで演奏する場面も登場。 スキップした気分を、途中テンポアップしながら駆けだす気持ちへ塗り変えるなど、1曲の中へミュージカルのようにドラマを描いてゆく様は流石だ。
空間を活かした音を重なる中へ、クールなギターの音色で荘厳な風景を描いたブルーズナンバーの『北夜色 Port Town Blues』。ジワジワと熱を上げるような躍動した演奏の中へ哀愁を漂わせた『do svidaniya』でも、TAKUROを筆頭とするメンバーたちはジャジーでブルーズなセッションを楽しんでいた。
「安心して心を預けてくれますか。必ずや素敵な風景にみんなを連れていきますので」。 その言葉を示すように、TAKUROは『Istanbul Night』を奏で、会場中の人たちの心に翼を与え、自由な空間へ羽ばたかせた。 スウィングする演奏に触発され、沸き立つ熱い気持ちを抑えられない。 後半には、「愛しあいましょう」と呼びかけるTAKUROの歌声に、「もっともっともっともっと」と観客たちが言葉を投げ返すやり取りも登場。 終盤には、TAKUROのES-355と米澤美玖のCannonball T5-HSによる掛け合いもふたたび登場。 インスト演奏だからと言ってゆったり聞いてなどいれない、ロックなライブのように、気持ちがどんどん熱くなる。
「命ある限り、ギターを手に、地図のない旅をしながら、またこうやって音を届けていきたいなと思っています」。 2020年に向かって活気づいた東京の街の風景を音の絵筆で描くように、TAKUROは『Swingin’ Tokyo 2020』を届けてきた。 跳ねた演奏に乗せて響く華やいだ音色の数々に心まで弾みだし、手拍子せずにいられなかった。さぁ、ここからもっともっと華やぐ空間にこの会場を染め上げよう。
ときめいた気持ちへ、ベースの石井ゆかこが妖しくもムーディな音色を重ねだした。 演奏は、次第にスリリングさを増しながら『RIOT』へ。 艶やかながらも胸を熱く刺激する演奏に触発され、気持ちが騒ぎだす。 もっともっと、この熱を全身で感じていたい。
その想いを爆発させるように、TAKUROが「立って騒ごうぜ」と、椅子に座りながらウズウズしていた観客たちに声をかけた。 その言葉を合図に飛びだした『SARAH 派手にやれ!』を介し、演奏が一気にテンポアップ。 観客たちも一斉に立ち上がり、激しさと華やかさを増した演奏へ心地好く身を預け、騒ぎだした。 どんどん熱を上げる演奏。 「今日はTAKUROと花見だ」という声を合図に、パンパンパンと3連打の手拍子を軸に、ドラムのTOSHIの活動35周年の数字に合わせ35回手を叩いたり、GLAYのデビュー25周年に合わせ25回叩いたり、果ては100回連続で手拍子を行うなど、TAKUROや演奏するメンバーたちと一緒に、会場中の人たちが宴を楽しく描き続けていった。
最後は、GLAYの『鼓動』をインストで披露。 ジャジーにアレンジされたとはいえ気持ちに力を注ぎ込む演奏だったように、誰もが高ぶる気持ちを笑顔と一緒に解き放っていった。
アンコールは、記憶の中に生きる故郷の景色を音に乗せて描いた『やすらぎのチセ』から。 穏やかな演奏の上で、TAKUROが温かなギターの音色を這わせてゆく姿も印象的だ。 ここでふたたびTOKUを呼び入れ、メンバーみんなで『TM St.2am』をジャムセッション。 最後にTAKUROは、ダイナミックな演奏に乗せ、ブルーズな『Journey without a map』を奏で、再び観客たちの身体に熱を注ぎながら、様々な思い出のページをめくる旅を、それぞれの心のアルバムの中へ熱く焼き付けていった。
さぁ、次はGLAY25周年の活動だ。 5月からは新元号を冠した「GLAY LIVE TOUR 2019 -SURVIVAL- 令和最初のGLAYとHEAVY GAUGE」ツアー、8月にはメットライフドームでの「GLAY 25th Anniversary “LIVE DEMOCRACY”」も開催される。 その動きにも、熱い視線を注いでいきたい。
取材・文:長澤智典
ライブ撮影:岡田裕介
機材撮影:小野寺将也
《SET LIST》
- 1.SOUL FRIENDLY
- 2.DANDY MAN
- 3.Autumn Rain
- 4.TIMELESS WONDER
- 5.北夜色 Port Town Blues
- 6.do svidaniya
- 7.Istanbul Night
- 8.Swingin’ Tokyo 2020
- 9.RIOT
- 10.SARAH 派手にやれ!
- 11.鼓動
- EN1.やすらぎのチセ
- EN2.TM St.2am
- EN3.Journey without a map
GLAY
GLAY 57th Single『G4・V -Democracy 2019-』2019.7.2 Release!!
5月25日(土)にデビュー25周年を迎えたGLAY。今年元旦に打ち出した「公約」のひとつ「新元号初シングル発売」が7月2日に決定!デビュー25周年記念シングルであり、4曲全てがリード曲である「G4」シリーズの第5弾。「JUST FINE」、「COLORS」のMusic Videoは全編ハワイで撮影されており、美しい映像にも注目してほしい。
5月19日からは新元号初の全国ホールツアー【GLAY LIVE TOUR 2019 -SURVIVAL- 令和最初のGLAYとHEAVY GAUGE】を開催中、8月17日、18日にはメットライフドームにて【GLAY 25th Anniversary “LIVE DEMOCRACY”】を開催、さらに11月からは全国9箇所17公演、18万人動員の大型アリーナツアー【GLAY ARENA TOUR 2019-2020 DEMOCRACY 25th“HOTEL GLAY” 】の開催も決定している。