またここから新しいページに物語を綴ろう。

活動7周年を迎える日乃まそらが、5月11日に渋谷eggmanで「日乃まそらONEMAN LIVE -Dialogue-」を行った。この日に、3rd mini Album『Dialogue』とAcoustic mini Album『Monologue』を2枚同時発売。ホームとなる渋谷eggmanワンマンのチケットがSold Outを記録。誕生日を前日に控えた日の模様を、ここにお伝えしたい。

暗くなった場内に映し出されたのが、日乃まそらからの感謝の言葉と、今日のライブに向けた決意。そのうえでライブは、「輝くスポットライト 僕らの足跡を 愛せるように~約束しよう 最高のフィナーレを」と歌いだす『Prelude』から幕開けた。真っ白いスポットライトに照らされた彼女の姿が眩しい。「いくよ、渋谷!」の力強い声を合図に楽曲が駆けだせば、日乃まそら自身も気持ちを解き放つように歌いだす。彼女に向けて無数の拳と声が上がる、とても気持ちを高ぶらす始まりだ。ステージの上から降り注ぐ眩しい歌声の輝きをつかみたくて、大勢の人たちが高く手を伸ばしていた。曲が進むごとに高まる歓声と興奮。「約束しよう 最高のフィナーレを」の歌詞のように、最高のライブがこの場に生まれそうだ。

続く『Alright』でも心踊らせたフロア中の人たちが、日乃まそらへ向けて高く掲げた手を左右に大きく振り、声を上げる。サビで歌った「大丈夫だよ」の声に触れるたび、安心と勇気が沸き続ける。それは、日乃まそらの歌が持つ魔法?いや、彼女自身が心に積み重ねてきた、その強い意志を解き放つように歌う声を、自分の気持ちと重ねて受け止めていたからだ。

「僕なんか    そうやっていつも後ろ向いてた」と歌いだす。その言葉に同調し、その声へ気持ちを強く惹かれるように声を張り上げたくなる。フロア中から響く熱い手拍子も力に、日乃まそらはフロア中から上がったたくさんの手を、歌声の手でつかみながら『Over the sky』を歌っていた。彼女は台の上から場内中をじっと見つめ、沸き立つ想いを、ここにいるみんなと結び合い、ここから小さな一歩を共に踏み出しながら、感じるまま新しい物語を作り続けようと誘いかけていた。ここにいる人たちは知っている、ここに僕らの望む世界(ライブ)があることを。だから、日乃まそらの声をすべて零すまいと手を伸ばし続けていた。

さよなら負のmotion』では、日乃まそらと観客たちが共に手を鳴らす場面からスタート。彼女と一緒にリズムや歌にあわせて飛び跳ねるたび、心が笑顔になる。台を降りた日乃まそらは、観客たちと同じ目線で想いを投げ続ける。サビでは、彼女と満員の観客たちが一緒に手を高く掲げて飛び跳ねていた。そのやりとりが最高に楽しい。

跳ねるジャジーなリズムを合図に、『ルックアットミーガール』がスタート。心地好いスリリングさを持った楽曲だ。激しく駆けるピアノの音色に刺激を受け、気持ちが騒ぐ。巧みに変拍子も加えながら、楽曲は心を熱く騒がせるドラマを描きだす。日乃まそら自身も、気持ちを前のめりに、攻めるような歌声と姿で、観客たちを自身の懐へグイグイ引き込んでゆく。心地好い緊張感が身体を唸らせる。だから、彼女と一緒に拳を振り上げつつ、日乃まそらの姿をずっと見つめていた。

この場に温かい声の風を吹かせるように歌いだしたのが、『春風』。新しい季節の始まる時期や、新たな夢を掲げたとき耳にしたくなる楽曲だ。この曲へ背中を押されるまま、日乃まそらとフロア中の人たちが手にしたタオルや振り上げた拳をくるくると回し、一緒に春風を、いや、ひと足早く夏の風を呼び起こすように、熱情した風を場内中に巻き起こしていた。

ここまで一気にノンストップで駆け続けてくれたのが嬉しい。フロアから「Sold Outおめでとう!!」の声が飛び交い、その言葉を耳にした日乃まそらが感動で涙ぐみそうになる。じつは冒頭でも、1曲目は大事な場面だからこそ、満員の観客たちの顔を見て泣いてしまったら歌えなくなるからと、フロアを見回すのを我慢していたことも伝えてくれた。ファン たちが、チケットが完売していることを彼女と一緒に喜んでいた姿も印象的だ。「ここにいるみんなをわたしが幸せにする」と語った日乃まそらの言葉も頼もしい。

次に届けたのが、亡くなった大切な人を想いながらも、その人との想い出を胸に前向く姿を歌にした、バラードの『Starry Night』。胸の内にいろんな悲しみや切ない想いを抱きながらも、日乃まそらはこの曲を、大切な人への感謝と未来へ向く力に変えて歌ってい た。ステージの上から流れる楽曲に、涙を流したときと同じ人肌の温度感を感じていたのは、彼女の心の温もりがしっかりと胸に伝わっていたからだろう。

ここからは、アコースティックなスタイルのコーナーへ。ピアノの音色を軸に据えたバンド演奏という、生音も生かした形で届けた『Don’t Disturb(Acoustic)』が、とても艶めいた輝きを放って耳に響いてきた。ジャジーなムードを醸す演奏の上で、日乃まそらは身体を優しくスウィングしながら歌っていた。彼女とメンバーたちが音を交わすように演奏を進めていく。その様に触れ、同じように身体が自然と揺れていた。

続く『明日への』では、アコギとピアノの音色を軸に据えて届けてくれた。夏を舞台に、余命を告げられた大切な人へ想いを込めて作ったこの曲を、日乃まそらは温かい演奏と、観客たちの優しい手拍子に乗せ、大切な人と過ごした思い出や、その人の笑顔を瞼に映すように歌っていた。ときに左手を胸に添え、大切な人の元へ思いをしたためた手紙を、あの空(この空間)を越えて届けるようにと…。言葉のひと言ひと言を大切に、遠くを見つめながら歌う彼女の声が、瞼を少し滲ませた。

優しいあなた』では、日乃まそらが“とらのめ”と名付けたアコギを手に、温かいピアノの演奏に乗せ、軽やかにアコギを鳴らし、言葉のひと言ひと言を弾ませるように歌っていた。ときに演奏を気にしながらも、目の前にいる大切な「あなた」へ想いを届けるように歌っていた。その微笑ましい姿へエールを送るように、フロア中から温かい手拍子がずっと鳴り響いていた。

MCでは、人の心を動かすことの大変さと大切さ、ここへ至るまでの日々を、振り返るように語りだす。ここでは、7年間続けてきたからこそ今見ている、この景色。たくさんの思いやりで満ちたこの場で歌えていることへの感謝の気持ち。たくさんの愛に包まれていることへの想いなどを述べていた。

この先も、大切な未来を歩んでいけますように」。気づいたら、自分の音楽が誰かの支えや想いになっていた。そんな想いを込めて生まれた『碧の世界』を、「1人強がって固結びした思考 ぼやけて見える碧の世界」と、アコギを優しくストロークしながら、言葉のひと言ひと言に魂を込めて歌っていた。その視線と繊細に揺れ動く歌声は、この場にいる一人一人の心を見つめていた。碧色の世界に染まったステージの上で「この声があなたへと届くように」と歌う声は、確かに胸に届いていた。

そぼ降る雨の音と切々としたピアノの音色。もの悲しい雰囲気に包まれたその場に誰もがじっとたたずみ、ステージを見つめていた。やがて雨が止むのにあわせ、強さを増した鍵盤の音色へ誘われるように、日乃まそらは、白いスポットライトに照らされながら『』を歌っていた。アコースティックのブロックで彼女が見せた、いろんな優しい心模様。ときに迷走しながらも、その答えを探すように歌う日乃まそらの声は、いつだって煌めいていた。その輝きをさらに煌めかせるように、バンド演奏が加わりだす。光を浴びて放つ雨粒のような歌声の煌きを、この曲に触れている間中ずっと覚えていた。人によっては雨粒が、いつしか涙に変わっていた人もいただろうか。でも、彼女の歌声は、いろんな人たちの心へ、次第に晴れ渡る心の物語を映しだしていた。演奏が終わってすぐに起きた大きな拍手が、とても印象的だった。

ここからライブは後半戦へ。「恐れるな 這い上がれ 決して譲れないMy stage」と日乃まそらが『Break Down』を歌いだす。演奏が激しく駆けるのにあわせ、フロア中から野太い声と数多くの拳が突き上がる。熱を抱いて疾走する演奏の上で、彼女自身も拳を振り上げ、自らの感情を鼓舞するように凛々しい様で歌っていた。台の上から身体を前のめりに歌うその姿は、今にもフロアへ飛びこまんばかりだ。それだけ日乃まそら自身の中に、熱情したい想いが駆け巡っていたからだろうか。場内中の人たちの身体も、ふたたび大きく揺れ動きだす。

高ぶる想いへ、ファンキーかつ熱いロックンロールの刺激を振り注ぐように『Grateful Day!』が飛びだした。翌日に誕生日を迎える彼女のバースデーも祝うように、日乃まそらと観客たちが手拍子を交わしながら、この場に最高に眩しくてワンダフルな景色を作りあげていた。誰もが無邪気な少年や少女に戻って、この場に生まれた幸せと楽しさと熱狂 を、思いきり食べ尽くしていた。途中、日乃まそらの誕生日を祝おうとバースデーケーキが登場。みんなで彼女の誕生日を盛大に祝いながら、歌詞通り、日乃まそらに「素敵なプレゼント」を送っていた。

そのうえで、今度はバンドスタイルで『Don’t Disturb』を演奏。先ほど以上に激しく、荒々しい演奏をぶつけるメンバーたち。日乃まそらも力強く拳を突き上げれば、気持ちをより奮い立て、熱狂する満員の観客たちと一緒に、炎上ならぬ、熱情した景色をこの場に作りあげていった。誰もが剥き出した感情の叫びを腹の底から上げていた。その声が、この空間を揺さぶっていた。

MCで日乃まそらは、「音楽を続けていくために、自分の居場所を探すのに必死だった」と語りだす。そのうえで、「わたしは終わりの約束をしたくない。みんなと見る未来がすごく大切だし、すごく好き。もっともっと楽しい約束をみんなとしたい」と述べていた。さらに、「わたしがライブハウスで歌うことが、みんなにとっても居場所になればいいと思う。そんな大切な場所をこれからも守り続けるし、作り続けるから。この先の未来も一緒に歩いていけたら嬉しいです」と思いを言葉にしていた。そして…。

わたしは、自分の存在をここに証明していきたいと思います。あなたの存在を証明できるように全力で届けていきたいと思います」。日乃まそらとここに集った仲間たちが、ここに集まった意味や、これからも共に歩み続ける意志を確かめあうように、『存在証明』を通し、互いに振り上げた手を見えない絆で結びあっていた。自らの存在意義を示すように歌い叫ぶ彼女の姿へ誰もが共鳴し、己自身の存在する意味も熱情した声にして示していた。そして、「可能性のその先へ行こう」の歌詞のように、みんなで目の前にある境界線を超え、力強く駆けだしていた。

あなたがいてくれたから、わたしは今日もこうやって音楽が出来ています」。日乃まそらは最後に『アイリス』を通して、さらに強く互いの絆を結びあっていた。これまで以上に大きな声でエールを送る観客たち。その声に触れ、気持ちが熱く泣いた。その姿を見ながら彼女自身も、大切な仲間たちと作りあげたこの景色に、感謝はもちろん、この光景をもっともっと輝かせようと歌っていた。歌詞の一節の、「君の夢と僕の未来が いつの日かひとつになったなら」の言葉が示すように、みんなの気持ちが大きな一つの塊になった景色が、確かにこの場に生まれていた。日乃まそらが最後に述べた、「この先の未来も一緒に紡いでいきましょう」の言葉も嬉しかった。

時計の音が鳴り響く場内。そこへアコギの音色に乗せ「いくつもの夜を越えて 少しは強くなれた?」と、日乃まそらが弾き語りで歌いだした。アンコールは、迷い、もがきながらも一筋の光を探そうとしていた自分を、何者でもなかった自分が何かになろうとする思いを歌にした『Monologue』から始まった。あの頃の自分を改めて振り返り、その姿を自分の胸へと刻み、そして未来を見据えるように歌う彼女の姿が、そこにはあった。

「これまでの足跡を全部愛せるように」。そう叫びながら、最後の最後に日乃まそらはふたたび『Prelude』を歌いだした。新たな強い絆を作りあげた仲間たちと一緒に、またここから新しいページに物語を綴ろうと約束を交わすように力強く歌っていた。真っ白なライトに照らされた彼女に向け、たくさんのエールの拳が突き上がる。そこには、未来も見据えた、この日最高のフィナーレの景色が広がっていた。その姿を求めたくて、もっと側で抱きしめたくて、たくさんの人たちがずっと声を張り上げ、高く手を伸ばし続けてい た。

PHOTO:千佳
TEXT:長澤智典

《SET LIST》
  1. -Band section-
  2. 1.Prelude
  3. 2.Alright
  4. 3.Over the sky
  5. 4.さよなら負のmotion
  6. 5.ルックアットミーガール
  7. 6.春風
  8. 7.Starry Night
  9. -Acoustic Section-
  10. 8.Don’t Disturb(Acoustic)
  11. 9.明日への
  12. 10.優しいあなた
  13. 11.碧の世界
  14. -Band section-
  15. 12.雨
  16. 13.Break Down
  17. 14.Grateful Day!
  18. 15.Don’t Disturb
  19. 16.存在証明
  20. 17.アイリス
  21. -ENCORE-
  22. EN1.Monologue
  23. EN2.Prelude

日乃まそら 使用楽器・機材紹介

日乃まそら

HINO MASORA Monologue Dialogue Release Tour × 7th Anniv. Party!!!

リリースツアー ~Dialogue 編~
2025.06.15(sun)
【名古屋】@今池3STAR
<1部 Acoustic Live>
【時間】14:15/14:35【料金】¥3,000-(+1D)
【出演】日乃まそら / でぃすこね!
<2部 Band Live>
【時間】17:00/17:30
【料金】¥3,000-(+1D)
日乃まそら / Disconnect Cendrillon

リリースツアー ~Monologue 編~
2025.06.22(sun)
【大阪】@長堀橋 WAXX
<1部>
【時間】13:30/13:45【料金】¥3,000-(+1D)
日乃まそら / CANACO(Faulieu.) / 北原ゆか
<2部>
【時間】17:15/17:30【料金】¥3,000-(+1D)
日乃まそら / CANACO(Faulieu.) / やましたりな / and more…

Tour FINAL×7th Anniversary
"Seven UP!!!" -supported by Girl's UP!!!-
2025.07.05(sat)
【東京】@渋谷eggman
【時間】14:45/15:15【料金】¥3,400-(+1D)
【出演】日乃まそら / ASH FRAST / モモカルテット / EMANON / yesAND / ラストランプ / Disconnect Cendrillon / AND CALL.


Schecter Ryoga A Tribute to Jeff Beck
G&L Larrivee Char日本武道館
Furch J MONO
Novo Guitars Digimart RS Guitarworks
TUBE Orange GH