配信リリースしたばかり。高陽したサビ歌始まりの『旅人の詩』の登場だ。幸せが待っているはずの未来へ向かって一緒に走り出そうと、MANAKOは誘いかける。躍動したビートナンバーに乗せ、MANAKO自身が大きく手を伸ばしながら、自らの中に渦巻くネガティブな感情をすべて解き放つように歌っていた。MANAKOは、もっともっと一緒に幸せを分かち合おうと誘いかける。その誘いを受け、フロア中の人たちも熱い手拍子をぶつけ、彼女に想いを返していた。
『旅人の詩』は、ステージに立つ自分が、これからもみんなといろんなところを旅しながら一緒に思い出となる景色を作っていきたいと願う歌。ネガティブな言葉に傷つき、つらさや寂しさに襲われ、何度も歌うことをやめそうになりながらも、でも、ライブという場で歌うことが好きだし、みんなと一緒に過ごすことが何よりも大切だからという想いを込めて作っている。大好きな人たちへ向けたMANAKOの想い、配信音源を通して受け止めてもらいたい。
次に披露した新曲の『バッドエンド』も、今までのMANAKOにはない表情を持った楽曲。彼女は、爪弾くギターのアルペジオの旋律の一つ一つへ自身の感情の揺れを重ねあわせるように歌いだす。MANAKOは、歌詞の一節一節に込めた、ひと夏の切ない思い出をこの場へ記すように歌っていた。「君と見た終わりたくない夢たち」「あの日から動けない」の言葉が胸をキュッと締め付ける。その切なさを、それでもMANAKOは前を向く力に変えてゆく。それこそが、MANAKOらしい姿勢じゃない。
再び熱を抱いて楽曲は駆けだした。「君と出会って今日で10年、あっという間だった」とMANAKOは『真っ白な君に』を、愛しい人へ向け、笑顔で歌っていた。MANAKOには、心を元気に導くポジティブナンバーがとても似合う。彼女の弾む心模様を、楽器隊が前ノリの演奏で後押ししてゆく。気持ち弾む演奏に合わせ、フロアでも手拍子をしながらMANAKOの歌声を受けとめてゆく人たちが大勢いた。
「わたしはいつでもここで待っています。また会いに来てくれたら嬉しいです」「これからもずっと、愛される歌を歌っていきたいなと思っています」
ライブの終盤を彩ったのが、熱い手拍子に乗せて歌った、シャッフル系の『Crossing』。軽快に、心地好く弾む演奏の上で、MANAKOは歌声の翼を大きく広げ、無限に広がる青空へ向かって自由に心を羽ばたかせていた。はしゃぐ気持ちのまま高らかに響かせるサビ歌に触れながら、同じように気持ちに翼を与え、MANAKOと一緒に自由を楽しみたい。五線譜の譜線をトランポリンに、はしゃぐように軽快に跳ねる歌声が心地よい。MANAKOの前を向く力強い歌う声をエネルギーに変えながら、このまま一緒に心弾ませ続けたい。
次に歌ったのが、ちょうど1年前にリリースした『休日』だ。マイクスタンドに身をあずけ、右手に持ったマイクをぎゅっと握りしめ、閉塞した現状から抜け出し、もっと心を自由に、一緒に手を繫いで駆けだそうと歌っていた。『休日』には、コロナ禍を乗り越えようとしていた時期に生まれた曲らしいMANAKOの視点から捉えた想いやメッセージが詰め込まれている。彼女は「抜け出して~飛び出して」と歌っていた。MANAKOとなら一緒に未来を変えていけるなんて偉そうなことは言わない。でも、そんな気持ちにしてくれるのが嬉しいじゃない。
最後にMANAKOは今のリアルな気持ちを詰め込んだ『END』をしっとりと歌いかけてきた。お互いに未来を作っていこうという気持ちも込めてMANAKOは歌う、「あなたの帰りをずっと待っていたよ」「わたしたちの未来を歌おうよ」と。余計な装飾を抜いた、とてもシンプルでスキッとしたバラード曲だ。だからこそ、MANAKOの伝えたい想いが明瞭に、強い意思を持った言葉として胸に染み渡った。彼女の気持ちを押し上げる演奏も心地好い。「ほら、この歌に乗せてわたしたちの未来歌おうよ」「きっと幸せだろう 数えきれないありがとうを」と歌う声が、じんわりと胸に内に染み込んでゆく。寄り添うように歌うMANAKOの声を優しく抱きしめていたい気持ちだった。
アンコールでMANAKOは、再び『旅人の詩』を歌唱。大切な仲間たちと一緒にこれからも未来へ向かって走り続けていこうと歌った楽曲だからこそ、「何も変わらなくても 幸せで溢れてる」と歌うこの想いを、もう一度応援してくれるみんなと分かち合いたかった。フロア中の人たちも熱い手拍子で、MANAKOと一緒に楽しさを分かち合っていた。一緒ならきっと「もう怖いものはない」。力強い歌声を、隠しきれない笑顔で歌う。さぁ、これからも一緒に明日へ向かって走り続けようか。
TEXT:長澤智典
《SET LIST》
- 1.with you
- 2.青とドライブ
- 3.前向きなサヨナラを
- 4.またね
- 5.FAKE
- 6.ミラー
- 7.旅人の詩
- 8.バッドエンド
- 9.真っ白な君に
- 10.Crossing
- 11.休日
- 12.END
- EN.旅人の詩